またの名をレクサス・LSとも言うセルシオは、どこまでも高品質を追求した
トヨタ自動車が誇るブランド・レクサスは、1989年から2006年にかけて高級セダン車のセルシオを販売していた。こちらも立派なトヨタブランドを成し遂げていて、名前はラテン語で「至上、最高」の意味を表している。レクサスの歴史の中で高値の花と言われていて、現在では中古車市場でもわずかな数しか残っておらず、高い値段で取り引きされている。
初代 XF10型から立派なセダン車を成し遂げていて、エンジンやサスペンションにもこだわった
![](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/userstorage/000/051/140/979/fbdd792bc9.jpg?ct=ad1fd9218276)
1989年に誕生して販売を開始したセルシオは、流麗な4ドアセダンの形状を保って1UZ-FE型 4.0L V型8気筒の DOHCエンジンを搭載した。サスペンションは前後共にダブルウィッシュボーン式エアスプリングだが乗り心地がさらにスムーズになる電子制御エアサスペンションもあり、トランスミッションは4速ATのみだった。それぞれで装備が異なるA、B、Cの3種類が用意され、日本車として初めて自発光式メーターを採用したので、セルシオ独自のはっきりとしたアイデンティティ(自己同一性)を確立した。
バブル崩壊の影響を受けても決してくじけることなく、2代目 XF20型が誕生した
![](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/userstorage/000/051/140/980/208f7e48fb.jpg?ct=dc3839b514ab)
5年間に渡って活躍した初代が終わった後は、2代目が誕生した。この頃はバブル経済崩壊の影響を受けたが、それでもくじけることなく立派なセルシオを成し遂げることができた。外観は初代とあまり変わらないが、プラットフォームやブレーキ性能を1から改良し、エンジンはVVT-i・連続可変バルブタイミング機構が採用され、トランスミッションは新たに5速ATも加わった。これらの進歩によって動力性能が向上したが、今回から安全面も考慮したので、衝突安全ボディー「GOA」を採用して運転席・助手席のサイドエアバッグも標準装備することになった。1999年になると初の特別仕様車・10thアニバーサリーが登場したが、こちらはCOBBYによると、セルシオ生誕10周年を記念したものである。
流麗な曲線でまとまった3代目 XF30型は、最後のモデルとしてふさわしくなるよう整えた
![](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/userstorage/000/051/140/981/224981fb38.jpg?ct=797a2eadae99)
とうとう2000年に3代目へと突入したセルシオは、今までの常識を覆すように生まれ変わり、エクステリアデザインはなだらかな曲線でまとめられ、エンジンはこれまでのものを凌駕するV型8気筒・4,300ccの3UZ-FEに切り変わった。改良した部分はまだまだたくさんあって、排気ガスは平成12年規制よりさらに75%低減でき、ワイヤレスドアロックをスマートキーシステムに変え、室内空間はゆったりとくつろげる客室のようなものに設計した。2003年にマイナーチェンジが行われてヘッドライト、ボンネット、フェンダー、トランクリッドなどが新デザインとなり、燃費が8.2km/Lから8.9km/Lへ向上した。これだけ磨きがかかったセルシオはレクサスブランドを盛り上げ、海外でレクサス・LSという名前で発売されることも決まった。
セルシオをホイールでカスタムして足元からドレスアップしよう!
完全に終了した後は、トヨタが誇る高級車ブランドの一つ、レクサス・LSに受け継がれた
![](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/userstorage/000/051/140/994/05f457be04.jpg?ct=1179208c450b)
これまで紹介してきたセルシオは2006年に完全終了することとなったが、その後はレクサスのフラグシップ車であるレクサス・LSに受け継がれた。こちらはセルシオと同時に発売され、いくつもの研鑽を惜しまなかったので、丁寧な磨きがかかった麗しいセダン車となった。4代目からハイブリッドモデルが加わり、5代目からはプラットフォームが強化され、より迫力のあるエクステリアとなった。そしてその勇ましくて美しい姿は、現在にも行き届いている。
ブランドが付いたフラグシップモデルの地位は、クラウンマジェスタに受け継がれた
![](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/userstorage/000/051/141/005/590f2fd6ea.jpg?ct=ad983e786866)
セルシオの姿はレクサス・LSだけではなく、同じくトヨタが手掛けている高級車ブランド・クラウンマジェスタにも受け継がれた。こちらも長い間販売を継続していて、ずっと衰えない輝きを放っている。やっぱりクラウンとレクサスは、トヨタが胸を張って手掛ける誇りと言える。
心からくつろげるような特別仕様車・Cプレミアムも登場した
30系セルシオには、特別仕様車であるCプレミアムも登場した。エクステリアは濁りのない真っ白なホワイトパールクリスタルシャインで塗装され、レクサス独自のエンブレムが前後に堂々と付けられている。インテリアは木目調パネルと明るいベージュが融合していて、走行中にありがたいカーナビや後ろに下がって駐車する時に役立つバックビューモニターも加わった。
結論から言えば、セルシオはレクサスそのものよりも高い人気を集めていたことが伺える
現在でもセルシオを懐かしむ人は多く、何よりレクサスの歴史に貢献してきたことが伺える。ちなみにセルシオの売り上げは、レクサスそのものやクラウンを上回っていて、「セルシオだからこそ乗りたかった!」と述べる人もたくさんいた。
Posted at 2019/09/18 14:31:36 | |
トラックバック(0) |
トヨタ | 日記