車のエアコンに起こる様々なトラブルと対処法とは?

2019年6月21日

050601

シンガポール建国の父と言われたリー・クアンユー氏は「人類最大の発明はエアコン(クーラー)である」と言いました。かつて、クルマにはエアコンは付いていない時代もありましたが、現代ではエアコンなしでクルマに乗るのはかなりの苦行です。しかし、夏になるとなんだかエアコンの調子が悪いということがあります。エアコンの不調はなぜ起きるのでしょう? そして対処方法はあるのでしょうか?

エアコンの仕組みを知ろう

050602

クルマのエアコンの主な構成部品は、以下になります。
1.風を発生させるブロアファン
2.冷媒を冷やすコンデンサ
3.冷媒を循環させるコンプレッサー
4.冷えた冷媒から冷たい風を作り出すエバポレーター
5.温度を調整するヒーターの5つの部分

2~4はパイプでつなげられ、冷媒が循環しています。トラブルで多いのが冷媒の漏れです。2~4の間のどこかで亀裂や緩みなどがあると、そこから冷媒が漏れていまい必要な圧力を得ることができません。以前はパイプの途中にサイドグラスという装置があってそこで確認ができたのですが、最近のエアコンはサイドグラスが省略されているで、冷媒の圧力を計測して漏れの有無を判断します。

圧力が低いときは原因を見つけて、修理、冷媒を補充します。エアコンの冷媒には潤滑用のオイルが含まれており、そのオイルが不足してもトラブルが起きやすいので、必要な場合はオイル入りの冷媒や、オイルの補充を行います。
エアコンのパイプは太いものと細いものがあり、両方が車内に入っています。その内、太いほうが低圧側です。エアコンが正常に動いていれば、触れば冷たくなっていて、多くの場合は結露しています。

電動ファンなどの不良や汚れによるコンデンサの放熱不足

コンデンサというのはラジエターにそっくりな部品で、普通のクルマの場合はエンジンルーム内のラジエターよりも前に配置されています。ラジエターにはラジエターキャップが付いていますが、コンデンサにはそれがありません。
コンデンサを冷やすためにクルマには電動ファンと言われるファンが装備されています。この電動ファンの回転力が落ちると十分に放熱できなくなり、エアコンの性能がダウンします。エアコンを作動させてしばらくしても電動ファンが回らない、回っても明らかに回転が遅いといったときは、ファンの不良が考えられます。

電動ファンはセンサーで管理され必要なときに突然回りますので、完全にエンジンが冷えている状態(たとえば一昼夜始動していないなど)以外では触るのは危険です。車種によってはイグニッションがオフでも作動します。作業をする場合は必ずバッテリーのマイナス端子を外しておきます。
コンデンサのフィンが詰まっているときも放熱効率が落ちます。水をかけるなどして汚れを落としますが、コイン洗車場の放水ガンなどは威力がありすぎてコンデンサをキズつける恐れがあるので気をつけましょう。

冷えないだけではない エアコンのさまざまなトラブル

エアコンのトラブルは冷えないというだけはありません。よくあるのが匂いです。エアコンの匂いはエバポレーターや空気の通路のカビなどが原因で起きます。また、エアコンフィルターを交換していない場合はフィルターが原因になっている場合もあります。ユーザーができるのはエアコンフィルターを交換したり、通路の一部を掃除すること程度です。

噴霧式ケミカルもある程度の効果が期待できます。また、オゾン脱臭というものもあります。以前はオゾン発生装置が高価だったので業者依頼が基本でしたが、最近は1万円を切る機材もあるので、DIYも十分に考えられます。風呂場やトイレでも使用できます。ただし、オゾンは高濃度になると危険なので、人間がその場にいないことはもちろん、ペットなども脱臭している場所に入らないようにしましょう。

エアコンを作動させると除湿機能も働きます。除湿の原理はエバポレーター内で水蒸気が結露することで行われます。結露した水ドレンホースを通って、車外に排出されますが、この通路のどこかが詰まっているとエバポレーター内で水があふれて車内が水浸しになります。エアコン使用時に車内に水が入るときはドレンホースを掃除すると解決します。クルマの下に潜って、ドレンホースの中に自転車のスポークの曲がった側を入れるなどで解決することもあります。くれぐれもとがった道具などを入れるのは避けましょう。


(諸星陽一)

関連するユーザー投稿

乗るに戻る

マイページでカーライフを便利に楽しく!!

ログインするとお気に入りの保存や燃費記録など様々な管理が出来るようになります

まずは会員登録をしてはじめよう

カーライフ 記事カテゴリ

注目タグ

最近見た車

最近見たクルマはありません。

ニュース