脳内補完。

最近、日曜の朝に戦隊ヒーロー物のテレビ番組を見ることがあります。
今はキャラクターや小道具の造形もカッコいいし、CGや特撮の技術も素晴らしいです。

我々が半世紀前に見ていたヒーロー物はどうだったんでしょう？
CGはもちろん、特撮という技術もありませんでした。
フィルム編集や逆転再生ぐらいしかなかったと思います。

でも当時の子供は、今の子供と変わらずに夢中になっていました。
当時の撮影技術はそれしか無かったし、それでも十分だったのです。

レンタルビデオが流行った時に、昔のヒーロー物が好きな友人に見せてもらいました。
見て感じたのは「よくこんな物に夢中になっていたな」です。
正直言えば「こんなの見るんじゃなかった」なのです。

脳内補完して記憶を美化していたんでしょうね。
実際の映像を見てみるとガッカリせざるを得ませんでした。

具体的に挙げると「ナショナルキッド」「アラーの使者」「海底人８８２３（ハヤブサ）」「七色仮面」「遊星王子」実写版「鉄腕アトム」等々です。

人間、特に子供には想像力で補うという素晴らしい能力があるのです。
大人から見れば単なる木切れやガラクタであっても、子供にすればオモチャであり遊びの小道具になっていたのです。

最近はオモチャも進化して、遊び方まで完璧に特化しています。
レゴなどのブロック玩具も、プラモデルのような専用キットが中心になっています。
たとえデコボコのブロックでも、子供にとって自動車や飛行機に見える想像力という能力を備えているのです。

技術の進歩や経済力の向上によって、子供が想像力を発揮する機会を奪ってしまったのではないのでしょうか？