五感

　公共放送・NHKのニュースサイト「NHK NEWSweb」の配信記事から『３０％余の子ども 味覚認識できず』に注目。

　極めてショッキングなニュースではあるが、内容を冷静に見極める必要があるのでは。
　味覚の異常は、亜鉛欠乏などミネラル不足が原因とも云われている。味の濃い加工食品や清涼飲料の摂取を止めたからとて、状況が即座に改善するとは思われない。


　個人的に気に掛かるのは「伝統的子育て」とやらを盲信する時代錯誤・無知蒙昧な保守勢力が、子どもの味覚異常＝食生活の乱れ＝共働き家庭の増加など｢（彼らが理想とする）家族｣の崩壊が原因だ……と短絡し、傍迷惑な主張を勢い付かせることである。

　彼らの主張が正であるなら、某超大手ファストフード・チェーンの支援を受けて当選し、現在閣僚に登用されている保守政党の女性政治家など、我が国の豊穣な食生活を破壊し、家庭を顧みず政治活動に現を抜かす極悪人として真っ先に駆逐されなければならないと思うのだが。



　問題は味覚に限らない。
　もはや異臭でしかない大量の香水を浴び、衣類からナフタレン臭を発散させ外出する老人。
　イヤホンの音漏れレヴェルを遙かに超越し、公共の場で騒音を撒き散らす無神経な若者。
　通行人の迷惑など眼中になく、禁止場所や歩行中の喫煙を抑制できないニコチン中毒。
　そして他者の痛みを感じられず、陰湿ないじめや集団暴行を繰り返す少年。


　日本人の「五感」全てが、異常を来している。

　冒頭紹介した、味覚異常の原因の一つである「亜鉛欠乏」は、男性側要因の不妊ももたらす。
　より詳細な科学的分析と対策が早急に為されないと、いずれ文明的にも生物学的にも、日本人が滅亡してしまうかもしれない。