恐ろしいです
↓↓
■空気充填中の事故、年1回ペース 「5年たったら定期点検を」
滋賀県甲賀市のガソリンスタンドで昨年末、空気充填(じゅうてん)中の大型トラックのタイヤが突然破裂し、作業をしていた店員が風圧で死亡する事故が起きた。同様のタイヤ破裂事故は過去5年間に全国で少なくとも5件発生し、3人が死亡している。特に大型車のタイヤが破裂した場合の衝撃は「手榴弾(しゅりゅうだん)並みの恐ろしさ」と指摘する関係者もおり、業界団体は定期点検の実施など注意を呼びかけている。 (和野康宏)
◆2メートルも飛ばされ
「ドーン!」
昨年12月22日夕、甲賀市の国道1号沿いにあるガソリンスタンドで大きな音が響いた。副店長の男性従業員=当時(49)=が大型トラックのタイヤ(直径80センチ)に空気を入れる作業をしていたところ、突然、破裂したのだ。副店長は約2メートル後方に飛ばされ、病院に運ばれたが、胸に強い風圧を受けたことによる大動脈解離で死亡した。
滋賀県警甲賀署によると、破裂したタイヤは側面全体に細かな亀裂がたくさんあり、タイヤの強度が下がっている状態だった。そこに高圧の空気を補充したため、破裂したとみられる。
ガソリンスタンドを経営する会社は「当社の店舗でタイヤの破裂事故が起きたのは初めてのケース。恐ろしさは十分に認識しており、注意を呼びかけていたにもかかわらず起こってしまい残念」と話す。
◆5件で3人死亡
国内のタイヤメーカーでつくる「日本自動車タイヤ協会」によると、空気充填作業中のタイヤ破裂事故は、「補充」作業に限っても平成22~26年の5年間で5件発生している。うち人身事故は4件で、3人が死亡している。
22年1月、山形県河北町の建設会社で、従業員ら3人が除雪作業車のタイヤ(直径1・4メートル)に空気を入れていたところ、タイヤが破裂。男性1人が胸に風圧を受けて間もなく死亡。別の男性も軽傷を負った。同年11月には、北海道室蘭市の運送会社でトレーラーのタイヤ(直径90センチ)が空気充填中に破裂し、作業をしていた男性運転手が胸部の出血性ショックで死亡した。
また、補充作業中の事故以外にも、25年4月にさいたま市北区の陸上自衛隊大宮駐屯地で大型トラックの整備をしていた隊員2人が、新たに組み替えたタイヤ(直径1・2メートル)に空気を充填していたところ、タイヤが破裂。女性隊員が死亡し、男性隊員が重傷を負っている。
ある運送会社の関係者は「大型車のタイヤになると非常に高圧で、破裂すると風圧も強烈。手榴弾に匹敵するほどだ」と話す。
◆10年以上はダメ
日本自動車タイヤ協会技術部の柴田浩幸さんによると、破裂はタイヤの劣化や破損が大きな原因。「低圧状態で走行を続けると、タイヤ内部がダメージを受ける。そこに高圧の空気を充填すると、傷を受けた部分が耐えきれずに破裂する」と説明する。
それだけに、走行前のタイヤチェックと月1回のタイヤ内の空気圧点検は大切だ。「まずは目視。タイヤの接地面がへこんでいたり、タイヤの側面に傷があれば要注意。ただ、目視だけでは異常が確認できないケースも多い」という。空気圧は乗用車で高くて280キロパスカル、トラックは800~900キロパスカルとされるが、柴田さんは「半分以下になったら非常に危険。そんな場合は空気を入れずにタイヤ販売店などに相談してほしい」と話している。
タイヤのすり減り具合に注意を払うのは当然だが、ゴムは時間とともに劣化していく素材。各メーカーは、走行距離にかかわらず使用開始後5年が過ぎたら定期的にタイヤを点検し、10年以上は使用しないよう呼びかけている。
Posted at 2016/06/13 15:52:34 | |
トラックバック(0)