
ここ数日の足に軽自動車に乗っている。
車名はダイハツ「ミラ」。走行距離はまだ1600km弱の新車で、新車の接着剤やゴムの匂いが車内に漂っている。
最初に驚いたのは視界の広さと座面位置、これはクラウンと同じか少し高いかも知れない。前面のガラスは接近しているものの、旧型と比べてもかなり開放感がある。
そして一番驚いたのが後席だ。身長176cmの私の場合、シートを後に引くのだが後席の足下にはかなりの余裕があり、大人4人乗っても狭く感じない。
後部座席の位置を思いっきり後に下げ、ボンネット側もかなり寝かせエンジンルームをコンパクトにして稼いだようだ。
パッケージング的には軽自動車としては広い部類に入るのではないだろうか。
価格的にシートの材質や堅さはどうしようもないものの、軽自動車と価格からすれば納得できるものである。ただ、明るいベージュというのはかなり汚れやすいので、子供を乗せる場合にはシートカバー等が必要だろう。
エンジンは660ccという排気量から推測すればかなり走る方だと思う。
但しそれは80kmまでの話。出だしは回転を上げておかないと辛い。ATのギア比の関係なのか30km~60kmが一番パワーもあり、キビキビ走れる領域。
高速は流れに乗ることは出来るものの、一度速度が落ちると回復させるのにかなり踏ん張りが必要だ。ターボなどの過給器がないのでパワフルな走りは全く期待出来ない。
あくまでも街乗りに徹する使い方がイチバン似合う。
往復120km程走ってみたが、クラウンに比べると疲労感はかなり大きい。
常にアクセルを踏み込み速度を調整する行為に疲労するのかも知れない。
ハンドリングはパワステなのだが最悪だ。ハンドリングは旧型の方がずっとスムーズに感じた。コーナーでラインの修正を何度もしなければならず、カクカクと動作する感覚にスムーズ感が感じられない。
これは韓国製のハンコックのタイヤを履いているのが原因かも知れないが、多少不安定な印象を感じる。サスや足回りについては軽自動車としては標準的な感じだと思う。
内装も価格を考えれば努力しているものの、メーターや各部の造りにチープさを感じざる得ない。マツダもそうなのだがデザインとか凝った造りは良いのだが、質感がダメだと逆に安っぽく感じてしまう。メーターも白板にオレンジの透過にしているのだが、まるでゲームに出てくるクルマのようで視認性にも疑問を感じる。
旧タイプの方がミラらしいと感じるのだが。
デザインや室内のパッケージング、後席の小物入れ、コンビニフック等はすごく使い勝手が良い。母子の買い物の足としてはとても勧めたいクルマだ。
さて、ミラに乗って気づいた事が車内の広さだ。軽自動車の規格は衝突安全性の問題も含め1998年10月に長さ3,4m、幅1.48m、高さ2mに拡大されたものの、これは衝突安全基準をクリアする為の拡大(車体の空間を造ることで数字的に衝突時の衝撃吸収をかわすマジック)をしたものの、実際には安全よりも規格を最大に利用した室内空間の確保に取れてならない。本来ならボディやフレーム補強、インパクトフレームの追加など必要なはずだが、重量増加による燃費の悪化、動力性能の低下は逃れられない。クラッシャブルボディ構造にしているものの、日本の衝突安全規格はヨーロッパよりも甘く、日本の軽自動車ではクリア出来ない。
唯一クリアしているのがスマートクーペ。あのクルマからは想像もつかない強度なフレームをしているらしい。
そんなわけで総括すれば日本の軽自動車としては良い方ではあるが、安全に対してはちょっと疑問ありというとこだろう。
これはメーカーや国土交通省も含めて、排気量の800cc拡大を行うべきだと思う。安全の為の重量増加を補う動力性能を得て、初めて安全で低燃費の軽自動車が完成するはずだ。
最後に我が家にもセカンドカーとしてMOVEがあるのだが、それよりは格段に良いとは思う。
Posted at 2007/08/27 22:06:48 | |
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