
上海万博PRソングが、岡本真夜の1997年のヒット曲「そのままの君でいて」の盗作とされる事件(詳しくは
こちら)。毎度のことながら節操の無い某国のパクリ行為には呆れますが、思うことを少し書きます。
まず客観的にオリジナルとPRソングを聴き比べると、編曲や構成、キーやテンポは大なり小なり異なりますが、メロディ(主旋律)に限って言えば、ほぼ同じと言えます。
厳密に言うと、AメロBメロはそのまんま。サビの冒頭部分(どちらの曲ともサビから始まるという同じ構成)のみ、オリジナルは最初の2小節を2回繰り返しますが(「♪もっと自由に」と「♪もっと素直に」のメロディが同じ、の意)、PRソングは最初の2小節に対して次の2小節は多少下げたメロディになっています(ほぼ同じように聞こえますが)・・・でもそれのみ。逆に言えば100%同じにしない工作とも言えるのか?
当ブログの音楽カテゴリーで私が好きな曲を紹介する際、話のついでに、紹介した曲と一部分が似ている曲にも触れてきました。例えば、
・
J.D.サウザー の「ユア・オンリー・ロンリー 」と 浜田省吾の「悲しみは雪のように」
・バーブラ・ストライザンドの「ウーマン・イン・ラブ」とサザンオールスターズの「愛の言霊」
・
ディープ・パープルの「ブラック・ナイト」とBlue Magoosの「We Ain’t Got Nothin’ Yet」
・
アルバート・ハモンドの「落ち葉のコンチェルト」とドリカムの「ラブ・ラブ・ラブ」
・
サイモン&ガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」と由紀さおりの「夜明けのスキャット」
とか。
ついでの話でも似ている曲が思い浮かぶのですから、メロディの一部が似ているという条件で曲を探すと、もうキリが無いほど紹介が可能と思います。おそらく現代の楽曲って、必ず他の何かの曲に似ていると言えるかもしれません。
だから盗作を肯定する、と言っているわけではなく。
似ている曲は、作者が意図したわけではなく無意識に、結果的に似てしまった場合が多いと思います。でも似ていると分かるということは、それだけその曲を多くの人が聴いている=社会的に流行し、文化的な価値を持ったということ。
リスペクトのあまり、意識的にメロディの一部を拝借してしまったとしても、それなりの好印象を持たれ、リスナーの心を豊かにしてくれるのなら、これも存在意義はあると思います、個人的には。
という心の広い私ではありますが、このPRソングは別。先述のとおりこの曲のメロディは最初から最後まで殆ど同じです。一部拝借ではなく、ほぼ全部拝借。和田アキ子をして「98%同じ」と感じているほど。
明らかな盗作としてなら、シフォンズの「イカした彼」に似ているとして裁判で敗訴したジョージ・ハリソンの「マイ・スィート・ロード」が有名ですが、このPRソングはそれ以上に似ています。他人が作った曲の権利を無視して真似て利益を得る。これが犯罪なのはサルでも分かる筈。
中国の万博事務局は岡本側に「楽曲使用申請」を出して、岡本側もこれを承諾しました(金銭のやりとりもあったそうな)。中国側の見事な逆転ワザと評価する人もいますが、万博開催まであと数日という状況の中では、この方法以外考えられません。
ただし、曲を使わせてとお願いしたと言うことは、PRソングを岡本オリジナルと認めたことになりますが、「PRソングは盗作でした、ごめんなさい」との謝罪は無し。この辺りが私の理解を超える、いや全世界が理解出来ない不正コピー王国の真骨頂です。
盗んだ後で「バレたらしょうがない、使わせて、お願い」と言えば済むと思われるのも問題です。今回の件は明らかに盗作ですから、法の裁きの元に罪と罰を明確にすべきです。
と、色々と書きましたが・・・・
PRソング作曲者の所属会社が発表したという
声明には驚愕しました。簡単に趣旨をまとめると、「国外(=日本)では盗作だと誤った報道がされているが、岡本さんは違う曲だと認めている。中国関係者はPRソングの著作権を認め、盗作と言う人を取り締まれ」とのこと。
絶句。
そもそも事の発端は中国内部で「似ている」と告発されたにも拘わらず、です。さらに岡本さん側は作曲者側と話もしていないし会ったこともないとのこと。何故こんな発言が出来るのでしょうか。まあ、作曲の際は「部屋を歩き回り、足でリズムをとりながらインスピレーションを得た」とまで言っている方ですから、口が裂けても真似したなんて言えないのでしょうね。
或いは、中国の威信を賭けた大イベントの万博に泥を塗ってしまっただけに、当局からの処分を恐れての必死の抵抗なのか。デノミ政策に失敗した財政責任者のように、銃殺されてしまうのでしょうか。(あ、これは北朝鮮の話でしたね、失礼!)
あまりに馬鹿げたコメントで、真剣に考える気が失せてきました。
コソコソと小さな隣国の真似なんかしないで、四千年の歴史と文化にその答えを見出してほしいものです。ちゃんちゃん
ブログ一覧 |
音楽 | ニュース
Posted at
2010/04/25 23:08:20