
前回は発表前の噂だけで書いたので、今回は
正式にお披露目された後の印象を。
スタイリングは既にスクープ画像で何度か見ていたので新鮮さが無いのですが(笑)、まあまあかなぁ、という印象ですね。
多分、実車をそばで見れば迫力満点なフォルムなんでしょうけど、写真で見る限りは何となくエレガントさを感じます。歴代のGT-Rは殆どが走りのための無骨なデザインというイメージがありましたが、さすがに今回はスカイラインという名の呪縛から逃れて新しい方向を模索しているようです。もっとも丸型4灯のテールランプやCピラーに名残はありますが。
全体的なプロポーションは、ワイド&ローでスモールキャビンという代表的スポーツカーのそれですが、ふくよかな面構成の中に直線を微妙に組み合わせて新しさを表現している感じ。ただ、キャラクターラインや切れ込みが多過ぎて印象が散漫になっているような… 数年前のプロトタイプの方がデザインの統一感があって個性的だったかな?
新しくオープンした
Webページを見ると、新しいGT-Rがいかに特別なクルマであるかが訴求されています。思い起こせば私も若い頃は、超ハイパフォーマンスなGT-Rは国産車の中では唯一特別なクルマとして認知していました。ケンメリを最後に途絶えたRの赤バッチはいつ復活するのか?R30で4バルブDOHC搭載のRSが出た時は、何故GT-Rを名乗らないのかと疑問に思ったり、R32で復活したGT-Rに胸躍らせ、星野一義が駆るカルソニック・スカイラインの連勝に、再び始まった不敗神話を感じました。
そんなGT-Rですから、当然ながら日産もその期待に答えようと渾身の開発をしたのでしょう。理想的パッケージのためにすべてのコンポーネンツを新開発したとか、ニュルブルクリンクで世界最高峰のタイムを刻む超高性能ながら、雨や雪の路面状況でも運転を楽しめる走破性とか、一人の匠の技によって組み立てられ、全数性能検査してから出荷されるエンジン・トランスミッションとか、低燃費とクリーンな排出ガスを実現(「平成17年基準排出ガス50%低減レベル(U-LEV)」に適合)とか。
自社のクルマをスポーツカーどころか"スーパーカー"と呼んでいる所に日産の自信の程が伺えます。
そして前回のブログで書いた、高価ながら完璧なアフターサービス体制。このシステムにより多くのGT-Rは最良のコンディションを将来に渡って保持し続けることになるのでしょうか。特別なクルマをいつまでも特別のままで維持させる、GT-R神話を自らの手で守る日産の、プレミアム性への拘りを感じます。これは裏を返せばオーナーに対して特別待遇というプレミアム感を与え、自尊心を満足させるシステムでもあります。
であるなら、それ程までに特別であるなら、1,000万円以上のプライスタグを付けても良さそうなものなのに、777万円という車両価格は安い。国産であればホンダのNSXよりは遥かに安い。外車であれば、同じような性能のドイツのプレミアムカーより安い。これにより、一握りの富裕層より少し下のサブ富裕層の人でも、頑張れば手に入れられるという状況が実現したと思います。
もちろん777万円という価格そのものは絶対的に高価ですから、これまでは勢いで購入出来た熱心なGT-Rマニアも、諸経費込みで850万円以上は維持費も含めてさすがに思い切れない部分はあるでしょう…
そういえば、2005年の初頭に1700万円で発売されたコンプリートカー、ニスモ R34GT-R Z-tuneって、買った人はいるのかな?エンジンスペック的には、ほぼ新しいGT-Rと同様だったようですが、値段は倍以上です(汗。
というわけで、いずれにしても私にとっては雲上界の話ですが、新しいGT-Rは自らの価値を更に高めながらリリースされました。今回は全世界へデリバリされるグローバルカーでもあり、欧米での評価も気になる所です。また、来年は既にVスペック?の登場が告知されているように、毎年必ず進化させるとか。じゃあ、一体何時買えばいいんだ?という話にもなりますが、どこかのブランドと同じように、最新のGT-Rが最良のGT-Rとなるのかもしれませんね。
Posted at 2007/10/29 00:38:38 | |
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