
度々議論に挙がるオイル粘度のおはなし。
一般的に言われている
「オイル粘度が高いの方が油膜も厚くなるので保護性能が高い。」
これは正しいですよね。
だが、しかし…
まずはこの動画から
TMスクエアの田中ミノル氏
ZC33Sのスイスポで富士ショートを走ると10W-40だとオイルの偏りが解消されず油圧が0になる瞬間があるという衝撃データ。
油圧ゼロ≒油膜ゼロですからこれは非常にマズい状態です。
エアも噛むでしょうから一度空吸いすると暫く復帰しなさそう。
ZC33Sの指定粘度は5W-30ですが、スズキ純正の5W-30は柔らかいです。
下記はスズキエクスターF(出光製)の5W-30のSDSから引用しました。
40度動粘度41.60mm2/sってどの程度かと言うと、0W-20の真ん中よりちょい硬めくらいです。
硬い0W-20だと45mm2/s程度。柔らかいのは30未満。
とは言え40度の動粘度はあまり意味があるものではありません。
ここで言えるのは5W-30からワンランク硬いオイルにしただけでこんなリスクが出ると言うこと。
指定粘度より柔らかいオイルを入れるとラッシュアジャスターからオイルが抜けてしまい始動時にタペット音が出るのですが、逆に硬いと油穴にオイルが入ってこない可能性とかもありそうですね。
結局どれだけ油圧(油膜)が確保出来るか?が重要です。
GRカローラは0W-20指定ですが、新油時の油圧はだいたい500kPa位出ます。
5W-30指定のエンジンも油圧は同じ位ですよね?
低粘度オイル指定のエンジンは流路も狭いので硬いオイルだとむしろ適正油圧が出ない可能性があります。
メタルクリアランスとか狭いところに硬いオイルが入ってこれないとか。
じゃあ、オイルの粘度を上げる必要がある場合はどんな時があるかと言うと、油温が高い場合。
RB26DETTの指定粘度は7.5W-30でしたが、指定粘度では油温130度以上はザラでした。
130度も超えるとオイル自体がせん断されやすくなりボロボロになります。
こういったエンジンの場合は粘度を上げて油温上昇を抑える必要があるでしょう。
あるいは硬いオイルで防御力を上げておいて劣化スピードを抑える。
(多少せん断されても分子量の大きいオイルがまだ残ってる)
15W-50が定番だったのもそういうところが要因。それでも厳しかったですが。
今なら10W-40とか0W-40の高性能オイルもありだと思います。
化学合成油だと分子量もそろっていて柔らかくてもせん断耐久性も強いです。
やたら硬いオイルは逆に抵抗になって油温水温が上がるリスクがあるのでホントに適切な粘度なのか?は考える必要があります。
逆に言えば油温が110度以上上がらないのなら指定粘度の中で良いオイルを探すべきです。
5W-30がダメだったから5W-40→10W-50のルートは上のリスクが出ます。
硬すぎるオイルは水温も上がりますからね。
5W-30がダメでもそのオイルが110度以下なら他の5W-30を探す旅に出るべきです。
5W-30と言っても実際には0.1W-39Wまでは5W-30です。
そう考えると5W-30も案外レンジが広い。
5W-30とか案外いいオイル多いですよ。
逆に5W-40はいいオイル少ないです。
シェルヒリックスウルトラはおススメ出来る5W-40ですが、1500円/L程度でいい5W-40って意外と少ないです。
なので私はGRカローラ用は指定粘度の0W-20でオイルを探しています。
今回入れているシェルヒリックスウルトラSPは結構良いですが、これも5000kmは無理っぽい。
次サーキット走ったら終わりそう。
日産純正ストロングセーブXもそうでしたがシェル製GTL意外と耐久性悪い?
今のところ考えている理想のオイルの条件
「ターボ車でミニサーキット3回+走行距離5000㎞」
です。
この後Mobil1とペンズオイルウルトラプラチナ(本国版)が控えていますが、果たして条件を満たすオイルが現れるのか?
0W-20だと流石に厳しいのかなぁ?
0W-29程度の硬めを探してはいるのですが。
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オイル | 日記
Posted at
2024/02/03 22:12:14