化学合成油リストの中で安価な化学合成油をリスト化しました。
リッター1000円以下を対象としています。
化学合成油の定義はGr.III鉱物油(VHVI)を含む鉱物油含有量が50%未満としています。
巷で売られている100%化学合成油の大半はVHVIベースなのでここには掲載していません。
有名な○○は?△△は?◇◇オイルが載ってない??
それらはVHVIないしHIVIという鉱物油がベースオイルなので化学合成油ではありません。
比較的高性能な鉱物油を化学合成油と称しても不問となってしまったのでおかしな世界線に入っています。
自称100%化学合成油の殆どが中身99%鉱物油です。
ここに掲載されているものはそれらとは異なり純然たる化学合成油ですが、安いものほどベースオイルも添加剤もランクが落ちると思ってください。
比較対象はあくまでも同価格帯の鉱物油です。
例えばペンズオイルで例を挙げると、
ウルトラプラチナ、プラチナ、ゴールド(廃盤)とラインナップがありましたが、いずれもGTLをベースとした化学合成油でした。
3銘柄ともAPI SP規格に適合しているので一見差が無いのかな?と思ってしまいそうですが、実際にはベースオイルも添加剤も当然異なります。
ベースオイルも添加剤も松竹梅ありますからね。
価格差はちゃんと商品の品質に反映されています。
シェルヒリックス HX5 PLUS 0W -20(600円)

シェルのラインナップの中ではエントリークラスのため「部分合成油」の表記になっていますが、鉱油含有量は30%未満でれっきとした化学合成油です。
ベースオイルはシェルお得意のGTL(天然ガスベース)の低グレード品だと思います。
シェルヒリックスウルトラの半額以下なのでベースオイル、添加剤とも性能は落ちると思います。
ただ、同価格帯のVHVIベースの自称化学合成油と比べてどうか?
試す価値はあると思いますよ。
5W-30は鉱油含有率が60%でしたので非該当としました。
しかし安いですね…
最安の化学合成油ってことで買ってみようかな?w
クエーカーステート アドバンスト デュラビリティ 0W-20、5W-30(700円)

こちらも「部分合成油」表記ですが中身はシェル製GTLです。
HX5 PLUS同様に低グレード品GTLが使用されていると思います。
こちらの5W-30はHX5 PLUSと中身は異なるようです。
クエーカーステート エンハンスト デュラビリティ 0W-16、0W-20、5W-30(800円)

こちらは「合成油」表記なのでアドバンストデュラビリティよりは性能が上のようですね。
違いが判りにくい上にあまり売ってない。
0W-16があるのがポイントですね。
ペンズオイル プラチナム 0W-20、5W-30、5W-40(900円)

ペンズオイルのミドルクラスオイル。
こちらもベースオイルはGTLです。
5W-30、5W-40は欧州規格(ACEA A規格)にも適合しています。
ただし、C3規格非適合なので最新ディーゼルにはいずれも使用できません。
LSPIは対応しているので最新ガソリンターボ車もOK。
日本未発売の
ウルトラプラチナ=シェルヒリックスウルトラ
なのでウルトラプラチナが欲しい方はシェルヒリックスウルトラをどうぞ。
プラチナムはミドルクラス、ハイエンドがウルトラプラチナとヒリックスウルトラです。
アメリカ製ウルトラプラチナは私も入れてましたが、リッター4000円の価値なんてありません。
日本のAmazonでも5qt(4.73L)で8980円で売ってます。
「アメリカ製は中身が違う」は情弱狙いの殺し文句ですよ。お気を付けを!
日産ストロングセーブX SP 0W-20(800円)

ベースオイルはシェル製GTLで400RやRZ34もこのオイルが純正指定です。
ハイブリッドカーから最新ターボ車まで使える万能オイル。
粘度指数が高く(243)柔らかいオイルなのでターボ車でのサーキット走行は不向きです。
LSPIに対応しているのでGRヤリスやGRカローラも街乗りならOKです。
ディーゼル車は不可です。下のトヨタC5をどうぞ。
トヨタ C5 0W-20 for Diesel(800円)

エクソンモービル製GTLがベースオイル。
ランクルからハイエースまでトヨタの最新ディーゼル指定オイルです。
欧州規格のACEA C5適合なのでディーゼル用と言いながらガソリン車もOKなスペックを有しています。
日産より硬めなので0W-20指定でも少し硬めの方が安心な方向け。
長距離走る0W-20指定エンジンとかピッタリです。
エブリイバンとかベスト。軽NAに意外とマッチ。
残念ながらLSPI非対応なのでガソリン直噴ターボ車には使えません。
ディーゼルだと持ちが悪いという書き込みがチラホラあります。
3000kmくらいらしい。
そういや私もボルボで使ってないので検証してみますか。
スズキ エクスターF 0W-20(800円)

シェル製のみ化学合成油です。(鉱油含有量20%未満)
エネオス、出光製はGr.III鉱物油がベースです。
シェル製のみGTLがベースオイルです。
5W-30もシェル製はGTLベースでしたが、鉱物油にGr.II以下の鉱物油が入っていたということで
回収騒ぎになっています。
シェル製5W-30の新配合品は今のところ200Lのみのようなので5W-30は非該当としました。
私もペール缶で持っているのですが交換対象がエネオスと出光なんですよね。
それならこのままシェル製を持っていた方がいいかな…
トヨタ DL-1 0W-30(900円)

エクソンモービル製GTLがベースオイル。
1GDや2GDの初期型やそれ以前の1KD、2KDが対象のエンジンオイル。
GTLがベースオイルの場合とにかく煤の量が減ります。
VHVIのベースオイルとDPF再生間隔を比較して欲しいです。
DL-1 5W-30はVHVIがベースオイルなので買うならこちらでしょうね。
0W-20が指定の1GDや2GDはC5 0W-20にしましょう。
エーゼット 0W-20 SN CEC-101/AET/CIRCUIT+(800円)

この価格帯でベースオイルがPAOです。驚異的。
AZ製の1万円前半のものはVHVIベースなので中身が違うので注意。
今だけ?在庫処分なのかペール缶が15900円です。
気になってる人は急いで!
これにアルキルナフタレンAN5とAN15を4%ずつ添加したらそれはそれは結構なハイスペック化学合成油になります。
惜しむらくはLSPI非対応なので直噴ターボ車に使えないこと。
SP適合したPAOベースのオイルが待たれます。
さすがに1000円/L以下となると少ないですね。
同価格帯のVHVIベースのオイルと是非比較してみてください。
この中でのおススメは?と聞かれたらトヨタC5とエーゼットのサーキット+ですね。
どちらも化学合成油らしく変化の少ないオイルです。
この二つはLSPIには対応していませんが、LSPIを気にするようなハイパワーターボエンジンはもうちょっといいオイルを入れましょう(笑)
使ったことは無いけれどペンズオイルのプラチナムシリーズも悪く無さそうです。
PurePlusテクノロジーと銘打っているので、ちゃんとしたGTLを使った化学合成油でこの価格帯。
私も購入してみたいのですがペール缶がこれ以上在庫が増えるのは避けく…
(現在3缶)
【補足】
低グレード品のGTLと書きましたが、そういうオイルが販売されている訳では無いのでソースはありません。
GTLを合成した際に多少の不純物が残っているので、水素化処理で不純物を除去した際に発生した「残油」が低グレード品なのでは?と思っています。
そのオイルは外販出来ないから自分達で使っているのかなと。
残油なので色々な性能のオイルが混ざっているので「部分合成油」と書いてる。
HX5 Plusのように30%位鉱油が入っているものもあるので、Gr.II以下の鉱物油も入っているかもしれません。
とは言え化学合成油の残油なのでVHVIくらいのパフォーマンスはあるのでは?と思っています。
これは裏が取れていないので私の想像ですが、使ってみた印象もそんな感じでした。
実際に使ったレビューは
こちら。
これは「鉱物油」表記なので「部分合成油」表記より更にランクは下の筈。
それでも同価格帯のVHVIよりはマシなのでご参考まで。
今回掲載した800円以上のクラスは化学合成油の中の化学合成油なので後ろめたくない化学合成油を使いたい方は800円以上の製品をお試しください(笑)