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2026年01月27日 イイね!

何故エンジンオイルを交換すると音が静かになるのか? その2

何故エンジンオイルを交換すると音が静かになるのか? その2
その1では音の原因ひとつである油膜について説明しました。
その2ではもう一つの要因である被膜と固体について説明します。



エンジンオイルは潤滑剤ですが、この潤滑は二種類あります。
ひとつは油膜による流体潤滑、もう一つは被膜と固体による境界潤滑です。
今回は境界潤滑の説明です。



境界潤滑は被膜やオイル中の固体による潤滑が主になります。


音が静かになる原理はその1の油膜と同じです。
金属と金属の間に皮膜や固体が入り込んで緩衝材として機能する。
使っているうちに添加剤は減っていきエンジン音はうるさくなり振動も増える。


主な被膜(固体)のビッカース硬度は以下の通りです。

・亜鉛 ZnDTP HV100~
・モリブデン 有機モリブデン HV30~
・タングステン 有機タングステン HV200~
・チタン 有機チタン HV500~
・ボロン エステルボロン HV200~
・マグネシウム Mgサリシレート HV100~
・Ca Caサリシレート、Caスルホネート HV1以下
・鉄 HV400~


判りやすく鉄を代表例に挙げましたが、エンジン内で実際に使用する鋼やDLCコートはもっと硬いです。
重要なのは鉄よりも柔らかい固体で境界潤滑をしているかどうか。


もっともメジャーで必須な固体潤滑剤はZnDTP(ジアルキルジチオリン酸亜鉛)です。
ZnDTPは金属表面に被膜(ポリリン酸亜鉛)を生成してエンジンを保護しますが、適度に硬くて柔らかいのが特徴です。

この柔らかい被膜と言うのがミソで金属同士の緩衝材になります。
つまりポリリン酸亜鉛の被膜によってエンジン音は静かになる。


モリブデンは更に柔らかいのですが、柔らかすぎて耐久性がありません。
柔らかい分静かになるけど効果は継続しない。


タングステンはZnDTPより強い被膜を生成できますが、これは有機タングステンの場合です。
一般的に販売されているタングステンは固体の二硫化タングステンです。
これは何か溶剤に溶かして使用する必要がありますが、被膜は生成出来ません。

二硫化タングステンにせよ二硫化モリブデンにせよ固体粉末のため上手く溶けないリスクがあります。
有機〇〇の場合、アルキル基が付いていてそもそも液体。
透明な液体。高温時の化学反応によってはじめて固体化する。
購入する際にはこの違いは注意してください。


有機チタンはちょっと特殊です。
明らかに他の有機金属体より硬いですが、被膜にならず「穴埋め」程度で済ませるようです。
ここはちょっと調べる必要があるので液化チタンはまた別の機会に。


ボロンやマグネシウムは分散清浄剤として添加されている場合が殆どですが、柔らかいので緩衝材としても機能するようです。


最後にCa(カルシウム)です。
分散清浄剤として機能するCaですが、緩衝材としても優秀なようです。
CaスルホネートもCaサリシレートも固体化せず液体で振る舞うのですが、柔らかい弾性体なので防御力はあるけど耐久力が無いので寿命が短い。(Caスルホネート)
本来の目的は分散清浄剤なのでそっちでも仕事をしなきゃいけない。

SN規格までのエンジンオイルにCaがたっぷり配合されていた理由はこれですね。
特にCaスルホネートは安くて緩衝材としても機能したので重宝していた。


ところが、LSPI対応が必要になってCaスルホネートは殆ど添加されなくなりました。
Caスルホネートは分解する温度が低く、酸化カルシウムや炭酸カルシウムになる。
この酸化物が分解する際に高温になりLSPIの火種になることから低温で分解してしまうCaスルホネートを配合しなくなったようです。(減らした)
Caサリシレートは継続採用。

SP規格品ではCaは凡そ1000ppm前後ですが、SN規格以前だと1500ppm以上、高級オイルだと3000ppmとか配合されていました。
高配合されていたのがCaスルホネートだとすると静穏性への影響はありそうです。
特にMgの添加量が少ない安いSP添加剤ならもろに影響を受けてそうですね。
何となくタペット音がうるさい気がするのは気のせいでは無かったのか。


なるほど、それならトヨタのようにCaの代わりにMoを大量添加した理由も理解出来ます。
LSPIの抑制効果もあるしMoで静穏性も担保出来る。ただし寿命は短い。
純正オイルながら高粘度指数で短寿命ポリマーが添加されているのでそもそもの設計思想がロングドレインでは無いので相性もバッチリ!?


また「昔の方が良かった」懐古主義になってしまいそうですね(笑)





最後に参考資料
それぞれの添加剤が剥がれて酸化物になった場合のビッカース硬度を載せておきます。
後入れ添加剤は効能だけじゃなくて副作用もセットで見るべきです。
シェルやエクソンモービルがモリブデンなどの添加剤を強化しない理由が何となく判っていただけるかと思います。

・酸化亜鉛 HV200~
・三酸化モリブデン HV500~
・三酸化タングステン HV300~
・酸化カルシウム HV100~
・炭酸カルシウム HV100~
・二酸化チタン  HV500~
・酸化ホウ素 HV150~
・酸化マグネシウム HV350~
・鉄 HV400~

硬い酸化物になる割合は5~10%程度らしいです。
沢山入れた方が当然リスクは上がります。
Caスルホネートは優秀でしたね。
ボロン(ホウ素)は高いです。



以上被膜と固体添加剤について書いてみましたが、どうでしょうか?
Youtubeでモリブデン添加してエンジンが静かになった!パワーアップした!
という動画のカラクリが理解出来ると思います。
柔らかい二硫化モリブデンを大量添加すれば即効性もあるでしょう。

じゃあ、その後はどうなるか?
大量に入れたモリブデンの一部は三酸化モリブデンになってエンジンを攻撃します。
沢山入れるほど三酸化モリブデンは増えます。
摩耗したエンジンに更にモリブデンを添加して負の連鎖、なんてなりませぬよう…
Posted at 2026/01/27 19:49:58 | コメント(1) | トラックバック(0) | オイル | 日記
2026年01月27日 イイね!

何故エンジンオイルを交換すると音が静かになるのか? その1

何故エンジンオイルを交換すると音が静かになるのか? その1
エンジンオイルを交換すると振動が減って静かになりますよね。
これが楽しみな方も多いと思います。

3000kmくらいで劣化しているオイルが殆どだと思いますが、3000kmで何が劣化しているのか?
まとめてみました。

画像は音が静かになりそうなMobil1 Racingです。
添加剤たっぷりですが触媒はダメージを受けるので現代の車には使えません。



まず、音が静かになる理由ですが、金属と金属の間に何かが入り込んでクッション性を持たせるからです。
圧力が掛かった時に潰れるか、一時的に変形するかなど緩衝材となり、衝撃を吸収する。
主に油膜と被膜です。
今回は油膜だけ説明します。被膜と固体はその2で。



油膜(液体)
・ベースオイル(鉱物油、GTL、PAO、エステル)
・ポリマー
・エステル系添加剤
・油性増粘剤(ブライトストック、mPAO)

被膜(固体)、FM剤
・亜鉛
・モリブデン
・ボロン
・チタン
・タングステン
・マグネシウム



順に説明すると
ベースオイルは分子量が小さい(低粘度)ものほどクッション性は低いです。
なので低粘度オイルより高粘度オイルの方が静かです。

鉱物油と合成油で音に差があるか?と言うと、基本的には差が無いと思いますが、鉱物油の方が分子量にバラつきがあるので脈動のような振動が出る場合があります。
あとは酸化が進んでスラッジ化が進むとスラッジが振動源になるので使っているうちに音が大きくなるは鉱物油でしょう。

低粘度と高粘度どちらが酸化、スラッジ化しやすいかと言うと、これは低粘度の方が蒸発しやすかったり、部分的に高熱になりやすいのでスラッジ化しやすいです。
高粘度の鉱物油も短期的には安定していますが、分子量が大きいのでスラッジ化した時の影響は大です。
合成油は酸化安定性に優れているので基本的に強いです。


もう一つ影響があるとするとポリマーです。
ポリマーは増粘剤で高分子化合物ですが、これは物理的に大きすぎるためせん断されます。
ポリマー自体もクッション性があるので正常な時は良いのですが、せん断されてスラッジ化するとやはり音の原因になります。
ポリマーが減ってうるさくなるということもあります。


一般的に鉱物油の方が粘度指数が低いためポリマーの添加量も増える傾向があります。
例えば0W-20を例に挙げると
0Wを実現する(-35℃でエンジン始動出来る)には鉱物油は超低粘度にする必要があります。
これは鉱物油の中の不純物(ワックス分)が固体化するためです。
固体化しないように超低粘度の鉱物油を配合すると今度は高粘度側の粘度が足りません。

鉱物油だけで0Wを実現させようとすると0W-12程度にしかならないと思います。
これでは粘度が足りないのでポリマーで20まで増粘する。
ポリマーはせん断されやすくスラッジ化しやすいです。
なので新油時はエンジンが静かだったのに1000km位からうるさくなる。

0W-20はそもそも油膜が薄いですから打音が気になります。
ポリマーが減って0W-12程度になっていたら?どうなるか想像付きます。

合成油の場合、低温流動性が良いのでベースオイルは比較的固めでも0Wが成立します。
配合にもよりますが、ノンポリマーもで0W-20の実現は可能です。
これだと耐久性の高いずっと静かなオイルが出来ます。


エステルは極性を持っていて金属にまとわりつく性質があります。
ねっとりして金属同士の隙間に入るし馴染みやすい。
エンジンは滑らかに回るし振動も少ないです。新油時は特に最高です。

ただし、その極性故に水分も吸着します。
なのでエンジンのOFF/ONを繰り返していると結露した水分を吸湿して加水分解⇒滑らかさの消失、音がうるさくなります。

エステルも極性がさほど強くないポリオールエステルなどは比較的長期安定性が高いです。


最後に増粘剤です。
増粘剤は合成油、鉱物油どちらもあります。
分子量の大きい炭化水素がそれです。
鉱物油はブライトストックと呼ばれます。

水あめのような茶色のオイル。
硬く分子量が大きいので金属間でクッション性がいいです。
欠点は不純物が多く、酸化しやすいことです。スラッジ化しやすい。

ブライトストックと似たような機能を持つ合成油もあります。
メタロセン触媒を介して製造した高粘度PAO(ポリαオレフィン)はmPAOと呼ばれますが、通常のPAOと比べて10倍以上の粘度を持っています。
こちらは無色透明な水あめです。
キレイで美味しそうですらあるw
酸化安定性が抜群で粘度指数も上がるし高性能オイルですが高いです。


以上、ベースオイルについての説明でした。
酸化、スラッジ化しにくい合成油の方がうるさくなりにくいです。
新油から変化が大きいオイルは耐久性の低いオイルということですね。
良いオイルは5000km程度でうるさくなったりしません。




金属系添加剤の話は次回にします。
Posted at 2026/09/07 16:20:57 | コメント(1) | トラックバック(0) | オイル | 日記
2026年01月25日 イイね!

eビターラとモデル3に乗ってみた

eビターラとモデル3に乗ってみたボルボEX30試乗記のエキシビションです。


スズキeビターラとテスラモデル3に試乗してきました。
どちらも2WDモデルです。





まずモデル3だけ車体サイズが全然違います。
そして本当に意外なのがモデル3が一番軽い。

モデル3 4720x1850x1550mm 1765kg 54kWh 283ps 350Nm 541.3万
eビターラ 4275x1800x1640mm 1790kg 61kWh 172ps 193Nm 448.8万
EX30 4235x1835x1550mm 1790kg 69kWh 272ps 343Nm 559万



まずeビターラですが、試乗車はFFのZでした。
中間グレードですね。
走り出しは静か、適度に重厚で上質感あり。
スズキ初EVながら最初から完成度が高い。

欠点は殆どないです。
60km/h超えたあたりから急にうるさくなるタイヤと1ペダルがON/OFFしかないところがちょっと不満。
補助金127万円を考えるとこれは結構あり。

FFなので交差点を曲がるときの所作がやはりリア駆動には敵わないです。
結構洗練されてるしガソリン車からの乗り換えが3車中一番違和感ないと思います。
あとはこれが欠点になるか判りませんが、1台だけ明確に遅い。

もう一つ問題があった。
なんと受注まだ受付してないそうです。
納期も未定。(半年くらいらしい)
何故試乗させてくれるんですかスズキさん…



お次はテスラのモデル3です。
栃木県に展示場が無いのでららぽーと新三郷まで…
栃木県から試乗に行く方は茨城か群馬をお勧めします。
新三郷は回りが渋滞だらけでテスラのデメリットが目立ちます。

モデル3はサイズが大きいこともあって一番広いです。
リアシートも広大、トランクも広い。
背が低い感じはしたけどEX30と同じ。(室内高はEX30の方が高かったかも?)

モデル3はさすがに完成度が高いです。
悪いところは見当たりません。

個人的に気になったのはワンぺダルが効きすぎる。OFFに出来ない。
クリープが無い。ONにも出来ない。
だから渋滞とか駐車場内とか違和感しかない。
ソフトでいくらでも設定出来るのだから自由にさせて欲しい。

あとは、RWDだけど動きが楽しい訳じゃない。
何故だか重たく感じます。
ホントに一番軽いのだろか?乗った感じは2t位あるものだと思ってました。
カタログ値ほど速くないし。

テスラは納期3週間だそうです。
1月中に発注すれば3月末までに納車可能だそう。
補助金がいつまで続くか判らないので短納期は魅力ですね。



総括すると
ガソリン車っぽいEVを求めるならeビターラ
先進性を求めるならモデル3
運転の楽しさとEVのメリットを堪能したいならEX30
です。


やはり、EX30ベタ褒めしたのは間違って無かったです。
どう考えてもあの車が楽しすぎた。
3台中試乗時間も長かったから粗探しも出来たはずなのにそれも無い。
欠点は本当に価格と補助金だけ。



テスラで聞いたところ補助金額の設定は各メーカーのCO2排出量とか国内インフラ整備の貢献度なども加味しているそうです。
テスラは自社でインフラ整備しているし納得の金額。

スズキは元々CO2排出量は少ないですしこれもいい。トヨタもいい。
スバルソルテラは?bZ4xのOEMとは言えスバルはCO2もインフラ整備も全然なのに128万はどうなのよ。
同じ車だからトヨタ製ってことで見逃してもらったのかな?
EX30が補助金46万でソルテラが128万は納得いかないなぁ。



個人的な好みで言うと
EX30>>eビターラ>モデル3
ですね。

完成度は
EX30=モデル3>eビターラ
どれも完成度は高いですよ。

日産は15年間何やってたんだろ?という疑問しか出ない。



Posted at 2026/01/25 23:20:46 | コメント(3) | トラックバック(0) | クルマ | 日記
2026年01月23日 イイね!

連桿比と最大筒内圧力とMoDTC

連桿比と最大筒内圧力とMoDTC
今年はオイルネタは少ないハズって言ってたのに…

MoDTC(モリブデンヂチオカーバメート)が作る二硫化モリブデン被膜が何故ターボ車には向かないか?
どういうエンジンになら向いているのか?

実際の経験を裏付けしてみます。
このオイルはMoDTCが一番効果あったやつですが、サーキット1周走るとモリブデン被膜が取れてしまって保護して欲しい肝心な時にMoS2被膜が全然居ないという問題です。



まずはMoDTCとは何ぞや?
日本語だと有機モリブデンと言ったりします。
モリブデンとジチオカーバメート基の分子でジチオカーバメート基は窒素、炭素、2つ硫黄から構成されてます。
この周りにアルキル基が付いているので油への親和性が高い。



Rはアルキル基(オイル)

有機モリブデンが二硫化モリブデン(灰色のあれ)より優れている理由はこれでしょうか。
アルキル基が居るのでオイルとして振る舞う。
二硫化モリブデンは単体でモリブデンなので成膜効果はない。
隙間に入って潰れる際に滑る効果しかない。
悪く言えば最初からオイル内にゴミが舞ってる。


このMoDTCはエンジン内に入ると熱とか力(シリンダーなら側圧)によって分解されます。
MoとNとCとSはバラバラになる。
MoとSは二硫化モリブデン(MoS2)になって金属表面で被膜になる。
この時ZnDTP(亜鉛ジチオホスフェート)が先に被膜を作っているとMoS2被膜を生成する土台になりやすくより強固な被膜が出来る。



それぞれのせん断強度(引き剝がされる強度)はこんな感じ。
これは常温での話なので高温時は別。
燃焼室近傍の側壁なら200℃は超えるでしょう。

MoS2​ 単結晶層 約 20~MPa
ZnDTP 摩擦被膜 約 100~MPa
鉄(鋼)表面 約 500 MPa 以上


ZnDTP被膜の方が圧倒的に強いのですね。
ZnDTP必須だけどMoS2は無くてもいい理由はここ。
ただし、MoS2被膜の方が摩擦係数は低いです。
耐久性は弱いけど使いたい理由はこれ。

剥がれる(境界潤滑)で効果を発揮するのがMoS2なのである程度剥がれる必要もあるのでこの位が設計強度なのでしょう。


MoS2のせん断強度とピストン側圧がバランスするような領域にいればMoS2は剥がれつつ再生されるのでMoDTC滑らか!となります。
ピストン側圧がMoS2せん断強度を上回り続けると被膜が出来ずに効果が出ない。
何故ピストン側圧に限定して話をするのか?
それはピストン側圧がエンジンによって全く異なるから。



ピストン側圧を計算してみます。
重要なのは連桿比と最大筒内圧力です。

連桿比はコンロッド中心間距離をストロークの半分で割った数値。
1枚目の画像は東海大の資料から引用したものですが、クランク軸が回転運動と上下運動をする際に上死点を0度とすると90度付近と270度付近ではピストンが横に押される力(側圧)が最大になります。
これは爆発が無い空回しの状態で、実際には圧縮上死点からちょと下の辺りで最大側圧になるようです。(ATDC15度くらい)
90度まで来ると爆発の圧力は下がってますからね。


押す力(最大筒内圧力)と連桿比から最大側圧は算出出来ます。
この辺はAIに計算してもらいますが、代表エンジンの連桿比と最大筒内圧力と側圧はこんな感じでした。
絶対値は参考程度ですが、相対値で見ても全然違うのが判ると思います。



G16E-GTSの方がK20Cより最大筒内圧力が高いのは圧縮比(10.5と9.8)とブースト圧の差でしょう。
1.6Lターボで304psですからやはり負荷が高い。

連桿比が有利なショートストロークエンジンだと側圧はかなり下がります。
SR16VEは最大筒内圧力はB16Bより高いけど連桿比が4を超えるので側圧は差が無い。
いずれにせよハイチューンNAエンジンでもターボ車との差は歴然。


そして友情出演のD4204Tの側圧も非常に高い。
自己着火ディーゼル故まだまだ圧縮比も高いですからね。
中々興味深い結果ですね。
(良く聞くBMEPは正味平均有効圧力なので2回転に1回爆発するサイクルの平均値)



MoS2被膜のせん断強度は常温で20MPa~なのでこれが100℃、200℃となると強度は半分より下がります。
高負荷域では10MPaは下回るでしょう。


加えて低温で生成されるMoS2は強度も落ちます。
60℃から効果のあるMoDTCが話題になりますが、従来のMoDTCに比べて高温時の効果は当然下がりますよね?
結晶体の構造がそもそも強くならないと思う。



HKSもこんなコメントを出してます。
ターボエンジンを50年開発してきたHKSの経験から、ハイパフォーマンスターボ車への回答として低モリブデン処方としています。
過酷な条件で使用されることを想定し、ターボスラッジの原因となるモリブデン系FM剤を配合しておりません。



以上、推定計算ではありますが、ターボ車にMoDTCは肝心な時に効果が無いの裏付けにはなったでしょうか?
サーキット1周目は効果あり、油温が上がってくると全部剥がれる。
再成膜されるのは翌日で肝心な時に被膜が保護してくれない。



そんなMoDTCですが、街乗りNAエンジンなら効果を発揮できるかもしれません。
その場合も油温は100℃以上に上げた方がいいので定期的にブン回して被膜を作って楽しむ。

LOVCAのプレミアムレーシング0W-25はMoS2被膜はガッツリ出来ましたのでこれをNAエンジンに入れたらどうなるか気になりますね。
サーキットの翌日がメチャクチャいいのですよ…


ただ、剥がれたMoS2は三酸化モリブデン(MoO3)になります。硬いです。
MoS2から分離したSは硫酸(H2SO4)になります。
酸化安定性は悪いのでロングドレインには不向きです。

ZnDTPのように必須添加剤なら諦めもつきますが、モリブデンは無くても害はありません。


必須添加剤と言われているモリブデンアミンという酸化防止剤ありますが、これもベースオイルの酸化耐性が強い場合不要かも?なんて説もあります。
シェルやモービルの成分分析で微量(70ppm)検出されるモリブデンは大抵これです。

モリブデンアミンもMoDTCと同様でアルキル基を付けて油溶性になっています。
これが分解して三酸化モリブデンになるのはMoDTCと一緒。
加えてアルキル基の分子量が大きいのでディーゼルでは煤の元になる。


結局鉱物油が諸悪の根源なんですよね。
鉱物油が酸化しやすいから酸化防止剤が沢山必要。
酸化防止剤もオイルを汚し、鉱物油もオイルを汚す。

鉱物油は粘度指数が低いのでポリマーの効果が出にくいから沢山入れる。
モリブデンにせよポリマーにせよ残った固体はスラッジになってエンジンを摩耗させる。
(ポリマーのスラッジはまだ柔らかい)
摩耗させないためにまたモリブデン。血で血を洗う負の連鎖。

Posted at 2026/01/23 14:54:34 | コメント(0) | オイル | 日記
2026年01月22日 イイね!

AIと作る理想的なオイル

AIと作る理想的なオイル
AIと相談して理想的な化学合成油を作ってみました。
GRカローラとボルボディーゼルで使えるオイル。


要求仕様
0W-25相当の化学合成油
100℃動粘度 9.5cSt
HTHS粘度 2.8cSt
粘度指数 160程度
ACEA C6適合、API SP適合


ベースオイルはPAO6、全てエクソンモービルとインフィニアム製で


出した配合はこんな感じ

主基油 ExxonMobil SpectraSyn 6 (PAO 6) 60.0%
副基油(AN) ExxonMobil Synesstic 15 8.0%
副基油(AN) ExxonMobil Synesstic 23 7.0%
副基油(Ester) ExxonMobil Esterex NP343 10.0%
添加剤パック Infineum P6800 シリーズ 12.0%
低温流動剤 Infineum V385 / V387 (PPD) 0.5%
スターポリマー Infineum SV200系 (VII) 2.5%


化学合成油だけで構成するので多少粘度が高くても0Wが実現可能。
PAO4を入れずに耐久性重視、ポリマーはちょっと入れるけどPMAは無添加。

しかし、要求スペック入れるだけで添加剤銘柄まで合致させてくるとは凄い進歩してますね。
今回Geminiさんに相談して作りましたがP6800とかちゃんと合ってる。


想定スペック
40℃ 動粘度 52.0 ~ 54.0 cSt
100℃ 動粘度 9.5 cSt
粘度指数 (VI) 162 ~ 168
HTHS 粘度 (150℃) 2.85 ~ 2.90 cSt
CCS 粘度 (-35℃) 5,800 ~ 6,100 mPa・s


チャッピーにも聞いてみたところ5000km持たせたいならエステルは7~8%に減らした方がいいとも。
P6800の規定量が13.5%だからその分P6800を増やす。
指摘が的確過ぎて困るw


EXE-LUBE CLASSIFIED(完走出来るオイル)
どこかの耐久オイルをDisってますw




アホっぽいけど作ってみたいなぁ。
AI曰くリッター6000円位じゃないか?とのことw
Posted at 2026/01/22 18:02:00 | コメント(2) | トラックバック(0) | オイル | 日記

プロフィール

「@いっせぇ まだ取り扱い少ないですがプレミアム商品に期待したいですね。ザーレンも扱えば良いと思うのですが。」
何シテル?   10/01 12:41
GRカローラでサーキットを走ってます。 オイルの検証も色々してます。 焙煎小屋を建ててコーヒー豆の焙煎もしてます。
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