
ふと、、、 (^_^;)、思いまして(笑)。
マツダがアテンザ以降、積極的にSKYACTIV-MTを国内投入するとか、フィット3のRSやスイフト・スポーツといった定番は健在と、絶滅危惧種のMT車は辛うじて命脈を保っている日本市場でありますが、さて肝心のユーザーの方はどうなのか?
AT限定免許なるものが存在する現在、新規にMT車に乗ろう!と考える若者が増えない限り、MT車は確実に滅びます。ボクのような年寄りが仮にMTに回帰したところで、そんなの高が知れてますから。そして「MTに乗るんだ!」とMT車を買った若者たちは、果たしてちゃんとMTを使いこなしているのだろうか???
、、、な~んてすごーく不安になったので、ちょっと書いてみようと思い立ちました(^_^;)。
といっても、目新しいモノは何もありません。MT車を極普通に転がせるドライバーにとっては至極当たり前のこと。その当たり前を、これからMT車に乗ろうと考える若者たちは知っているのか?という観点で書いてみます。もしかしたら「今更聞けない…」だったりして(笑)。
先ずはイロハのイ。発進加速から。
クラッチを床までしっかり踏み、シフトレバーを1速に入れます。発進は半クラッチといって、クラッチが微妙に滑る状態を利用して停止から車を動かします。クラッチが滑るわけなので、あまり長い時間半クラッチを続けるとオーバーヒートしたり摩耗が進みますから、出来るだけ最小限の時間で済ませたい。クラッチ操作の上手い人ほどクラッチは長持ちします。
試しにアクセルを踏まずにエンジンがアイドリングのまま、クラッチペダルをゆっくり放していくと、エンジン回転が下がろうとするポイントがあります。そこがクラッチが触れ合って滑り始めるポイントです。この状態になるペダル位置を身体で覚えることが重要です。
発進はアクセルを少し踏んでアイドリングの少し上、大体1,000rpm強くらいに回転を上げるとイイでしょう。クラッチペダルを徐々に放し、例のポイントになるとエンジン回転数は落ちようとし、同時に車は前に進もうとします。ここでクラッチペダルの動きを一瞬止め、エンジン回転が落ちないようにアクセルを僅かに入れてあげます。するとクルマは徐々に動き出しますからクラッチペダルを再び丁寧に動かして完全に放します。と同時にアクセルをジワリと踏み加えます。
このクラッチ操作が上手に出来るようになれば、アイドリング回転でクラッチ操作だけでもクルマを発進させることが出来るようになりますが、小さいエンジンのクルマやクラッチ操作にまだ自信が無い場合は無理をせず、1200~1500rpmくらいで発進させた方が安心でしょう。
また、半クラッチの始まりからクラッチペダルを完全に放してクラッチが繋がるまでは、エンジン回転が一定で上がりも下がりもしないようにアクセルを上手く協調させましょう。ここでやってはいけないことは、半クラッチの状態でエンジン回転を上げてしまうこと。逆に、半クラッチから繋がるまでにエンジン回転が多少下がっても、それは決していけないことではありません。要はエンストしなければ良いのです。このクラッチペダルを放すこととアクセルペダルを踏むことの両足の連携、クルマのスムーズな動き出し、そして半クラッチは出来るだけ短い時間で済ませることがポイントです。
1速でクルマが動き出したら、次はいよいよ(笑)2速にシフトアップです。
1速で十分な速度に達したら、クラッチをスパッと切ると同時にアクセルペダルをパッと放します。
クラッチを先に切ってしまうとエンジン回転が一瞬上がってしまいます。アクセルを放すのが早いとエンジンブレーキが掛ってクルマがつんのめります。両方を完全に同時に行うこと。上手くやればクルマは惰性で進み続け、エンジン回転数も惰性でタコメーターの針が一瞬、動きを止めます。
クラッチを切ったらシフトレバーを1速からニュートラルに抜き、2速のゲートの入り口に導きます。ニュートラルで一瞬間を置くなどという言い方もありますが、抜き→次のギヤの入り口へ、という動きですからまぁ一拍置くことになりますね。2速に限らず、次のギヤポジションにレバーを持っていくと、どんなに優秀なマニュアルミッションでも、すんなり入らない僅かな引っかかりというか、手応えがあります。そこにレバーを軽く押し当ててやると、一瞬の間を置いてその引っかかりが無くなります。するとシフトレバーは吸い込まれるように2速に入ります。
この”次のギヤのゲートにシフトレバーを軽く当てて待つ”というのが、マニュアルトランスミッションの中にあるシンクロナイザーという機構を働かせてやる行為で、正に"ギヤが同調"した瞬間に抵抗がなくなってシフトが入るのです。この"コクッ"とか"スコッ"とか擬音で評されるシフトレバーの動きは、ミッションのシンクロの働きをドライバーが上手く引き出してやること、言い換えればミッションとの対話が上手く出来れば全く力が要らずにシフト操作が出来ます。
シフト操作が終わったらクラッチはスパッと繋ぎます。クルマはもう動いていますから半クラッチは使いません。但し!スパッと繋ぐといっても無造作にクラッチペダルを放してはいけません。ギヤが1速から2速に上がると、速度が一定ならエンジン回転数は下がります。シフト操作の間はアクセルを放してクラッチを切っていますから、加速は中断しているもののクルマは慣性で動き続けています。回転数が合わないとクラッチを繋いだ瞬間にギクシャクしてしまいます。車速に対してエンジン回転数が高過ぎれば、クラッチを繋いだ瞬間にクルマが前に押し出されるように加速しますし、エンジン回転数が低過ぎれば、エンジンブレーキが掛ったようにつんのめってしまいます。
シフト操作を開始するとき、アクセルを放してクラッチを切ると、タコメーターの針が上昇から一瞬止まるような動きをすると述べました。この止まった針がス~と落ち始め、クラッチを繋いだときにある回転数にピタッと止まり、クルマにギクシャクした挙動が起きないことが理想です。これをやるためには、そのときの車速と回転数が完璧に同調したところでクラッチを繋いでやれば良いのですが、言葉で書くと神業のようで、出来っこないと思っちゃいますよね(^_^;)。要領はこうです。
先ずクラッチ操作はスパッと繋ぐものの、ドンッと繋がらない丁寧なペダル操作をします。
ハイ、何を言っているのか分かりませんね?(笑)
両手の掌を目の前で、パンッと音が出るように拍手してみてください。音を出すためにはある程度の勢いが必要ですね。
では、同じような勢いで拍手をしますが、今度はパンッと音がしないように掌を合わせてみましょう。
イメージが掴めましたか?(^^)
次に回転の合わせ方ですが、タコメーターの針が落ち始めたところにペダル操作を合わせるようにします。例えば2000rpmで2速にシフトアップすると1200rpmになるとします。
タコメーターは2000rpmで一瞬止まり、1950,1900,1800,1600って感じではじめゆっくり、徐々に速く回転数が落ちてきます。この針の動きの"徐々に速く"とペダルを放す動きを同調させるように、かつペダルの放し方は先の「パンッて鳴らない拍手」のイメージで丁寧にスパッと繋いでやると、微妙な回転差はクラッチの滑りが吸収してくれます。
クラッチが完全に繋がったら、間髪をいれずにアクセルを入れて、加速を継続します。
なんとも冗長な説明になりましたが、所要時間は1秒未満。ボクらのようなMT車を長く乗り継いできたドライバーにとっては至極当たり前で、ほとんど無意識の操作です。発進して、気が付いたら5速に入ってたとかっていう世界で、本人はシフト操作をしたことを忘れることすらままありますが、ATをマニュアルモードにするとシフトアップをすること自体を忘れちゃうのとは対照的で、実に面白い話です(^^;)。
2速から3速、3速から4速以降のシフトアップも基本的には同じ。タコメーターの針は加速中は徐々に上がり、シフトアップの際にスッと下がる。そしてまた加速で上がる、を繰り返します。有段ATの加速時のような針の動きになれば完璧ですね。
さて、貴方は「そんなの知ってた」か「これは知らなかった」か、さてどうでしょう?(^^)
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自動車マメ知識 | クルマ
Posted at
2014/02/25 08:02:42