
ホンダのF1活動について、
7月と
8月にそれぞれブログに書いたのですが、どーやらマクラーレンとの関係解消が決まりそうな雰囲気です(-_-;)。
以前のブログと重複するので詳しくは書きませんが、長期契約を結んでいた筈のマクラーレンがホンダエンジンのパフォーマンス&信頼性の不足に業を煮やしたことと、今期でチームとの契約が切れる元F1ワールドチャンピオンのフェルナンド・アロンソとの来期以降の契約を更新しようとすると、ホンダエンジンではサインして貰えない(公算が高い)ことから、マクラーレンはホンダエンジン以外へのスイッチをずっと模索していました。
ただこれを実現するにはホンダとの契約解消(=違約金の支払い)とか、ホンダから得ていた財政支援(噂では年間100億円以上!)が無くなっても大丈夫なの?といった疑念があったのですが、どーもお金の問題はなんとかなるようです。
レーシングチームであるマクラーレンからすれば何よりも
競争力のあるエンジンが必要って、まぁ当たり前の話なのですが、F1の関係者の間でも「お金より他メーカーのエンジンの方が」なんて声が上がっているようです。
一方のホンダからすれば、現在唯一の搭載チームであるマクラーレンとの関係が切れれば、ホンダ自身が望まなくてもF1に留まることは出来ません。要するに「弾き出される」という話。
年初にザウバーとの提携話がまとまった時点でこの懸念は一旦は後退したワケですが、ザウバー側から提携を解消されてしまったので、ホンダが望まない形での撤退の危機にあります。
そして
以前のブログで予想を書いたのですが、どーやら本当にFIAとF1上層部が、ホンダが不本意な撤退という事態に陥らないように、事態を収拾すべく介入を始めたようです。
マクラーレンのエンジン変更は既にメルセデス、フェラーリから断られているので、残る選択肢はルノーのみです。
ルノーはワークス、レッドブル、トロロッソの3チームにエンジンを供給しており、4チーム目への供給拡大は困難であると言っています。
またF1のレギュレーションではエンジンメーカーは3チームまでという縛りがあります。
マクラーレンが来期、ルノーエンジンを得るには「1エンジンメーカー3チームまで」という縛りをFIAが解除する必要がありますが、これをやってマクラーレンがルノーエンジンを手に入れると、ホンダは撤退を余儀なくされる上、それにFIAが手を貸したことになります。
レッドブルのチーム代表、クリスチャン・ホーナー氏は「FIAがそんなことを承認するとは思えない」と少し前にインタビューでコメントしていましたが、どうやらその通りのようですね。
しかも仮にFIAが承認したとしても、肝心のルノーが4チーム目への供給は無理と言っている、そこを何とかしなければなりません。
以上の状況から今、囁かれている解決策は、トロ・ロッソがルノーエンジンからホンダエンジンにスイッチすることが決まれば、ルノーエンジンの供給枠が1つ空くので、それをマクラーレンが得るというもの。まぁ解り易く言えばマクラーレンとトロ・ロッソがお互いのエンジンを交換するって話。
実はこれをやるにもハードルがあって、ホンダはエンジンは作っていますがトランスミッションは作っていません。現状はホンダエンジンに合うトランスミッションをマクラーレンが内製しているワケで、ホンダのエンジン供給先がマクラーレンからトロ・ロッソに変わると、トランスミッションはどーするんだ?という問題が浮上します。
この問題に関しては勿論、トロ・ロッソが内製する/ホンダが新たにトランスミッションを開発する、という手が考えられますが、トロ・ロッソからすれば「なんでオレたちがそこまでして
競争力のないホンダエンジンに変えなきゃいかんのよ?」となってしまいますよね?(^_^;)
で、この問題の解決策として
マクラーレンがホンダエンジン用のトランスミッションをトロ・ロッソに供給すると申し出ているそうです。
マクラーレン、
そうまでしてでもホンダと手を切りたいってことですか(苦笑)。
ってな具合にF1界ではすっかり問題児扱いとなってしまっているホンダエンジンですが、2015年からのF1復帰(第四期)をするにあたっては、前期(第三期)を教訓として、特殊な世界であるF1のチーム運営は、その道に長けた人たち(チーム)に委ね、自分たちが得意な領域(つまりエンジンの供給のみ)に注力すると決めました。
このホンダの意向に沿って手を上げたのがマクラーレンの元CEOであるロン・デニス氏ですが、第二期のホンダと組んで圧倒的な強さを示した実績がありますから、ホンダとしてもWellcomeだったでしょう。
これに加えてホンダは、どーも「勝てるドライバー」の獲得に拘ったやに聞いています。マクラーレンへのエンジン供給に伴って、日本人ドライバー(佐藤琢磨とか)を乗せるという選択肢はあった筈ですが、F1ワールドチャンピオン経験者であるアロンソの獲得を強力に推し進めたと、当時のどこかのニュースで読んだ記憶があります。言うまでもなく、出来るだけ早い時点での勝利と、その先のワールドチャンピオンのタイトル獲得を目指したからでしょう。
勝てるチームと組み、勝てるドライバーの獲得に拘っておきながら、ホンダ自身の領分であるエンジンに於いて競争力と信頼性を欠いて、そのチームとドライバーから絶縁を迫られているというのは、もう皮肉としか言いようがありません(-_-;)。
この件、F1関連ニュースを先週末からずっと注視しているのですが、どーもマクラーレンは事実上、ホンダとの関係解消を腹に決めたようで、後はそれを行使できる条件が整うかどうか?が焦点のようです。
一方のホンダですが、よしんばトロ・ロッソへのエンジン供給の道が開かれてF1に留まれたとしても、勝利からは更に遠ざかったと言わざるを得ません。近年のトロ・ロッソのマシン・ポテンシャルは侮り難いものがあるとはいえ、やはりレッドブルのBチームという成り立ちからチームの競争力はレッド・ブルに一歩譲りますし、ドライバーラインナップも同様です。
こうなると2018年にエンジンの戦闘力を高めて、2019年からレッド・ブルにワークスエンジンを提供する道を開くしかありません。逆にレッド・ブルのオーナーからすれば、その可能性を見極めるための投資と考えるくらいしか、今のホンダと組むメリットは無いでしょうし。
Posted at 2017/09/05 17:33:15 | |
トラックバック(0) |
ホンダ | 日記