• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

タッチ_のブログ一覧

2012年12月14日 イイね!

VTECエンジンの功罪

VTECエンジンの功罪先ず最初に、ホンダバッシングのブログではありません(苦笑)。

ボクは20代の後半にVTECエンジンに出会い、以来ずっとVTECを積んだクルマに乗り続けています。H22A、B18C 96specR、C30A。DOHC-VTEC、スポーツVTEC、色々と云われますが、これらの3基はいわば第一世代。もっとも初期のVTECエンジンであり、自然吸気エンジンでリッター100psを初めて可能にしたB16Aの流れを汲むユニットです。

当時7000rpm回ればスポーツユニットと称された時代に8000rpmオーバーを可能とし、クラス最強どころか1クラス上のエンジンと互角に渡り合ったこれらのパフォーマンス面については今更、説明の必要はありませんが、ボクがここで敢えて紹介したいのは以下の点です。

B18C 96specR 16.98km/l

C30A 15.05km/l

どちらもボクが記録した燃費です。一般道、高速道路を300km前後走行し満タン法で得た数字ですので、例えば峠の下りなどの燃費に良好な限定条件で達成した数字ではありません。更に付け加えると、C30Aを積むボクのNSXは後期型の6速ミッションに換装してありますが、OS技研の4.4ファイナルを組んであります。ノーマルより10%、最終減速比を落としているので、当然燃費には悪化要因です。タイヤはインテRがNEOVA AD07、NSXがAD08。省燃費タイヤとは対極にあるハイグリップラジアルです。

確かに燃費には気をつけて運転したのは事実ですが、旅行の道中、地方道を当然周囲の流れに合わせてトコトコ走った結果です。これらのVTECエンジンは、回せば8000rpmでリッター当り100psのパフォーマンスを発揮する一方で、回転数を極力抑えて大人しい運転を心掛ければ、現代の最新のエコカーと遜色無い燃費性能を叩き出してしまえる、大変高効率なパワーユニットなんです。

アクセラSKYACTIVは最新の高効率ガソリンエンジンですが、インテRのこの最高燃費を上回ったのは42回の給油を行ってたった1回だけ。生涯平均燃費では1.7km/l程上回ってはいるものの、全く満足できない理由がここにあります。17年前のスポーツエンジンが17km/lを叩きだせるんだから、20km/lくらいはいってもらわないと、、、というワケです。

ホンダのVTECユニットよりハイパワーなエンジンはありました。燃費の良いエンジンもありました。しかしパワーと燃費をこれだけハイレベルで両立したエンジンをボクは知りません。

ブログタイトルにある「VTECエンジンの功罪」というのが真にこのパフォーマンスのことです。


こんなパワーユニットを知ってしまったら、生半可なエンジンのクルマには全く興味が湧きません(苦笑)。


パワーがあるけど燃費が悪い。燃費が良いけどパワーが無い。どっちに振れてもダメになってしまいました。大体、他社のスポーツエンジンでVTECに対抗出来たのはほとんどが過給機付き。それらのトルクは強力でしたが、どれも燃費はダメダメでした。リッター5~6km/lくらいしか走らないと聞いただけで”ムリ!”です。燃費も同様で、カタログ燃費はともかく、実用燃費でリッター1~2km/lのアドバンテージのために、わざわざお金を払ってアンダーパワーなクルマに買い替えるのか?というのも”無理!”。

流石に紹介した最高燃費記録は両車とも1回きりですが、ペースを抑えて燃費走行をすればNSXは13km/l以上、インテRは15km/l以上はいつでも出せました。その効果はズバリ航続距離。NSXが800km弱、インテRが750km以上、両車共に足が長くて旅行好きの我が夫婦には大変頼もしいクルマでした。

「次はハイブリッドか?」とホンダのインサイトを検討したのも、所有しているガソリンエンジンを上回る魅力を持ったクルマ、ではなく、そもそもそんなエンジンが存在しなかった、これが原因でした。


さて、VTECエンジンがボクに為した罪はこういうことですが、実はボク以外にも被害を被った方々が居るという話。これは雑誌で読んだものですが。

1989年にインテグラに初塔載されて以降、ホンダエンジンの基幹技術となって現在に至るVTECですが、性能的にも技術的にもこれを脅かすエンジンはなかなか他社から出てきませんでした。レシプロエンジンのバルブトレーンとしてVTECを上回る画期的な機構としては、2001年にBMWが発表したValvetronicが挙げられますが、第1世代は燃費性能に傾倒しておりパフォーマンス面ではVTECを脅かす存在ではありませんでした。理屈の上ではバルブタイミングとリフト量を2段階しか変えられないVTECに対し、無段階に可変可能なValvetronicの方がポテンシャルが高いと考えたいところですが、現実は必ずしも理論通りにはならない。ホンダもVTECにバルブ位相可変機構を追加したi-VTECに進化させており、ValvetronicやトヨタのVALVEMATIC、日産のVVELなどの優位性はさほど大きくないようにも見えました。以上のように、他社はなかなかVTECを一気に時代遅れにするような画期的なエンジンを生み出せずにいたと考えられるのです。

ところが、、、

実はここに落とし穴があったというのです。他社がなかなかVTECを超えられなかった、とボクは書きましたが、実はもう一社、VTECを超えるエンジンを生み出せずに苦闘していたメーカーがあった。

当のホンダ自身です。

以下はMotor Fan illustrated vol.62「バルブトレーン マニアックス」P72に記載されたDr.Hatamura氏のコメントです。そのまま引用します。

「現在のVTECの原型は、1983年に二輪用エンジンを、2弁⇔4弁に切り替える機構として実用化されたREVと呼ぶ機構だ。信頼性要件が厳しい4輪には無理だろうと多くの動弁機構専門家の予想を裏切り、1989年に高出力の吸排気VTECとして実用化された後、片弁停止によるスワール生成VTEC、3ステージVTEC、気筒休止(可変排気量、ハイブリッド)VTEC、ミラーサイクルi-VTECなどに発展している。現在はホンダの4輪車のほとんどがVTECを装着しており、世界的にも大ヒット技術のひとつである。
 ひとつの技術が大成功をおさめると、その後の技術進歩を阻害することが多いが、連続可変リフト機構の導入遅れ(i-VTECの採用)、過給ダウンサイジングの導入遅れ(可変排気量の採用)、クラッチなしハイブリッドの採用(気筒休止の採用)などを考えると、VTECもその例に陥っているように見えるのが残念だ。」

コメントしているハタムラ氏はどうも元マツダのエンジン屋らしいのだが、そのコメント内容が個人的にはあまり(いや、とっても)好きくないのですが、このコメントには思わず「う~む」と唸ってしまいました。

以前、ブログで紹介しているのですが、確かにホンダはBMWに遅れること5年、連続可変バルブリフト機構を持った進化型VTECを発表しながら、実際に市販することなくお蔵入りさせています。更に遡ってスポーツVTEC以外の様々なVTECエンジンを生み出しましたが、燃費性能は確かに優秀ではあっても、他社のエンジンが霞んで見えるほど圧倒的な差があったか?と言えば、残念ながら否でした。せいぜい頭半分リード、程度。更に、ホンダが開発したVTEC以外のエンジンとして、初代フィットと同時にデビューしたi-DSI(intelligent-Dual & Sequential Ignition)というのがありますが、2バルブ、2プラグで低速トルクと燃費に優れる素晴らしいエンジンではありますが、過給ダウンサイジングが台頭してきた現在に於いては「燃費以外に良いところが無い」とホンダ自身が認めざるを得ない代物となってしまっています。

これは一体、どういうことなのか?

i-DSIが象徴的だと思うのですが、初代VTECは1.6Lで160psを発生したハイパワーユニットで、実はこれは現在で言う「ダウンサイジングエンジンのルーツ」なのです。160psといえば当事の2L自然吸気エンジンの高性能版に匹敵しました。これを1.6Lで可能とする一方、常用回転域では当然、1.6L相当の燃料しか消費しません。つまりパワーと燃費をハイレベルで両立する手段としてのVTECであったのです。現代のダウンサイジング過給エンジンも基本的な考え方は全く同じ。過給機で十分なパワーとトルクを得つつ、小型化したエンジンが低負荷時には燃料消費を抑えます。パワーと燃費をハイレベルで両立する手段です。方法論こそ違え、VTECでホンダが実現したこととなんら違いはありません。
ところが当のホンダは、自らが生み出したVTECを超えようと開発したi-DSIエンジンで、省燃費に特化してハイパワーを捨ててしまったです。

もちろんこれは、今になって、今だから言える結果論でしかありません。

だからこそ、ハタムラ氏の指摘にボクは思わず「う~む」と唸ってしまったのです。

そう言われて振り返れば、2000年以降のホンダのエンジン開発は迷走とも停滞とも言えなくは無い。そして、気が付いたらダウンサイジング過給エンジンを急速に熟成させた欧州メーカー勢に、あっという間に置いていかれたような印象です。ボクが上記に書いたように「他社がVTECを上回るエンジンを生み出せずに、、、」と思っていたら、追い付かれたのも気付かぬ間に追い越されていたような、まるで狐に摘まれたような感じです。

VTECは素晴らしいエンジンだ。それ故に罪深い。というお話でした(^_^;)。
Posted at 2012/12/14 02:14:34 | コメント(15) | トラックバック(1) | VTEC | クルマ
2012年04月07日 イイね!

VTECエンジンの想い出

VTECエンジンの想い出たまにはホンダのことも書かないとイカンわな(^_^;)



ボクのホンダエンジンとの出会いは十代の頃の単車歴まで遡る。
初代VT250F。
90度V型2気筒250ccで35ps/11000rpmながら、なぜかレッドゾーンは12500rpmから。

当時の単車は良く回ると言われたエンジンでも10000回転前後まで。
最高出力を11000rpmで発生するのも驚異的なら、レッドラインが更に1500rpmも上というのも驚異的。とにかくストレス無く良く回り、全く頭打ちが無いからタコメーターを見ていないと回り過ぎてしまう。オーバーレブでエンジンを壊すオーナーが続出してレブリミッターを追加したという逸話もある。


話をクルマに移そう。

事実上のホンダの自動車エンジンの出会いは、以前にブログでも書いたがBB1プレリュードのH22A、VTECエンジン。

それ以前、ディーラーの試乗車でB16AやB18Cにも乗ったことはあったが、事実上の出会いと記す理由は過去のブログの出会いの通り。とにかくボクにカルチャーショックを与えたことだ。

このH22Aは他のVTECエンジンに比べるとロングストロークであり、レッドゾーンは低めである。
バランスシャフトを塔載し、四気筒特有の振動が全く無く、非常にマナーの良い回転感覚を誇る。
そして、ロングストロークと2.2Lの排気量のバランスなのだろう、低中速のトルクが豊かで、非常に気持ち良いフィーリングがある。
また、標準で4-2-1のステンレス製タコ足を装備しており、エキゾーストノートも上品ながら、なかなかそそる音を奏でてくれる。

とにかくストレス無く良く回った。

ストレスが無いというのは「高回転域をキープしても疲れない」という意味。
この点に関して言えば、その後に乗ったVTECも含めてトップであった。

一方で、低回転域でも良く粘り、扱い易くて気持ち良いエンジンだった。


次に乗ったのがB18C 96specR
1800ccの比較的ロングストロークのエンジンながら、リッター当りの出力で100psを大きく超え、レブリミットは8400rpmを誇った。しかし、、、

このエンジンの第一印象は、実はあまり良くなかった。
新車で購入したから当然、慣らしを必要としたのだが、とにかく四気筒特有の微振動がキツく、低中速域は楽しく無いし疲れるエンジンだった。
慣らしが終わってレブリミットまで回してみると、これまた低中回転域と高回転域のトルクギャップがデカく、非常にストレスがあった。
VTECが切り替わったときの段差が明確にあり、痛快というか豪快に吹き上がっていくのには「う~む、ちょっとスゴイかも」と思わせるものが無いではないが、その回転域をとても維持出来ない。騒音と振動が凄かったから。これは強化されたエンジンマウントの影響も大きい。

正直、購入後の3ヶ月間は後悔とまでは言わないものの、あまり感心したとは言えなかった。

評価が一変したのは、メーカーが主催した「コンセプトミーティング」というイベントで、岡田秀樹さんが運転するクルマに同乗させてもらってから。

これにはタマげた。正直「オレはこんなスゴイ、とんでもなくスゴいクルマに乗っているのか?」と思った。いゃ思い直した。

大人四人が同乗しているにも関わらず、筑波の裏ストレートでグイグイスピードを乗せていく。
たった1800ccの自然吸気エンジンが、である。

後に自らサーキット走行を楽しむようにもなったが、2000ccクラスの他社製自然吸気エンジンは、全く敵じゃなかった。そればかりか、220~230馬力程度の2Lターボ車なら、直線で全く引けを取らない。

もちろん、コーナリング性能の高さにより立ち上がりが速いという点を加味してのことながら、同クラスから1クラス上まで含め「敵無しの動力性能」と言えた。

人間、こうなるとゲンキンなもので、購入当初に感じたマナーの悪さやストレスのある回転感覚など何処へやら。「とにかく回して楽しいエンジン」と評価が豹変してしまうのだから、結構人間の評価なんてイィ加減なものだ(苦笑)。

更にビックリしたのが燃費の良さ。
晩年(苦笑)、2000rpm縛りの燃費走行などして遊んでいたのだが、地方への旅行でリッター17km/lを記録してくれた。レブリミット8400rpmのエンジンを2000rpmしか使わないというのも、これはこれでそれなりのテクを必要とするのだが、そうやってトコトコと地方道を流してやると、驚くほど燃費が伸びたのだ。

もう17年も前の、しかも高速性能を追求したスポーツエンジンなのだが、燃費効率も極めて高いというVTECエンジンの優秀さを証明してくれた出来事だった。


そしてC30A

マイナーと言うかレアというか、その味を体験出来る人は限られるが、ホンダファンなら一度は味わってみたいVTECエンジンの決定版。

デビュー当時は3Lで8000rpmを可能とした高回転型エンジンながら、VTECの効果で中低速域でもトルクが豊かで、非常にフラットな特性を持つ。VTEC機構以外にも共鳴吸気による充填効率の適正化も利いている。

ボクのクルマは市販車には無い、3Lに6速MTを組み合わせる上、ファイナルレシオを10%も下げているため、ノーマル3Lより加速性能は上がっている(筈)。

しかし、速度の乗りはそれなりにあるものの、6気筒故に回転マナーは良く、迫力という意味ではB18Cに及ばない。速いは速いが。

回すとV型6発の微妙な鼓動もかすかに感じられるのだが、意外に高めのギヤでトルクで転がすのも気持ち良かったりする。

クローズドコースに持ち込んだことが実はあまり無く、まだまだ楽しみ尽くしていないという自覚もあって、今後も色々と楽しませてくれることを大いに期待している。


さて、これら三基のVTECエンジン、ボクの一番のお気に入りはどれでしょう?(笑)
Posted at 2012/04/07 00:37:21 | コメント(1) | トラックバック(0) | VTEC | クルマ

プロフィール

「無事帰宅しました。
トロフィー争奪戦参加の皆様、お疲れ様でした😋」
何シテル?   12/08 20:22
意のままに、思い通りにクルマを操ることに興味があります。 ドライバーの意のままに反応するクルマが好きです。 そんなクルマの技術的背景、メーカーのクル...

ハイタッチ!drive

みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/6 >>

1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     

リンク・クリップ

G-Bowlはなぜ0.4Gまでなのか? 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2021/07/21 21:31:10
ミスターロードスター 貴島孝雄さんインタビューまとめ① 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2017/09/23 17:58:12
予想外の反響? 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2017/07/19 07:55:58

愛車一覧

マツダ MAZDA6 セダン 家族車[ファミリーカー] (マツダ MAZDA6 セダン)
Mazda6に乗っています(笑)。
ホンダ NSX 玩具車[おもちゃ] (ホンダ NSX)
別名「愛人」。つまり家族車は「正妻」(笑)。 極めて従順。しばらく放っておいてもスネたり ...
ホンダ CBR1000RR(SC57)後期 なんちゃってサイクロン号 (ホンダ CBR1000RR(SC57)後期)
2007年式の300台限定、国内仕様。 アラカンとなって、人生やり残したモノが何か無い ...
マツダ アテンザセダン マツダ アテンザセダン
フルSKYACTIVの何かに買い替えるまで、とBLアクセラに15ヶ月。 XDのAWDが出 ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation