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2012年12月19日 イイね!

四輪駆動への拘り:ボクとメーカー

四輪駆動への拘り:ボクとメーカーこの記事は、スバル考 (その2)について書いています。

ボクがAWDのクルマを最初に欲したのはFC3Sを手放して2台目の愛車購入を考えたとき
理由は、当時夢中になっていたスキーに有益という理由。スポーツカー指向のボクに所謂クロカン4WDの選択肢はなく、あくまでオンロード4WDがターゲットだった。折りしもWRCではグループBが事故の多発から廃止され、グループAで戦われはじめてまだ日が浅く、国産車が多数参戦していた時期である。また、スカイラインGT-RがグループAのレースを席巻していた時期でもある。この頃はそれまで存在しなかったオンロードAWDモデルが各社から多く登場した時期でもあった。

FLAT6さんがまとめてくれたAWDの分類に照らすと、ほとんどが①ハイパワーAWDに属し、構造面では①センターデフ制御型AWDであるのに対し、オンロードレースをターゲットにしたR32のアテーサE-TSのみが、構造分類では②前後軸クラッチ連結型(FRベース)である点が面白い。

当然、一瞬のにわかAWDマニアであったボクにその辺の分類や「なぜ?」といった考察は当時全く出来なかったのだが、プジョー205ターボ16の圧倒的な強さが記憶に新しいボクには当時、センターデフが前後均等のトルク配分であった点が不満であった。日産のアテーサE-TSが0:100から50:50と後輪偏重のトルク配分であり、制御に横Gを見ているという点が注目点であったのだが、RB20DETの評価が低かったために購入には至らず。

結局このとき、AWDを選択することなく、一度試乗したBB1のMT車にコロッとやられてVTECエンジンのFF車を買ってしまったワケだが、ボクが「スポーツクーペが良い」「スキーに有用」の2点を理由にAWDを欲していたのであれば、選択すべきクルマはトヨタのセリカGT-FOURであっただろう。別に先代のST165が映画「私をスキーに連れてって」に登場したから、では決してないが(苦笑)。

このときから以降の20年程の間、各メーカーのAWDラインナップは様々な変化を経て現在に至るのだが、FLAT6さん分類に照らすと意外に面白いことが解った。

この頃、AWDをラインナップに加えたトヨタ、日産、三菱、マツダは皆、ラインナップのFFベースにセンターデフとリアドライブトレインを加えたAWDを開発しているのだが、三菱、マツダはこの頃まだ後輪駆動をラインナップとして持っていた。つまり上級車種はFR、中~小型車はFFというラインナップのメーカーということになる。初代レガシィをデビューさせた富士重工のみが古くからAWDをやっておりやや毛色が異なり、また三菱はラインナップの基幹車種をFF中心に転換している真っ最中。結果的にこの二社がAWDをラインナップの主軸に据える動きをする一方、マツダはFF専業に転換、トヨタと日産はAWDは一部ラインナップに留めたままとなる。

その後、スバルと三菱はインプレッサとランエボという看板車種でフルタイムAWDの熟成を進め、レガシィやギャランといったフラッグシップにも同様にAWDを上級グレードに設定する。

一方、トヨタと日産は一部上級車種にAWDを用意するがその構造分類は②前後軸クラッチ連結型AWDとする一方、小型車には③前後軸電子制御連結型AWD(スタンバイAWD)を奢る。

ちなみにこの頃、FF専業たるホンダもAWDをラインナップするが、その構造は③前後軸電子制御連結型AWD(スタンバイAWD)である。

以上から各社の動きにはいくつかの方向に分かれていくのだが、それが各社のそれまでの駆動方式ラインナップとFLAT6さんの分類に照らすと見事に各社の"哲学"が透けて見えるような気がするのだ。思わず唸ってブログに書きたくなった所以である(笑)。

フルタイムAWDを継続した三菱とスバルは明らかに、AWDのメリットを最大限活かし、自社のブランド強化を図ったグループだ。一方、その他のメーカーは基本的にAWDは不要と考えた。ただ後輪駆動を基幹車種に持つトヨタ、日産と、FF専業となるホンダとマツダで動きが分かれた。トヨタ、日産は云わば付加価値を与えるアイテムとして活用するに留める道を選び、ホンダとマツダはFFの不足を補うためだけに活用した、という風に見える。それらが各メーカーの哲学ということだろう。

FF専業のホンダを例に掘り下げてみる。
スタンバイAWDのルーツは、同じFF専業のVWがゴルフ・シンクロとして市場に出したビスカスカップリングをセンターデフの代わりに用いる4WDだと認識している。前後の駆動系の間にビスカスカップリングを挟む簡易な構造だが、前後輪の回転差がある程度生じると後輪にも駆動力が伝達されるというもの。ウィキペディアによれば応答遅れやABSとの相性から徐々に廃れたとあるが、ボクはVWのエンジニアの話として「通常、回転差が生じないと考えていた高速直進時に意外に駆動力を後輪に伝達していた。」というのを目にしたことがある。
ホンダはデュアルポンプ式のスタンバイAWDを開発しているが、年々作動レスポンスの向上を図っていると謳われている。しかし先のVWのエンジニアの話を聞くと、専用の制御システムを開発した意図はもしかしたら「不要なときには駆動力を配分しない」ことを徹底するために独自開発したのでは?と思えなくもない。実際、大半の場面でFFで十分と考えているのであれば、ドライ路面で後輪に駆動力を配分することは機械損失などを生み燃費の悪化を招く。常時四輪で駆動するメリットを認めていないのであれば、デメリットは最低限にしたいと考えるのは当然だ。

他方、日産はGT-Rブランドの復活に際し、ツーリングカーレース必勝を期してRB26という名エンジンを与え、その大トルクを余すことなく路面に伝えるために四輪を駆動する道を選んだ。これが思惑通りに機能した後、他の大排気量の高級車にも展開した。しかし、この駆動システムをより小さいエンジンの車には展開しようとはしなかった。
トヨタは日産への対抗だったのかもしれないが、同様にFRをベースに前輪に駆動力を可変配分するシステムを上級車種に設定する一方で、小型車にはホンダと同様なスタンバイAWDを開発している。云わば上級車種と小型車種で考え方を分けていると言えなくもない。

ボクが欲したAWDは①ハイパワーAWDであったのだが、NAエンジンに拘ったため当時はホルシェ・カレラ4しか該当車種が無かった。VTECエンジンに惚れてAWDは基本的に不要という哲学のホンダを買ったのが運の尽きだったということになるのだろう。
また、AWDを主軸に据えたスバル、三菱のみならず、トヨタ、日産などもボクが欲するAWDは上級車や大パワー車、もっと言えばターボ車に限定された。ターボエンジンを嫌ったのも運の尽きだったというワケだ。
更にダメ押しなのだが、実はホンダはSH-AWDの原型となる左右駆動輪自在制御技術を1991年には完成させていた。しかしこれをFF用に応用したのが1996年。SH-AWDとして商品化するのは2004年である。実に13年も倉庫で寝かせていた(苦笑)わけで、いち早く市場に投入して先行者利益を得る機会を失い、短い期間でAudiやBMW、日産等から類似機能の登場を許すことになるのだが、なぜ早く市販車に塔載しなかったのか?というと「この駆動システムが活きる大トルクのエンジンを持っていなかったから」というのが理由だというのだ。ホンダはこの駆動システムをトヨタ、日産と同じ考えで利用しようとしたのだが、載せるクルマが無かったのでなかなか市販出来なかったのだと。

ボクが欲しいと思う四輪駆動システムはターボ車ばかり。
お気に入りのホンダが出したSH-AWDには大トルクのエンジンが必要と言う。

そう、これらの経緯からエンジンに拘るボクの中では「大トルクのエンジンを買うならAWD!」という考えが醸成されていったのだ。2007年、ホンダがi-DTECの発表を行い日本市場への投入を匂わせたとき、次はディーゼルが良いかも?と考えるその裏に、これにSH-AWDが組み合わさるかも?という期待があったのも事実なのだ。

こうしてボクのAWDへの拘りは、「大トルクエンジンを選ぶ」こととセットになっていったのであった。

(更につづく)
Posted at 2012/12/19 02:12:28 | コメント(4) | トラックバック(0) | クルマ選び | クルマ

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