ブリヂストンのPOTENZAブランドから、新しいタイヤが出たそうです。
ネーミングが「POTENZA Adrenalin RE002」(ポテンザ アドレナリン アール・イー・ゼロ・ゼロ・ツー)って、なんとも刺激的というかソソられます。アドレナリンとは(^_^;)
てっきりRE-11Aの後継かと思いきや、S001とRE-11Aの間を埋める位置付けのようですね。ラインナップの拡充ということだそうです。ニュースリリースに因れば、既に海外では販売している製品で、新たに日本市場に投入という事でした。
この位置付けならアテンザにも適合するかな?と思ったら、アテンザの標準サイズが無いですねぇ(苦笑)。履かせるなら245/40 R19となるかな?
みんカラユーザー含め、一般には
タイヤの性能の重要性は
意外に知られていません。
ホイールのインチアップなど、ドレスアップに伴ってタイヤを新調する際、希望のホイールに予算の大半を割いてしまい「タイヤは出来るだけ安いモノを」なんて話は良くあるようです(苦笑)。
タイヤがクルマの性能に与える影響は非常に大きいです。
例えばサーキットでスポーツ走行をする場合、高価なサスペンションキットを入れても、コースにセッティングが合わなかったり、ドライバーが特性を引き出せなければタイムが意外に伸びないなんてことは良くある話です。しかし、より高性能なタイヤに履き替えるだけで、タイムは確実に縮まります。大きい場合は秒単位です。
F1などのレースを見ても、ラップタイムが1秒違うトップチームと下位チームのマシンのスピードの違いは、傍から見ていても「速い/遅い」というのがハッキリ解るくらい違いますよね?
クルマもドライバーも変らないのに、タイヤを交換しただけでラップタイムが1秒違う。
タイヤの性能がどれだけクルマの性能を左右するかの一例です。
下手なパーツでチューニングと称してクルマを弄るくらいなら、タイヤのグレードを上げたほうがよほどクルマは速くなります(笑)。
しかし、一般道ではタイヤの性能を限界まで使うことはほぼありません。今、装着している標準装備のタイヤの性能を100として、それを110のモノに取り換えたとしても、普段30の性能しか使わないのならば、高性能タイヤにどれだけ意味があるのか?なんて話ですね。
ある側面では正しいですが、ある側面においては必ずしもそうとは言い切れません。
こと限界性能に関して言えば、確かに一理はあります。
しかし一方で、これは非常に重要なタイヤの特性なのですが、その性能(グリップ力)は誰でも100%使いきれるかというと、難しいものなのです。適切な運転を行ってあげないと、能力の70%や80%でグリップ力を失ってしまいます。タイヤの性能を引き出すというのは、非常にデリケートで難しいものなのです。
更に厄介なことに、普段なにも無く平穏にドライブしているときは、タイヤの性能の30%しか使わなくても、何かちょっとしたキッカケで、一気に(瞬間的に)性能の70~80%が必要になることがあります。
そしてこの「ちょっとしたキッカケ」というのが、急ブレーキや急ハンドルといった緊急回避、まぁ不測の事態というヤツです。当然ドライバーは、「始めゆっくり、徐々に速く」などという適切なハンドル/ブレーキ操作などしている余裕が無い事態です。それが出来るくらいなら、そもそも不測に事態ではないですから(^_^;)。
100の性能のタイヤの70%は70です(笑)。
これを110に上げてあげれば、70%は77となります(当り前)。
緊急事態で瞬間的に70以上の性能が要求される事態に陥った際、標準装備のタイヤだとギリギリ踏み止まりますが、より高性能のタイヤに変えていれば、まだ少し余裕がある、ということになります。
一方、
90の性能のタイヤに変えてしまっていたら、その70%は63です。つまり
グリップを失います。
もっとも大切なことは、不測の事態に陥らないこと。言うまでもありませんが。
しかし、一般公道に於いては自分ひとりで走っているワケではない以上、何が起こるか判りません。もし貴方が、タイヤに掛けるお金をケチっていたならば、自分のクルマが純正タイヤを履いていた頃と同様の性能を発揮してくれるとは思わないことです。
逆に、純正と同等以上のお金をタイヤに掛ければ、それに見合った安全性は確実に買えます。
ここからは余談。
この冬、NSXが車検なのですがリアタイヤの溝が車検を通すには適合ギリギリで、新調することにしました。選んだタイヤはADVAN NEOVA AD08R。今、履いているのがAD08なので、後だけマイナーチェンジモデルとなります。
スポーツ走行をしていた時代、BSのPOTENZA、YOKOHAMAのADVANと当時のフラッグシップを両方共に試したことがありますが、今はADVANに落ち着いています。理由は限界付近の、特に横方向のグリップ限界が掴み易く、スライドしたときの挙動がマイルドだから。ボク程度の腕前のドライバーには、このズリズリっとゆっくり滑り出して唐突でないコントロール性が有り難く、安心して走れるんですね。一方、POTENZAは縦グリップ、つまりブレーキングや加速時のトラクションには定評があります。あくまで相対的な評価ですが、何世代かのモデルを試した印象でも、トラクションのBS、スライドコントロールのYOKOHAMAというキャラクターは変らない印象でした。恐らくそれぞれのメーカーの考え方なのでしょう。
一方ボクはこの冬、アテンザ用にスタッドレスを新調していますが、選んだのはBSのBLIZZAKの最新モデル。スタッドレスについては「BSは高いけど性能は一番」というのは今も昔(17~8年前)も変らず皆そう言います。BSのスタッドレスの何がそんなに優れているのか?色々な人に話を聞くと、異口同音に「滑らない」と言うんですが(^_^;)、よくよく聞くと「止まる」と「進む」で滑らないという評価なんですね。
つまりBLIZZAKの優れている点も縦方向のグリップ。結局POTENZAの定評と同じなんです。
これがBSのタイヤ造りの考え方なんでしょうね。もっとも大事なのは縦グリップだと。
こんな風に、同じグレードでもタイヤメーカーによってタイヤの特性には違いがあります。
タイヤもなかなかに奥が深く、クルマに与える影響は大きいですから、タイヤ選びは大いに悩み、お金は掛けるべきところだという話でした(^_^;)。
Posted at 2013/12/22 12:13:58 | |
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