
数日はあまり気付かれずに済むのでは?という考えは甘かったよーです(^_^;)。
昨日、ディーラーにちょっと無理をお願いしてアテンザのセダン25Sを3時間程借り出し、高速道、首都高を中心とした試乗を行ってきました。当たり前ですが、結果が良好であれば契約する前提です。
最大の注目点はアテンザSKYACTIVシャシーの超高速直進性なのですが、都市高速での中速域ハンドリングはもとより、SKYACTIV-G2.5の動力性能まで併せて確認出来ました。
以前にブログでも書いた通り、通常ご祝儀評論に終始するはずのメディアの一部が発売直前にやや厳しい指摘をしたことから、そのハンドリングの仕上がりは大変気になっていたのですが、そこいら辺にも得心がいきましたので、ハンコを付きました(^-^)。

本題は後回しにして、
先ずはハンドリング・乗り心地から。
首都高速の2号線上り、並びに中央道→圏央道→関越道を回って5号線上りで確認しました。
見事でした(*o*)。アクセラより20cm弱もホイールベースが長いとはとても思えません。ほとんど同じ感覚で走れます。また、アクセラSKYACTIVではやや過敏なステアリングの切り始めがちゃんとマイルドに仕上がっており、横Gを立ち上げるステアリング操作が非常にやり易い。i-DMが1stステージというのはあるものの(^_^;)、まぁ気持ち良く青が点いて綺麗に曲がっていきます(^-^)。ステアリングギヤレシオはどうやら現行マツダ車の中でもっとも速いと「アテンザのすべて」に記載があり、正直少し心配していたのですが、狙い通りに低中速の軽快感と高速での安定性の両立に成功していると思いました。ただ、この辺は購入後も引き続き「ホントか?」とチェックし続けるつもりですが・・・(苦笑)。
乗り心地は一部メディアで指摘がありましたが、固めでした。これはボクら夫婦にとっては好印象で全く問題ないのですが、確かにこのクラスのフラッグシップセダンとしてはどうなの?というのは議論があるでしょう。まだ走行距離600km前後の新車という点もあるので、これも購入後にチェックです。ただ今回、改めて実感したのはカミさん含めてボクら夫婦は完璧に固めの足に毒されていて(苦笑)、普通の人たちの参考になるインプレは無理なようです。
ボク:「乗り心地、期待通りにやや固めだね?」
カミさん:「そう?全然わかんない」
ボク:「アクセラより固いじゃん。ロールも少ないし」
カミさん:「あたしにそんなこと、わかるわけないでしょ?」( ̄^ ̄)
聞いたボクが馬鹿でした。。。(T_T)
次にSKYACTIV-G2.5
過去の試乗記にも記載しましたが、バランスシャフト付ビック4の恩恵が意外に感じ難い理由は、SKYACTIV-G2.0のマナーが事の外、良好だからです。首都高に乗るまでの一般道では、振動や騒音レベルで大きなアドバンテージは感じません。また、充実した低速トルクも2000rpm以下で流す限りにおいてはやはり違いは感じ難く、メディアの試乗記があまり2.5Lのメリットを明記しないのも致し方ないと感じます。また、この印象は首都高の乗った後、中央道へ合流するまでもあまり変りませんでした。ここで確認した明確な違いはSKYACTIV-DRIVEの進化です。アクセル操作に対するシフトダウンレスポンス、及びキレが段違いです!アクセラだと一瞬我慢してから「ブワン」とシフトダウンするような操作をすると、間髪を入れずに「パツン!」と落ちます。これは気持ち良い♪しかし、そういったメリハリを付けたアクセル操作を行わないと、全体に上品で滑らか、悪く言えばちょっぴりダルな印象に終始しました。
ところが、、、
中央道に入り、巡航速度を上げるべくアクセルを踏み込むと印象は一変。4速での回転上昇、5速で速度の伸びが爽快です。「
速っ!」思わず口から漏れました(^^;)。特に5速ではタコメーターの動きが鈍くなる一方で、スピードメーターの動きが早い。更にハイギヤなXDはこれに輪をかけるのでしょうが、ボクには2.5L NAエンジンとして十分以上の動力性能と見ました。SKYACTIV-Gの特性で、パーシャルでもシッカリトルクが出ているくせに、ドライバーにあまり「力持ち」という印象を与えずスルスルと速度を上げる印象はG2.0と同じです。しかしバランスシャフトの効果で4速、5速で3000~5000rpm辺りをストレス無く駆使出来る加速はなかなか痛快でした。残念なのが1-3速がタイト、3-4速、4-5速が離れ、5-6速が再びタイトというスポーティとは言い難いSKYACTIV-DRIVEのギヤ割りでしょうか。SKYACTIV-MTと同様の右肩上がりのステップ比であったらもっとスポーティだと思うのですが、カタログ燃費を意識したであろう5速、6速のギヤリングは致し方ないのでしょうね。
で、
問題の直進性
結論から言えば
及第点。「優・良・可」で言えば「良」に限りなく近い「可」でした。これは事前に予想していた通りで、残念ながら嬉しい誤算はありませんでした。ただ、新世代のSKYACTIVシャシーの潜在能力は大きな期待を持たせるものでした。「良」の評価基準となるのはインテグラRなのですが、あれは足回りがガチガチです。アテンザのサスペンションは固めとは言えそこまでではない。にも関わらず超高速域での直進性は確保され、ステアリングの据わりもシッカリ感があります。この辺りはアクセラSKYACTIVとは隔世の感がありました。
では何がマイナスポイントか?というとステアリングの軽さです。やはり軽過ぎる。60km/h以下では別に実害は何もないのでボクにはどーでも良い。120km/h以上では結構、しっとりとしてくれて及第点ですが、もっと重くしても良いくらい。意外だったのが80~100km/hの速度域。舵が入ってカーブを曲がるときの手応えは、軽いもののまぁ許せる範囲。ところが直進時になぜか転舵に対する抵抗(反力)がまるで無いかのようなフィーリングなのです。実際に切り始めれば最初に書いた通りで、マイルドに自然に横Gが立ち上がってコントロールし易いハンドリングなのですが、真っ直ぐのときの手応えだけが妙に希薄です。
低速域でハンドルが軽い方が良いというドライバーは居ると思います。しかし80km/h以上の速度域になれば、そもそもハンドル自体、切っても拳ひとつ分程度。速度は上がってくるワケですから、むしろ無邪気にスイスイ切れちゃっても困るハズ。ズッシリ重くすべしと言う気は全く無いのですが、ここまで軽く仕立てて一体、誰が嬉しいの?というのが正直な感想です。今より2割程度でイイのでアシストを落としてやって、若干重めにしてやるだけで「軽い」と文句を言う人は激減すると思うのですが、、、
この軽さに起因して明らかにドライバーが感じる安心感や安定感はスポイルされています。実際は十分に安定性は高くなんの不具合も無いのに、そんな印象だけを与えてしまうのは勿体無いと思いました。この点をボクは「ハンドルが軽いことのデメリット」として減点としました。
という感じで、少なくとも超高速の直進性が「不可」ではないことが確認出来たので、購入することにしました。
最後に雑誌のメディアのいくつかの指摘に関して、試乗を終えてのボクなりの考察です。
自動車評論家の桂伸一氏が指摘した「
低重心感や重厚感がいまひとつ」という件。
重厚感の件は先に記載の通りで、ステアリングの軽さで損をしていると思いました。
低重心感についてなんですが「コレのことかな?」と感じたのが、極めて感覚的な話で恐縮ですが、安定感もありハンドリングも軽快ながら、なぜか自分の着座位置が本来あるべき位置より数センチ高いような錯覚がありました。2度程、パワーシートがもう少し下がらんか走りながら調整したくらい。腰高感と云ってしまうと言い過ぎなのですが、素直にシート位置をもう少し下げたいとボクに感じさせる何かが、桂氏の指摘なのかな?と思いました。
一方、海外メディアの「
ステアリング・フィールは、常に軽く、しかもストレートではシャープさが不足しており、期待はずれとしかいいようがない。」という厳しい指摘。ステアリングが軽いのはまぁその通りだと思いますが、ストレートでシャープさが不足とは全くアテハズレな指摘だと思いました。なんでこういった評価になるかなー?と感じたものの、直ぐに思い当たる節がありました。
これまた
以前、ブログで書いているのですが、マツダが推進する「ダイナミックフィールの統一感」はドライバーの操作にあくまでリニアに反応するクルマ造りを目指します。それ以前のマツダ車は少舵角から過敏に反応するステアリングであったり、スロットル早開きのアクセルレスポンスだったりしました。そして、旧型のオーナーがこの統一感の操作性を「ダルである」と感じて評価しないという話。
このジャーナリストは、旧型アクセラ・アテンザオーナーたちと同様の、過敏な反応を好む方だったのではないか?という仮説を立てると、彼が書いているインプレはアクセラSKYACTIVに試乗したマイナー前のBLオーナーたちの素人インプレに不思議と相通ずるものを感じるのです。
プロでもそういう趣向の人がいるのね。。。(^_^;)
きっとそうなんだろうとボクは勝手に納得したんですが、旧型アテンザから買い替えたオーナーも大勢いらっしゃるようなので、折をみて新型のハンドリングの
素直な印象を聞いてみたいと思いました。
購入前の試乗記はここまでとし、以後は納車後に感じたことを書こうと思います。
Posted at 2013/01/20 22:43:46 | |
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