
実はボクのブログの中で意外なほど沢山読まれている記事がいくつかあります。その筆頭がコレ。
レジェンド(KB1)の失敗:23417(2018/5/16まで)
このPVってボクの数あるブログ記事の中でも実に
第6位にあたっていて、
一体誰が読んでいるのか?何がそんなにウケたのか?未だに書いた本人が理解できてなかったりします。A^_^;)
今回のブログも基本的にはコレに倣ったネタなのですが、流石にタイトルに「失敗」と書くのが躊躇われたので、少しおとなしく「評価」という言葉を使いました(苦笑)。
さて
CX-3。現行型が全くの新型車種であり、かつ
大幅商品改良を施したばかりです。ボクはクルマの出来自体も、マツダの狙い(=チャレンジ)も高く評価している方なのですが、客観的な視点で見るとCX-3は大成功とは言い難く、しかしダメなクルマと断じるのは躊躇われるというところが悩ましい、、、
まぁ興味のある人は読んで下さい(^_^;)。
先ずCX-3の成り立ちというか背景というか、SKYACTIV世代では全くの新型車種であり、世界的に人気の高まっているSUVというカテゴリーに属します。開発のベースはデミオなので、ホンダのフィット:ヴェゼルの成り立ちに似ていたりもします。
また商品開発のコンセプトも実はヴェゼルに良く似ていて、カテゴリーはSUVとしながらも、既存の商品の延長線上には無い、全く新しいジャンルのクルマと位置付けられて、企画・開発されました。
マツダはこのCX-3で
「次世代のスタンダードを創造する」というなかなかチャレンジングな目標を掲げていましたが、結論を先に云ってしまうと、マツダの思惑通りにスタンダードを創造するには至らず、次の
第七世代商品群では、同セグメントに別のCXを新たに用意するようです。
では何が上手くなかったのか?がこのブログの本題です。
まぁこうして市場に出た商品をあぁだこぅだと後から評論するのは、商品を作るのに比べたら遥かに簡単なんですが(^_^;)、マツダの中でも当然自己評価はされているとは思うものの、そこは外部の目線というのは内部の人間から出てこない新たな気付きにもなりますのでね。但し真っ当な指摘であれば(笑)。ボクは単純なバッシング記事にはしないつもりなので念のため(^_^;)。
さてマツダの当初の思惑が次世代スタンダードの創造であったならば、じゃぁ
どうなっていたら成功だったのか?
これはとっても平たく言ってしまえば
・マツダの最量販車であるアクセラ (海外ではmazda3) にほぼ並ぶクルマになってたら
だと思うんですよ、やっぱり(^_^;)。
例えば日本市場。ここは世界市場とはちょっと様相が違っていてアクセラが海外ほどには売れない(苦笑)市場なのですが、最量販車種がデミオ、予想外wの人気となったのがCX-5で、次がアクセラ、CX-3はその次となっています。CX-5がマツダにとって嬉しい誤算wwである点を横に置けば、もしCX-3がアクセラ以上に売れていれば「次世代スタンダードを創造できた」と言えたと思います。
しかし現実にはそうなりませんでした(^_^;)。
CX-3のクルマとしてのどこがどう?という話に入る前に、この
次世代のスタンダードという姿がどういうものか?をもう少し掘り下げると、日本市場の場合、デミオは車両価格がお安いこともあって数が一番出るのは当然としても、デミオ以外のマツダ車を求める顧客にとって、CX-3が候補の最右翼になれないとイケなかったのでわ?というハナシ。
より具体的に判り易く書くと、
CX-5、CX-3が登場する前って、マツダを訪れた客で「デミオじゃ小さいのでもう少し大きいのを」と言えば、自然にアクセラに行きますよね?この流れがアクセラじゃなくCX-3に向くというのがひとつです。
更に、特に車種を決めずにディーラーを訪れた客が「アクセラもイイけど、流行りのSUVなんてどうかな?」とか考えたときにCX-3に行くとか、
「SUVに興味があってCX-5を見に来たけど、ちょっとデカい」なんて人が素直にCX-3を選ぶとか。
勿論、CX-3自体の魅力に惹かれて選ぶ客も居るでしょう。
このような購買行動を多くの客がした結果として、デミオに次ぐ販売台数になっていれば、まぁ思惑通り次世代のスタンダードを創造できた、と言えたんだと思います。
じゃぁなぜそうならなかったのか?ボクも当初はCX-3単体を見て「悪くない」と思っていたが故に気付かなかったのですが、既に述べたように開発の大元のコンセプトに照らして、どうなったら成功なのか?と考えたときに、今のCX-3がそもそも目的を満たす商品になっていなかったという点が多々ありました。
①価格とユーティリティのバランスが悪い
顧客目線のベタな言い方をすると「価格が高いくせに狭過ぎる」でしょうか(^_^;)。
直接的な原因はデミオを礎に開発したことですが、ヴェゼルだってフィットベースですからね。一概にだからダメと短絡的には言い難い。
しかし買う側wからすると、キャビンやラゲッジの狭さに妥協できる人って「それがどーした?オレはCX-3が好きなんだ!」と指しで買ってくれる人に限られます。
つまり現行モデルでは、CX-5じゃデカいという人も、アクセラくらいのクルマが欲しいがSUVに興味があるという人も、低いユーティリティ(狭さ)がネックになって拾えません。加えて価格がCX-5やアクセラと同等かやや高めとなれば、選んで貰えるワケがない(苦笑)。
CX-3が次世代スタンダードなど掲げず、デミオ、アクセラ、CX-5のラインナップでは拾えない顧客に向けた
ニッチ商品という位置付けであれば、全く問題にもならないのですが。。。
②値付けが高過ぎ
ボクはデビュー当初の価格設定を「強気」とは思っても「高過ぎる」とは必ずしも考えていませんでした。そしてこういった小さな高級車的なチャレンジをマツダがすること自体も、決して悪いことだとは思っていませんでした。だから
こんなブログを書いて応援もしていたワケですが、、、A^_^;)
しかしながらデビュー以来4年近くを経てこれまでの実績と、そもそも「次世代スタンダード」を掲げていた点を勘案すれば、やはり
価格が高過ぎたと言わざるを得ません(^_^;)。ただこれは現状のクルマが出来に対して価格が高い「割高なクルマ」という意味ではありません。仕様や装備を吟味して、
もう一段低い価格帯のクルマとして出すべきだった、という意味です。
デミオベースのクルマで、ひとつ格上のアクセラにゆくゆくは並ぶこと、或いは取って代わることを目指すのであれば、価格は完全にアクセラとバッティングするか、若干安め、もしくは価格が微妙に高めながら装備が上回っているとか、その辺りにすべきだったのでしょうね。
③デミオベースの限界
ホイールベースがデミオと同じで、主要なメカニカルコンポーネントを共用しているCX-3ですが、コレを一概にNGとは言い難いモノの、その成り立ち故の限界が結局ネックになってしまいました。ヴェゼルがフィットベースではありますが、何しろフィットが同社(ホンダ)の格上のシビックすら凌駕しかねないくらいスペース効率の良いクルマであったため、それをベースに作られているヴェゼルは、ユーティリティ面での弱点がほとんどないクルマになりました。一方のデミオは、同セグメントですらスペース効率を多少犠牲にしてでもスタイリングや走りに振ったクルマで、それが売りでもあります。
だからCX-3もデミオのソレに倣った成り立ちで、それ故のネガが悪い方向に極めて素直に出てしまったというところでしょうか。個人的には第6世代商品群の中ではもっともスタイリングに優れたクルマだと思っているのですが、、、
④開発コンセプトと出来上がった商品のミスマッチ
結局のところココに帰着してしまいます。
何度も繰り返しますが、現行商品のCX-3がダメだとはボクは思っていません。
ただこのクルマは「次世代スタンダード」たり得るクルマになっていません。それがダメと言っているワケで、これが「第6世代商品ラインナップの狭間を埋めるニッチ商品」という企画であったなら、全く問題なかったのです(苦笑)。
デビューしたての初期モデルは乗り心地に難があって、
発売から1年を待たずに手が加わりました。このことで購入ユーザーから「オレたちゃ実験台か!?」なんて不満の声が挙がりましたが、「乗り心地を多少犠牲にしても走りに振る」のは、一部マニア向けのニッチ商品の方向性です。次世代スタンダードの乗り味がソレでは、正しい方向性とは言い難い。
当初のエンジンがディーゼル一本であった点もそうです。マツダのエンジンに於いてガソリンよりディーゼルが高級ユニットの位置付けですから、如何に
商品の出来と価格が適正であったとしても、自然と高額商品になります。それはつまり購入資金に余裕がある人や、良い商品には金に糸目は付けないというマインドを持った人向けです。そういった商品をスタンダードに据えるというのはとてもチャレンジングなことwなのですが、マツダがやるのは5年は早かった、ということになりますかね(^_^;)。
ってな具合に挙げれば色々と出てきますが、結局のところ
掲げた「次世代スタンダード」をやや取り違えてしまったのが敗因ではないかと思います。
さて、ダメ出しばかりではアレなのですが、CX-3が商品改良された直後になんてこのブログを書こうと思い立ったのか?は、
先日のブログにも少し関連しますが、今進行しているであろう次期(第七世代)モデルが気になるから。
次期型のコンセプトが引き続き次世代スタンダードとなるのかどうかは知りません(苦笑)が、CX-3の開発チームの思惑がどうであれ、マツダとしては次の第七世代商品群に於いて、スモールモデル群でアクセラに並ぶ/或いは置き換えるCX-?を生み出さなければなりません。
アクセラ、デミオといったハッチバック&セダン系は今後、市場が縮小していく可能性が高いため、一生懸命、魅力的なクルマを開発しても、台数成長がどこまで期待出るのかは予断を許しません。したがい
成長分野であるSUVで今のアクセラに匹敵するくらい、現行のCX-5と同等以上の数が出る新しいタマが必要です。
これは
マツダの最優先の経営課題ですが、最量販車種のアクセラと同等のCXを作るんだから、文字通り「次世代スタンダードの創造」なワケですよ(^_^;)。
だから今度は現行CX-3と同じ轍を踏むわけにはイキませんA^_^;)。
それが次期CX-3なのか、新型CXなのか、はたまたそれら2車種セットの合わせ技で実現しようとしているのかは判りませんが、ボクのような客目線wで言わせて貰えれば
・デミオより大きいのが欲しい
・アクセラクラスが欲しいが流行りのSUVが気になる
・CX-5に興味があるのだがデカい
こういった人たちが違和感なく素直にパクっと食い付くようなクルマじゃないとダメってことですねd(^_^;)。