
SKYACTIV世代のマツダ好調の理由を考えたとき、その真因は煎じ詰めれば
「自分たちが理想と信じるクルマをひたすら追求するクルマ造り」
にあるのではないかと思います。それをボクは100%支持するものですが、そんな彼らの姿勢には彼ら自身も、そしてもしかしたら我々ファンも気付いていないリスクが潜んでいるのでは?というのが今日のお話。
もしマツダの関係者が読んだら、なんらかの気付きがあるかしら?(^_^;)
マツダが近年の開発に於いて、他車の後追いをするのを止めたという話は色々なメディアで紹介されています。
マツダ「目標を追わず理想をめざす」理由 PRESIDENT Online
またデザインの話ですが、一般の人に見せて意見を求める「クリニック」というプロセスを廃止したそうです。
【マツダ・前田育男常務執行役員デザイン・ブランドスタイル担当インタビュー】デザインはブランド価値そのもの 経済産業省
競合他車をベンチマークに定めず、また一般消費者の声(ニーズ)も聞かないということは、逆に言えば彼らがかなり明確な理想の自動車像をイメージ出来ているという話です。
そして
それが市場で然るべく評価されているからこそ、今の好調があるワケですねd(^_^)。
と、こ、ろ、が、、、
開発に当たって競合他車をベンチマークにしなくても、或る程度出来上がったところで比較、つまり評価はしているようですし、市場の声だって全く聞かないワケにはイキません。
例えばボクも度々
話題に上げているCX-3。
競合となるヴェゼルやC-HRがバカ売れwしているのに比べたら、サイズも価格も大差はない筈のCX-3はライバル比どころか、マツダの目論見にも全く届かないくらい売れなかったのです。もうこうなると、CX-3を買って頂けない理由は
市場の声を聞かなければ解らないです(^_^;)。
ただこれはCX-3を買わないと意思決定した人から率直な意見を聞かなければなりません。これはかなり難しい話で、ディーラーで商談してくれてれば聞くことは出来るでしょうが、商談に至らず試乗だけ、或いは来店してクルマを見ただけの人からは意見を求めようがありませんし、ディーラーに足を運ぶまでも無くダメ出しした人からは絶対に理由は聞けません。
逆に実際に買ってくれた顧客から不満点を聞いても、それが「買わない理由」と一致するとは限りません。
話題を変えて、、、(^_^;)
ボクはGJ型アテンザの初代と、今の愛車の中期(?)の二台を乗り継いでいるのですが、マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)の制御に関しては明らかな退化を感じています。乗り換えた直後は
退化と断定するのが結構微妙に思っていた時期もありましたが。
具体的にどういうことかを説明すると、、、
前走車に付いてレーダークルーズしていると、前走車が車線変更をして前方からどいてくれるとき、完全にとなりの車線に移らないと前が空いたと認識してくれない。
というのがひとつ。言葉で書くと
当たり前の制御と思うかもしれませんが、ボクの感覚だと「前が空いたのになかなか加速を開始しない」と感じます。現実には前走車が車線変更を完了しなくても、右側のタイヤが車線を跨ごうとする辺りでもう前方は空いています。しかし今のMRCCは、前走車の右側のタイヤが車線を跨いで完全に隣の車線に移り、ウインカーを消して車線変更を完了するまで待っている感覚です。非常にじれったいと感じますが、まぁこれは百歩譲りましょう。
問題は逆のパターン。
自分の前に隣の車線からクルマが割って入ってくる場合、前走車が自車と完全にオーバーラップして、
そのままに進行したら追突する位置関係にならない限り減速を開始しない。
要するに、前からどいてくれる場合は完全にどくまでどいたと認めてくれないくせに、前に割って入ってくる車も完全に目の前までやって来ない限り、前に入ったと認めない制御に変わってしまいました。
初期型のMRCCはそんなことはなくて、前からクルマがどいてくれるときは、自分ならここで加速を開始したい、そのタイミングに大差なく反応してくれていました。逆に前に割り込まれる時も結構早期に反応して減速を開始してくれました。それ故か緩やかな右カーブで左側車線を走る前走車を誤検知して減速することも稀にありましたが、まぁ不満を覚えるほどでは無かったです。
しかし今は前走車がどく度に加速開始のタイミングがツーテンポ遅くてイラッとすることもありますし、
前に割り込まれる時は自分でブレーキを踏まないと危険を感じる場面が非常に多いです。
もう2年半以上乗ってますが、これは
明らかにスペックダウンと評価せざるを得ません。
で、(^_^;)
たまたまとあるマツダのイベントでi-ACTIVSENSE関係のエンジニアに会う機会があったので、上記の感想をブツけてみたのですが、
加速開始のタイミングが遅くなったのは
「『前走車が完全に前から居なくならない内に加速を開始して恐い』というお客様の声があったからです。」という回答でした。
じゃぁ、
割り込んでくるクルマを中々認識しなくて恐いというオレの声はどーしてくれるんだ?には明確な回答が得られませんで、、、(^_^;)
ここで思うワケです。d(^_^;)
冒頭で述べた通り、マツダの人たちが自ら信じるクルマ造りが結果的に一定の支持を得て今がある以上、そのクルマ造りの姿勢は基本的には間違ってはいません。
しかしだからと言って競合他車を全く見ないワケにも、市場の声に耳を傾けないワケにもいかない事情や事態は皆無にはなりません。
そのとき問題になるのは
誰の声を聞いているのか?です。
前回ブログで触れましたが、マツダの顧客戦略が狙いを定めている10%の人たちが居ます。
しかし実際にマツダ車を買ってくれる顧客は、その10%の人たちだけではないでしょう。全く逆にその10%の中にあってもマツダ車を選ばない人たちも居ます。
それは良いのです。
重要な点は、マツダが信じる理想のクルマは
顧客戦略で述べた10%の人たちにウケることを目指していて、そんな商品が
結果的にその10%の一部と、10%以外の人たちの一部に支持されて今の成果に繋がっているとするならば、顧客の中には10%側の人と90%側の人が混ざっていることになるという点。
そして、マツダが本来狙っている10%に属する人の声を聞き、クルマ造りに反映させるならば何の問題もありませんが、もしマツダの本来の狙いとは異なる90%側の顧客の声を聞いたら、
本来目指すべきクルマ造りの方向をブラす危険が潜んでいます。
とはいえ、、、ですょ(^_^;)。
その人が10%側の人か90%側の人か、なんてどーやったら判るのでしょうか?(苦笑)
また、マツダを買う前は90%側の「クルマなんて動きゃイイんだ」と思っていた人が、何かの間違いwでいざマツダ車を買ったら「運転が楽しくて仕方がない」なんてケースもあります。つまりBefore 90%側だったのがAfter 10%側に鞍替えwなんて人も居るハズです。
ってな具合に、ひと言で「顧客の声を聞く」と云っても中々難しいワケですが、
誰の声に耳を傾けるべきか?というのはとても重要なことだと思うんですけどね(^_^;)。
Posted at 2018/09/27 01:34:59 | |
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