
寂しいニュースですが、個人的な感想だけではとどまらないこの話題。
ホンダ、大丈夫か?それでA^_^;)。
先日、
ブログでチラッと書いた通り、自動車の動力の電動化って政治案件であって、そこには論理性も合理性も、更には正義もありません。言ってみれば利権のみ(苦笑)。
※因みに
理論性なし:動力をエンジンからモーターに変えても温暖化ガスが減るとは限らない
合理性なし:今現在、(EV、PHEV、FCVなど)電動自動車の生産・販売に対する投資合理性(費用対効果)はエンジン車に劣る
正義なし:そもそも上記2つに目を瞑って動力をモーターに置換していっても、気候変動が抑止できる保証は何もない
ということね(^_^;)。
じゃぁなんで世の中、そういう流れになっているのか?といえば、そういう方向に流れると利益になる(否、そういう方向にすることで利益を得る)勢力がずっとお膳立てをしてきた話なので、これは簡単には変えられません。
マツダなんか「エンジンに注力」と言っちまったもんだから株価を暴落させられたし(苦笑)
とまぁ、そういうワケなのでホンダの打ち出した方針は致し方ない面があって、けしからん!と非難してもせんない話。個人的に「エンジンのホンダ」が率先して脱エンジンを打ち出すことには一抹の寂しさを感じるものの、常に技術革新し続けることを是とするホンダらしいっちゃぁ、ホンダらしいと言えます。
ただ、ここで一抹の不安を感じるのは事実。
前述の通り、自動車動力の電動化は政治案件とはいえ、如何せんこれにはどー考えても無理があります。その無理を圧して事を進めようとすれば、どこかに歪が来るワケですが、事を進めたい勢力があの手この手で電動化の流れを進めていっても、そもそも無理筋であるが故の歪に現実が耐えられなくなると、どこかで破綻が生じる危険性が常にあります。
もし、万一電動化の流れが破綻してしまったら、迷惑を被るのは電動化の流れに乗っかった自動車メーカーで、当然ですが電動化へのシフトを早く進めたメーカーほど、被害は大きくなります。
抽象的な言い方でなく、具体的な話をすると、、、
推進勢力のあの手この手とは、例えば燃費規制であったり、電動化補助金などですね。これでエンジン車から電動化車両への推進を後押し(オーバードライブ)するワケです。
じゃぁ「歪に現実が耐えられなくなる」とは、例えば具体的にどういうことか。
例えば今後の自動車の普及の中心は、先進国から後進国、発展途上国にシフトしていきます。逆に先進国の自動車需要は頭打ちで、そこには更新(買い替え)需要しか見込めません。
発展途上国はこれから自動車が普及していくので需要がどんどん増えて行く一方で、電気インフラはまだまだ貧弱です。EVやHEVなど高電圧で危険なクルマを整備する拠点や人員の確保も課題で、早い話が彼らにとってはエンジン車の方が好都合で、電動車なんてありがたくもなんとも無いんです。
後は資本主義・自由主義社会の論理ですd(^_^)
日本国内とか、欧米の市場しか見てなければ「遠からず電動車両に置き換わる」という誤解を抱くでしょうが、全世界を見渡せばエンジン車の需要の方が遥かに多く、しかも拡大傾向ですから、下手にメーカーが電動車両に全シフトしてしまったら、今後の成長市場で「売るタマ(商品)が無い」なんて状況に陥り兼ねません。既に成熟し、市場の成長は無い先進国市場で、熾烈なシェア争いに勝ち抜くことが求められる、という話。
メーカーだって慈善事業じゃありませんから生き残りが掛かっています。
市場規模は横ばい、過当競争で利益が薄く、差別化も難しい電動車両でヒィヒィ頑張るのと、そんな先進国市場なんかスッパリ切り捨てて、需要が爆発的に増え続ける発展途上国のエンジン車市場に特化、なんてメーカーがいくつも表れて、バンバン、エンジン車を売り続けたら、仮に欧州や日本、中国市場の自動車が100%電気自動車になったとしても、世界全体ではそれらと同数か或いはそれ以上のエンジン車が、2040年以降も増え続ける、なんて未来が来るかもしれません。
もしそうなったときに「いや、それは流石にマズい」となったとしても、一旦手放してしまった or 開発の手を緩めてしまったエンジンに、そこから再び力を入れたとしても、継続してきた競合に後れを取ることは明らかです。エンジンの開発はモーターほどに安直ではないのでね(^_^;)。
とまぁ、こういう点を心配しておるのですが、ホンダに関してはエンジン搭載車を全廃するまではe:HEVを主力に置くでしょうから、いきなりエンジン開発を止めてしまうワケではありません。まぁエンジンに拠る駆動を捨てて、発電に特化して高効率化を進める方向性とは言え、高効率燃焼エンジンの開発を続けていくなら、方向転換を迫られても何とか出来るでしょう、エンジンのホンダなら(笑)。
因みに現在、駆動を前提としたエンジンで最先端を行っているのがマツダ、駆動を部分的にモーターに頼る前提で高効率を追求しているのがトヨタとホンダ、駆動を完全に捨てて発電に特化したのが日産と三菱、ってな分け方が出来て、今回のホンダの脱エンジンの発表は、トヨタ・ホンダ流から徐々に日産・三菱流へのシフトと見ることが出来るかもしれません。
マツダ流は電動化が進む先進国市場では実はもっとも不利なやり方なのですが、逆に新興市場向けには一番強力な打ち手です。ただマツダが悩ましいのは、彼らのポートフォリオに於いて、新興市場の規模がまだ小さいこと。そう考えると彼らの戦略は「チグハグ」と言えなくもないのですが、彼らは彼らの事情があっての話なので、一方的に批判するにはあたりません(^^;。
さて、今回ホンダが打ち出した「脱エンジン」の方向性。
ゴールが2040年と20年近く先の話ですが、ボクは「上手くいくかどうか」よりも、「この方向性がいつ、どこでどう変わるのか?或いは変わらないのか」の方に興味があります。それはホンダの責というよりは、世の中の動きがどう変わるか?の方が遥かにウェイトが大きいですけどね。
欧州では95g規制/電動車優遇が施行されて早速、LCAの議論が出てきてますし(^m^)。
Posted at 2021/05/16 18:41:54 | |
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