

あの子たちを置いて妻は出ていった。
僕はこういう時こそ冷静であるべきだと思い、子供達と南欧ポルトガルで短い休暇を過ごす事にした。
その際、旧知の間柄でもある旧家のイタリア娘ジュリエッタにも来てもらう事にした。
まあ、諸事情あってそういうことになったのだ。
なあんて書くと、
このブログと関係なさそうで何かシリアスな感じだが、
「妻の出張中に子守を兼ねて休暇を取り、ポルト市へ出かけ、その際にはアルファロメオ・ジュリエッタをレンタカーした」
というのが実のところ(笑)
そもそものところは、事前にルノー・クリオを予約していたのが何故か到着時点ではVWゴルフをあてがわれ、更にはそのゴルフに搭載されていたETCが故障していたため、最終的にアルファロメオ・ジュリエッタという次第。しかも、ディーゼルのムルティジェット、っておいおい。
「ジェット・アッパー(古すぎっ)」
てハーツ担当者を思わず吹き飛ばそうかと思った。
まず、ディーゼルにはアルファ・サウンド無です(涙)
根太いディーゼルと軽快なアルファの走りってどうも同一線上にない気がするんだよなあ。
JTDMって不評だったけどそれも分かる。

それはそうとポルトガルではアルファロメオはまだまだ「高級ブランド」です。
というのも、80年代、90年代始めまでほぼ同格だったBMWや格下だったアウディなどが下克上を果たし、北欧ではほぼ壊滅、アングロ・ゲルマンでもVWとほぼ同格くらい(厳密にはVWはやはり下)が現在アルファ・ロメオの立ち位置のように思います。
ただ、南欧ではまだまだ量産イタ車のブランド力も死んでおらず、特に欧州の「奈良(って僕のイメージ)」ポルトガルではあこがれの車の一つであるようです。

なぜなら大航海時代の前期覇者のポルトガルにして「ローマ時代」から、洗練のイタリアだから・・・
同じラテン系民族でも、食にせよモードにせよイタリアは常にポルトガルの憧れ。ちなみにポルトガルは服飾製品や革靴の生産でもメジャーでブランド品の生産が行われることも多かったのですが、裁断技術や細部の仕上がりなどでイタリア製に一歩劣る部分を感じます。
ともかく、幻滅のディーゼルにしても古都ポルトに古都トリノのロゴはマッチする感じ。
この街は小都市にすぎませんが、地下鉄があるので本来はレンタカーする必要すらなかったかもしれない。でも、
遠出して海釣りのち酒の肴を仕入れ、緑ワインでも行きますかね的夢想や「ドゥオーロ渓谷の断崖絶壁をクライミングする俺」なイメージが先行していたので(爆)やっぱり車だよな。

まあ、結局子連れでは行動パターンにリミッターありなんだけど。
さて、そうそうジュリエッタ。
すみません。ディーゼル版のジュリエッタ。ぜんぜん好きになれません。トレッキングシューズ履いてる自分も自分だけど、このアイドリングストップとの相性が・・・。まあ、癖は自分のツインエアにむしろ似ているのだが・・・
もう少し洗練されたタイミングにされるべきだと思います。
また、フェイスリフト後もあまり変化のない全体像、的確でありながらも平凡すぎる手応えのハンドリング、ドイツ車のようなかっちり感、俊敏さを消して低速から高速域まで安定した乗り心地。う~ん、車としてはきわめて優秀なんだけど、すべてにおいてディーゼル版ゴルフに近すぎ。
寝ちゃうよ~。
緊張感ないよ~。
ぜんぜん萌えない。
今や2シリーズ登場でFFでもFR並にファントゥドライブと開き直るBMW理論が仮に正しいのなら、ディーゼル番ジュリエッタももう少し楽しい乗り味にならないですかね。まあ、自分はディーゼル版BMWやFFのBMWの詠い文句には懐疑的ではあるんですが・・・

というわけで、一般ツーリストがあんまり行かないだろうポルトの海岸側へ走らせてみた。革シートでないのと子供達がうるさいので随分テンションが下がっていた。
海をみてもどうも悲しげなファド。
今回は哀愁旅情モードに入ってしまった。
まあ、別荘地が立ち並ぶ場所での存在感に関してはなかなかではあったのだが。

今回はむしろミトくらいでよかったのかもしれないなあ。
ジュリエッタ自体はまっとうな車だが、ディーゼルとの組み合わせはダメかもしれない。アルファの世界観が希薄で、全然楽しくない。そういう意味では自分はマセラッティのディーゼルも好きになれないだろうし、ランチア・デルタでも同じことだろう。おそらくムルティ・ジェットがあうのはパンダくらいだと個人的には思う。
小都市なのに妙に交通渋滞も多いポルトには、セアト・ミーがベストマッチ。あるいはプジョー108や新型ルノーツインゴくらいがいいかも。
ポルト自体は絵になる街でシュートは楽しいし、物価はブリュッセルの3分の1程度。お菓子も酒も飲み放題といっても過言ではない。鱈の揚げ物など魚介類はかなり旨い、ワインもそれなりに美味しい。
これをみると正直ベルギーはただのぼったくりだな。
けれども、僕が欧州の奈良と呼ぶポルトはやはり京都=パリ、ミラノ(あるいはバルセロナ)=大阪と比べると寂れているし、活気にはかける。
車も二世代くらい前のものが多い。
そういう中ではジュリエッタは煌めいていた。
ポルトガル人は欧州内でも極めて親切な人々だし、正直でまっとうに商売も行われているのは感じいるのだが、高齢者の多さや浮浪者の姿も気になってくる。
ユニクロの社長(今会長?)だっけか、
「日本はこのままだとポルトガル化する」と言っていたが、この言葉が頭に蘇ってきた。
治安もよく、人々は礼儀正しく親切。
かつての覇者、か。

う~ん、今回はいろいろ考えさせられる旅路だった・・・
Posted at 2014/11/15 02:13:12 | |
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