ここのところバタバタしていて疲れ気味。
週末は天気がイマイチであることが多いせいもあって、遠出していない。
金曜日もなかなかにヘビーな1日であったが、天気予報では土曜日は晴れてグッと気温が上がり、日曜日は天気が下り坂になるとのことであったので何としても出掛けねばならないと心に決めて23時前に帰宅。
エクストレイルのエンジンを回してやりたいし、久々に美味しいアジの塩焼きを食べたい。
人の命より経済活動を優先する中で起きた痛ましい事件についても知っておきたい。
時間と元気があれば焼酎蔵のトロッコに乗ってみたいし、美味いカツオも食べたいなどと思いだけは広がりつつも、晩飯食べてテレビを見ていたらウトウトしてしまう典型的なオヤジパターン。
土曜日の朝は予定より30分遅れの8:30に出発。
相変わらず追越車線をダラダラ走り続ける車が多いことに辟易しながら九州道を南下。
晴れてはいるが、黄砂のせいか、スギ花粉のせいか空は霞んでいた。
気温は朝の時点で20℃を越えており、3月にしてエアコンのスイッチをオンにした。
エクストレイルは快調。
エンジンがスムーズに回って気持ち良い。
九州道、南九州西回り自動車道を通って水俣市へ。
空は霞んでいたが、八代海は青く、キラキラと輝いていた。
水俣の街中に入ると、ドカンと「チッソ」の工場が広がっていた。
看板には「JNC」と併記されていた。
ここから流し出されたメチル水銀を含んだ排水のせいで、多くの人の夢や希望を奪い、今なお苦しみの中にある人がいる。
小さな町にドカンと広がる大きな工場は、その町にとっては雇用の場であり、税収源である。
そのことが被害を受けた方々に対する誹謗中傷や差別を生む元凶ともなり、さらに悲しみの淵に追いやったのであろう。
水俣病資料館には1月に来るつもりで休館日などを調べ、位置をカーナビに登録していたが、今回改めて事前に確認することをしなかった。
駐車場にエクストレイルを止めて、子供たちが楽しそうに走り回っている公園を抜け、資料館に行くと、先日の田川市石炭・歴史博物館に続いて「休館」の文字が・・・
リニューアルのため3月末まで休館とのこと。
資料の一部が隣接する環境センターに展示してあるということで行ってみた。
パネル展示だけであったが、この公害病が発生した原因、当時の水俣市、市民とチッソの距離感、何の非もない市民が将来を奪われた上にいわれなき差別や偏見に晒された苦しみと悲しみをおこがましいがほんの少しでも感じることができた。
このようなことは絶対に繰り返してはいけないし、被害に遭われた方々へは手厚い補償が行われるべきだと思う。
が、しかし、被害が確認されてから60年を経た今でも水俣病の認定が進んでいないという現実がある。
水俣病は過去の公害病ではなく、今なお苦しみを与え続けているのだ。
そのことを多くの国民が知るべきで、JNCと行政は被害に遭われた方の心の痛みのごく一部でも癒せるよう今すぐに取り組むことが必要だと強く思った。
穏やかで綺麗な海。
元気に走り回る子供たち。
辛い現状との対比が心にグッとくる。
ちょうど昼になったので、阿久根に移動し、「うずしお館」で昼食。
今回の目的の一つはここで美味しいアジの塩焼きを食べること。
早速注文するが、残念ながら売り切れとのこと。
美味しいからしょうがないか。
しかし、残念・・・(涙)
刺身定食を注文。
今日はカンパチとマダイとイカ。
どれも旨みと甘みがあって美味しい。
今日獲れたものをさっき切ったばかりだというナマコと橙と大根おろしを合わせたものをサービスで頂く。
堅くなる前のナマコが貝のような旨さを出し、酸っぱ過ぎない橙と絶妙に合う。
続いて自家製つけ揚げ(さつま揚げ)のサービス。
すり身はアジのみ、厳選した砂糖を使い、試作に試作を重ねて作ったフワフワのつけ揚げを作り上げた店主の自信作。
甘さ控えめで焼酎を飲みたくなる旨さ。
完食し、しばし店主さんと雑談。
店内で売られているイワシの一夜干しを購入して店を後にした。
店を出た後、長島の「道の駅 黒之瀬戸 だんだん市場」へ行ってみた。
魚、ウニ、野菜、しらぬい(デコポン)どれも安くてお買い得。
ウニ丼食うぞとウニと野菜やらいろいろ買いこんだ。
船と港を見たくなり、阿久根漁港へ行ってみた。
風が強く吹いていたが、港の中にはまき網船と釣り船が数隻が係留されていた。
ここで猛烈な腹痛が・・・
暑くてスイッチを入れたエアコンでお腹が冷えたのだろう。
港周辺でトイレを探して車を走らせる。
いくつかの波を乗り越え、人が集まっているところを発見。
トイレがあるに違いないと車を降りて近づくと、ハッピを着た人に、「ちくわ作りをしませんか?アジの開き作りはいかがですか?」と呼び止められた。
肥薩オレンジ鉄道を盛り上げるためのイベントをやっているらしい。
そこでまた猛烈な腹痛。
説明もそこそこにトイレに駆け込む。
トイレのドアが壊れていてしっかり閉まらず、鍵をかけることができない。
しかし、この期に及んで押し寄せる大きな波をやり過ごし、別のトイレを探すことは不可能。
覚悟を決め、「このトイレのドアを開けてしまった人、ごめんなさい。自分の不運を呪ってください。」と思いながら、用を足した。
幸い、トイレのドアは開かれることなく、不ウンな人を作ることはなかった。
このイベントは今年から始まった沿線自治体を挙げてのものとのこと。
水産業が主要な産業の一つである阿久根市では阿久根漁港でイベントを開催。
ちくわ作り、アジの開き作りの他、鹿肉や猪肉のバーベキューやアオサとタケノコの吸い物が無料で振る舞われていた。
私はちくわ作りに挑戦。
金属の棒に魚のすり身をつけて炭火で焼く。
ちなみにすり身には何が使われているのかと聞いたらタラ(たぶんスケトウダラ)とのこと。
地元の魚でないのがちょっと残念。
ちくわはその場で食べたが、美味しかった。
鹿肉とアオサとタケノコの吸い物を美味い、美味いと食べていたら、熊本のテレビ局がやって来てインタビューを受けた。
インタビューをする人が事前にイベントの内容を把握せず、しかもあんまり考えずにいきなり「どうですか?」と振ってきたので少々困ったが、食べ物を振る舞ってもらった恩義があるので、スマイルでサービストークを織り交ぜつつ、イベントと頂いたものの感想を話した。
せっかくここまで来たのでさらに南下しようかと思ったが、おなかの調子がイマイチ良くないのでそのまま帰路に着く。
帰りも九州道は追越車線を走り続ける人が多く、走行車線と追越車線が入れ替わっていた。
久留米を過ぎて3車線になると一番左の走行車線が一番空いていて、追越車線よりスムーズに走れるというのはどういうことなのか。
毎回同じこと言ってるけど。
今日の最高気温は車載の気温計では24℃だった。
まだまだ寒暖を繰り返すのだろうけど、春はすぐそこまでやって来ているんだなあ。