2015年01月30日
しるくが感じていたFD3Sの弱点?
何となく、そうなんじゃないかというか、単純にコンピュータが無い時代に、良くここまで設計出来たと思う反面、時代の進化との格闘と言うか、簡潔に書かれている方がおられました。
25年前と違い、今の技術でFD3Sが設計されれば、更に強度アップと軽量化が出来たのでしょうね。(^.^)
でも、機械じゃない所に、手描きだからこそ実現出来た無駄も含めて、贅沢に設計されてる所も大好きなんですけどね。(^.^)
何から何までコンピュータが計算すると、公式の様にみんな同じ答えで、ボディ外装だけ変えた車だらけになりそう。
当時のFD3S専用設計部品だらけ、本当にビスやボルトだけしか共用してないんじゃないかと思える作りが愛しいです(^.^)。
しるくは、この生まれたままの、ありのままのwFD3Sが大好き!^^。
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ちょっとネタが古いですが、、、一時期とかくS2000とFD3S(以下FD)は良く比較されていましたねぇ。
今でも、筑波サーキットなどのショップ対抗スーパーバトルでは熾烈な戦いが繰り広げられていますね。
また、S2000でワインディングなどを走っていると、こちらが望もうと望まざると、FDに煽られた経験が有る人も多いと思います(笑)。
このようにライバル関係に見られるのは、両者のキャラが似ているためでしょうか。
具体的には、車重、車高、ホイールベースがほぼ同じで、前後重量配分50:50のFRスポーツカー、と言う事だからでしょう。
確かに、過給機が付いている事とオープンボディーでない事を除けば、車のキャラは似ているような気がしますね。
実際、本田はFR作りのノウハウが無かったためか、S2000はマツダと技術提携して作っているので、似ていてもおかしくないでしょう。
FRの駆動系の殆どは、マツダ製だ何て話を聞いたことが有ります。(デフケースが小さく、デフオイルが極端に少量しか入らないのは、本田の作るエンジンをなめていたのかな?(笑))
マツダのボンゴのファイナルギアが流用できたり、FDのホイールが流用出来たりするのは、有名な話ですね。
しかし、FDに乗ったことが有る初期型S2000のオーナーなら分かると思いますが、両者は全く違う車ですね。
似ているのはパッケージ位でしょうか?
確かにFDは高価だし、さすがにFRのノウハウが有るマツダが凝って作っただけあり、良く出来ていると思います。
私はその中でも、S2000に対する最大のアドバンテージは、ターボならではのエンジンパワーだと思います。
ターボエンジンは、比較的簡単かつ安価にパワーを上げられます。
パワーが有るからタイヤを太く出来る。トレッドを広げられる。強いダウンフォースがかけられる。
結果、コーナリング速度も上がる。
これはタイヤにパワーを喰われる心配をしなくていいからこそ、なせる技でしょう。
パワーを喰われることに神経質にならなければならない、2リッターのNAエンジンの車では真似出来ません。
しかし逆に、例えばF20Cとスペック上は殆ど同じである、同社のRX-8のエンジンをFDに載せたら、どのくらい速く走れるかと言われると、かなり疑問だと思います。
FDは凝って作られたと言っても、基本設計は90年代前半。 あるいは、開発時期は80年代後半かもしれません。
まだ、コンピュータの性能が低く、剛性の計算技術があまり確立されていない頃の車です。
ちなみに 剛性アップと言うと、すぐにスポット増しだの、補強バーだの、ロールケージ溶接止めだのをすればいいと言う話になりがちですが、剛性と言うのはそんなに単純な物ではありません。
剛性の話は面白いので詳しい話はまたどっかに書くとして、、、
とっても簡単に言うと、この剛性アップとは棒を入れるとか、板を厚くするとかいったレベルの話ではなく、例えば四角よりも三角の方が剛性が高く、更に三角よりもX構造の方が剛性が高いと言ったレベルの話です。
これはシャシーの基本設計のレベルの話です。 後からどうかなる物ではありません。
シャシーやボディーの設計は、構造力学などを使って応力などを有限要素法やら境界要素法やらを駆使して、膨大な行列の計算を、1秒間に1兆回以上計算できる、ベクター演算型のスーパーコンピュータで計算して設計しているはずです。
(S2000開発当時。現在のスーパーコンピュータはもっと速い。)
スーパーコンピュータは、何十億円もする高価な物で、そこらのチューニングショップが買える代物ではありません。
更に、シミュレーション計算のノウハウはもっと難しいです。(まあ、業界スタンダードの専用ソフトが有るそうですが)
これは職人の世界と言うより、学者の世界に近い話なのです。
よって、シャシーの基本設計の古いFDは、いくら後から補強しても、最近の車の様な剛性は出せないのです。
「FDの前後重量配分が50:50なのは静止時だけ」、何て話も聞いたことが有ります。
走り出したとたん、あちこちがヨレてしまうらしいです。
シャシーやボディーがヨレれば、ジオメトリも、アライメントもズレてしまいます。
それと比較し、S2000はコンピュータの性能が上がってから設計された車なので、非常に剛性面で優れています。
まあ、乗り比べた人なら分かると思います。
私もエンジンの大幅なパワーアップから、補強から、足廻りから、空力までキッチリやってある、サーキット仕様のカリカリのFDを運転させてもらったことが有りますが、無理矢理剛性を上げてる感が、ドアを閉める時の感触から、走行中まで、ずっと伝わってきました。
何と言うか、ガチガチに固いけど剛性感が無いんですよね。
これこそ、緻密なシミュレーション計算で剛性を上げていないための、症状でしょう。
後付けの補強には、限界が有るのです。
また大きな副作用もあります。
余談ですが、例の私の補強バーだらけのインテグラは、結局補強できないトランクの左右のチリなどがどんどんズレて来て、走行中ずっとカタカタいってました。 更に、外から見ると四角いはずのボディーが、ひし形になっているような気もしました。
どうやら 補強していない所に極端に応力が集まり、結果的にボディーの寿命を縮めたようです。
特に、DC2の様なリアハッチの車は剛性面で不利です。FDもリアハッチなのがネックですね。
最近のリアハッチの車、例えばZ33なんかは、後部の剛性を確保するために、タワーバーともボディーの一部とも言えない補強が、「これでもか」って感じで入っていますね。
あれは、必要だからトランクを狭くしてでも、入れてあるのでしょう。
実際に、Z33は車重やボディーの大きさを考慮すると、予想外にシャープなハンドリングだったのを覚えています。
さて、長くなりましたが、私が考えるS2000がFDよりも最も優れているところは、ズバリ、ボディー剛性でしょう。
よって、FDと比べS2000の方が、走行中にも正しいジオメトリとアライメントが常に保たれ、ブレーキング時も、コーナリング時も、加速時も、正確に足が動き、車として正確な動きをするわけです。
健全な足は、健全なボディーに宿ります。
細いタイヤでも、そのタイヤが持っている性能を出し切れるわけです。
パワーやトルクがこれほど違うのに、いい勝負が出来るのはそのためでしょう。
最後にもう一つ、剛性についてちょっと聞いた話です。
これは、GT500に乗っていた某ドライバーの話ですが、GT500のNSXは、新車時には1mm車高を変えても大きく挙動が変わるらしいです。
しかしながら、シーズン終了の頃には、10mm車高を変えても殆ど挙動が変わらなくなるそうです。
ジャングルジムの様な補強をしているGTマシンでも、ハードに走ればそのような事が起きる訳です。
でも、もしこの症状が、Z33やR35GT-RベースのGTマシンで起きないとしたら、ホンダファンはショックですよね…。
まあ、言わんとしている事は解ると思いますので、最後まで書きません(笑)。
今回はたまたまFDを引き合いに出してしまいましたが、この話は、剛性がいかに走行性能向上に影響を与えるかが解る、良い例でしょう。
色々書きましたが、それでも私はRX-7が、当時の技術を最大限に生かした、20世紀を代表する名車であり、スポーツカーである事は間違いないと思っています。
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FD3S | 日記
Posted at
2015/01/30 21:55:09
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