恐れていた事が起こってしまったという想いでいっぱいです。
先日、
警察庁により27年の交通死亡事故統計が発表されたところですが・・・
何と!交通事故による死者数が増えてしまいました・・・
しかも!
「ある事故」については激増です!
その事故とは・・・
自転車の単独死亡事故!
な、なんと
その死者数・・・113名!
前年比35名増加です!
自転車事故死者数全体の約2割を占め、
前年の14%から割合的にも激増です。
人命損失も遂に3桁に突入し、ここ
10年間で最悪の数になってしまいました。
私は3年前の統計からこの数値に注目していたのです。
何故かと言うと、
平成25年に自転車単独死亡事故死者数が30人以上も激増したからです!!
平成25年、一体何が起こったのか?
その時、自転車の原則論をふりかざして、自転車を歩道から車道にって一大キャンペーンやったんですね。
当時の論調が、
「2000件の接触事故と5件の死亡事故が発生し、歩道を自転車が走るのは問題だ」って論調でやったわけです。
ところがです!
自転車を車道に下ろした途端に自転車の死亡事故が激増してしまいました・・・
私は以前から「自歩道廃止反対」って言い続けてきました。
自転車の安全通行に対する
インフラが殆ど「自歩道」位しか無いにも関わらず、原則論有りきで
自転車を車道に追いやったら死亡事故激増するのが目に見えていたからです。
(ちなみに自歩道は全歩道の4割を占めています。)
勿論、
私も自転車が歩道を走ることに関しては全面的に肯定できない部分も有ります。
しかし、
日本はその
道路の生い立ちと国土の狭さから自転車専用のインフラを作るほど余裕が無いのが明白だし、そうした中で
歩行者と道路インフラを上手にシェアするために低速で安定走行できるママチャリが発達した背景があるのです。
そうした部分を無視して、いきなり
歩道から自転車を排斥すれば良くない事が起こるのはある意味
誰にでも予測できたことなのです。
しかし、
警察はマスゴミや一部の声の大きな有識者の圧力に負けて、殆ど
人体実験的に原則論を推し進めてしまいました・・・この「自転車は車道」と言う
法律が出来たのは昭和35年、その頃は
自動車の普及率も1割程度で、
舗装率も低かった時代の法律なんです。
舗装率も現在は殆ど100%、更に
交通戦争とまで言われた状態から広い歩道や自歩道が整備されて、交通死亡事故全体としては、
ここ数十年の死者数はずっと微減を続けていて、1万人を超えていた1990年代から14年連続で減り続け、
遂に4000人を切る寸前まで来ていたのにです。
それなのに・・・
2015年、15年ぶりに交通事故死者数が増えてしまったのです。
4名
たった4名と思うでしょうか?
実は自動車、二輪車での死者数は減ってます。
じゃ
何が増えたのか?
自転車の死者数です。
そして歩行者の死者数です。
その
増加分で自動車、二輪車の減少分を相殺してしまったのです。
そして
悲惨なのは、
自転車対歩行者の「事故件数」も2500~2600件程度と平成24年以前のレベルと殆ど変わっていない事です!!
おかしいよね?自転車を車道に下ろせば自転車も歩行者も安全になるはずじゃなかったの?
自転車の罰則を強化し、取り締まり指導も行ったのに、
事故件数は殆ど変わらず、死者激増っておかしいだろ!!
自転車や歩行者と言う、
最も保護されなくちゃならない交通弱者の死者激増ってどういう事よ?
教えて、偉い人。
・・・
そんな中でも増加ぶりが特に酷いのは繰り返すようですが
自転車での単独事故です。
犠牲者は113名となり、2014年と2015年を比較すると
35人も死者が激増してます!
これだけでも大変なことなのに、
統計を見ると恐ろしいことが・・・
実は、
「自転車を車道に」とやる平成24年以前の死者数は大体50名前後で殆ど変わらなかったのです!
つまり、
平成24年以前の平均と比較すると・・・
60人以上も増えてしまったのです!!
平成24年以降は、
25年、36名増加(24年比較)
26年、28名増加(24年比較)
27年、63名増加(24年比較)
・・・
117人もの尊い人命が「自転車を歩道に」の以前と比べて失われてしまったのです。
そして、
最悪な事に!
27年は自転車対歩行者で歩行者が犠牲になり、
8名の人命が失われました。
これは、ここ10年で最悪の数字です!!
繰り返します。
これは、ここ10年で最悪の数字です!!
・・・この、自転車対歩行者の
歩行者の死者数も3~5名で常に推移してきましが、
自転車を車道に下ろしても3年間遂にゼロとはならず、それどころか
昨年は過去10年で最悪と言う状況になってしまいました。
さて、この統計数値。
1年だけだったら何かの間違いや統計の揺らぎって事も有るでしょう。
2年間続いたらちょっとおかしいと思うべきです。
3年目で激増したら大きな問題が有ると認識すべきだと私は思います!!
では
なぜこんな事態になったのか?
私は交通事故研究者でも学者でもなんでもありませんから、
これ以降は単なる私の妄言です。
その上で、
統計の推移を見ながら、少し考えてみました。
実は
統計には事故の
「原因」や「発生状況」と言う部分も掲載されています。
単独事故死の原因は、
工作物衝突(ガードレールや電柱、標識、建物等)
による死亡
24年10人
25年15人
26年15人
27年17人
24年以前と比べて、
平均して5人以上、
27年に至っては7人も増えてます。
転倒による死亡
24年11人
25年22人
26年19人
27年22人
これも
24年以前に比べてほぼ倍増、25年、
27年に至っては24年比較で2倍となり、24年以前は
コンスタントに10名程度だった犠牲者が20名程度に増えている事が判ります。
その他
24年29人
25年49人
26年44人
27年74人
凄いのが「その他」で
30名程度だった24年以前と比べて
25年以降は40名を超えて、
27年は何と74名!!!余りにも悲惨です。
この
「その他」とは一体何か?
私は一部は停車・停止車両への激突ではないか?と考えています。
こんなこと書くと、「違法駐車を根絶しろ!」って言い出すキチガイが湧きそうですが、確かにそうした違法駐車による事例も有るのでしょうけど、
「道路には常に停車・停止車両が存在するもの」なのです。
そして
停車車両は「道路」の左側に出来る限り寄って停車しなければなりません。
「レーン」の左側ではなく、「道路」の左側です。
この時点で、物理分離されていない自転車「レーン」なんて殆ど役に立たないと言う結論になってしまうんですよ。
更に
違法駐車が増えてたり、取り締まりが追いつかなくなったりしているのか?と言われれば
必ずしもそうではなく、違法駐車の取り締まりに関しては都市部を中心に非常に厳しくて、特に二輪車に対しては厳格化でほぼ駐車車両が絶滅したという状況にあります。
そんな状況の中、
取り締まり件数はコンスタントに微減を続けていて、少なくともここ
数年で違法駐車が激増したと言う状況にはありません。
これは私の予想ですが、
「その他」に含まれている死亡事故は、こうした
普遍的に存在する停車・停止車両に車道を高速で移動する自転車が激突しているのが原因の一部なのではないかと考えます。
これは対策として単に
停車車両を路上から排除すれば解決するという事ではありません。
そんな事したら物流や商業活動が阻害されて、都市経済や都市生活が破綻してしまうからです。
Amazonの即日配達で利便性を享受できるのも、商店で買い物ができるのも、タクシーやバスが利用できるのも、路上に停車できるからです。
自転車が転んだり停車車両や電柱にぶつかったくらいで乗員が死ぬのか?そんな事なんかの間違いだろ?って軽く考える人も居るかもしれませんが・・・
電柱や自動車の剛性は自転車と人間の剛性と比べたら天と地の違いが有ります、
20km程度でぶつかっても、速度が瞬間的にゼロになるので、その
衝撃は十分に人命を奪う程強力なのです。
ちなみに、自動車は構造物にぶつかっても速度がゼロになりません、バンパーからボンネットまでが壊れて衝撃を吸収し、エアバッグやシートベルトが更に加速度を緩和するからです。
それでも30~40km程度の速度で死亡事故が多発する程、自動車の単独事故も恐ろしいのです。
それなのに
「自転車」を20~40kmの速度で自転車レーンを走らせて、単独事故起こしたらどうなるか!?
物凄く恐ろしい結果がそこに待っているのです。
まさしく、このGif動画や、
「ばくおん!」の
糞虫ペダル状況が発生しているのではないかと愚考するわけです。
また、
対歩行者で悲惨なのは横断中の死亡事故です。
これが
方針変更以降にコンスタントに発生しているんですね。
25年には死亡3件中1件
26年には死亡2件中全件
27年には死亡8件中3件
この事故の
象徴的な死亡事故例が27年に発生した
「信号無視&イヤホンの自転車が、青信号で横断歩道横断中の70代高齢者を轢き、死亡させた」と言う事故です。
その後の調査で、現場は
直線道路の歩行者用信号の有る横断歩道で
衝突時の速度は25km程度出ていたそうで、
まさしく車道を高速で走る自転車が如何に危険な存在かを証明する事故となりました。
そして、私も
バイク通勤でしょっちゅう見かけるのが、この
「自転車による信号無視」
です、特に
歩行者専用信号やT字路の信号等、殆どの車道走行自転車が守りません。
すり抜けしてきた
オバちゃん原付すら守るのにです。
その結果、
青信号で横断しようとしている歩行者と「あわや」と言う場面も何度か目撃しました、特に
自転車専用レーンや広めの路側帯が有る道路では、自転車は
スピードも落とさないので大変に危険でした。
この高速で移動する自転車と、車道を
横断しようとする歩行者による事故は自転車が高速になればなるほど、自転車レーンなどが整備されればされるほど重大化する可能性があり、奇しくも
数字によって証明されてしまった形になります。
以前は
「相互の速度差が大きい」歩行者が「対向(向かってくる)」
での死亡事故が多かったのです。
しかし!
27年に限っては!
対向事故も背面(追突)事故も対歩行者で死亡事故が2件ずつ発生してしまいました。
これは事例がどの様な物なのか具体的に判りませんから何ともいえませんけど、もし、
自転車の車道走行に関する高速化で速度差の増大による事故の重大化が原因なのでは?と疑ってしまいたくなります。
どちらにしても、
事故件数や死者数からも、自転車を歩道から車道に下ろす
大義名分であった「歩行者の保護」が全く機能していないのです。
これは大問題ですよ。
本当に大問題ですよ!
私は2011年にマスゴミが自転車バッシングを始めた
当初からこの事態を危惧していました。
2011年の2月の時点で、
「自転車レーンや専用道を整備すれば安全になるってのもバカ過ぎで、自転車の平均速度が上がり、マウンテンバイクやクロスバイクが幅を利かせるようになり、危険度が飛躍的に上がり、事故が起こるとそれがより重大化する。」
とハッキリ書いてます。
余りにも
予測通りで自分でも怖くなるくらいですが、
私みたいな学のないオッサンでも判る事を何故強行してしまったんですか??
私はここまで
死者○名とか○人の犠牲が出たとか文章上書いてきましたが、この
数字1につき、人命が1失われているのです、
数字を単に数値として処理してはいけないんです。
回復不能の人間の命が、人生が失われているのです。
この自転車の問題は、
2011年の頃、盛んに「欧米では」とか「海外の事例では」とか「歩行者の保護のために」とか散々騒ぐ人達が居て、マスゴミもそれに便乗して世論を煽り立てていました。
本来であれば、
その様な扇動に乗って、最重要の人命を守る為の指導や方向性を変えたりしてはいけないんです、
人命は何物にも代えがたく、最も大切なものだからです。
ところが、こうした
無責任な自転車活用論者やマスゴミの誘導にのって警察は方針を変えてしまいました。
当時の警察関係の委員も、
「自転車の歩道走行は良いとは考えていないが、次善の策としてやむおえず(人命優先で)
歩道走行を容認してきた」と言ってるのです。
さて、
同じ様に事故多発で消滅したレーンの前例が有ります。
それは
二輪車専用レーンです。
現在の自転車レーンと同様に、
道路の左端に設定されていたものです。
今では関東圏では埼玉県の一部の道路と八王子近辺の道路に残っている程度ですが、
最盛期には日本全国で見られました。
二輪車専用レーンの様に、
一旦路上に描かれてしまったり、施行されてしまった施策は間違いや
問題点が有っても回復されるまで長い長い時間がかかるんです。
そして、問題が有っても
推進した人達はそれを認めようとはしません。
そして、
その間は常に人命が危険に晒されるんですよ。
人の命は本当に大切なものです。
自分の
隣りにいる人がある日突然この世から居なくなってしまう事を考えてみてください。
怪我や病気なら回復の可能性は有ります・・・
しかし、死亡は取り返しがつきません・・・・
そうした
大切な命を「マスゴミや有識者や世論が煩いからやってみよう」「専門家もああ言ってるし、だいじょうぶだろう」で実験的に使うことは絶対にあってはならないことです。
違いますかね?
人間の命を代償に実験を行う事は絶対に許されませんよ!
人間の命を代償に実験を行う事は絶対に許されませんよ!
交通対策を検証も無く理論だけで安易に推定し、事故を重大化させたのは誰ですか?
3年間で100名以上もかけがえのない命が失われた事に対する責任は誰が取るんですか?
少なくとも
更なる犠牲者が出る前に、対策を考えるべきです。
「自転車を車道に下ろしても、自転車の効率が上がるだけで交通が安全になるわけではない。」
統計と、回復不能の尊い命によって証明されてしまったこの結果を、関係者の方々は是非!是非!大切にして欲しい!と、
切に願ってやみません。
それから、舗装道路もロクに整備されていなかった昭和30年代に作られた法律の
原則論を振りかざし、散々「自転車を車道に」とか「自転車レーンを」とか煽っていた毎○変態新聞!
どう責任取るのかね?
ホントに廃刊しろよ
PS
最後に、では自転車はどう通行するべきか?と言う問題があると思いますが、結局は私も海外事例を持ち出すようで申し訳ないのですが、ロンドンの様にする以外に無いと思います。
(2015年時点で絶賛建設中(^_^;)。)
とは言っても、この歩行者・自転車・自動車完全分離方式も様々な問題が有り、
・日本では先ず用地確保が不可能な事。
・用地確保できない場合自動車の走行空間を狭めるので物流に問題が起こり経済が打撃を受ける事。
・巨額の費用がかかり、(ロンドン市の一部だけで1500億円以上)首都圏などの大規模地域で行うには無理がある事。
・受益者負担を自転車ユーザーに添加できない事(徴収方法がないため)。
・残念ながら、オランダの統計を見ると、スピードが上がるために自転車事故の多発・重大化は阻止できない事。
と、少し考えただけでも日本に置き換えればこれだけの問題があるのに、早々に解決できるとはとても思えません。
結局どうなるか?と、言われれば、多分、
ロンドンの様に複数の人が犠牲になるような重大な交通事故が発生し、事故多発と危険性で問題となり、二輪車専用レーンの様に誰も責任を取ること無く、フェードアウトして、結局元通りになる・・・と言う形になるのではと愚考します。
結局みんな死にたくないし、死なせたくないですからね。
PS
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日本は自転車先進国 | 日記
Posted at
2016/04/12 00:36:33