
愛車をスバル認定中古車として購入してからおよそ半年が経過し、
6か月点検の時期を迎えるのと同時に待ちに待ったレヴォーグ試乗して来ました!
いつもお世話になっている担当のWさんと試乗です。ありがとうございます。
今回は贅沢にも1.6GT、1.6GT-S Eyesightを一気に2台連続で試乗しました。
1.6GT-Sに至っては新車卸したてでまだ72kmしか走行していませんでした。
まずはベースグレードから乗ろうということで、
1.6GTへ搭乗。1.6GTはパーキングブレーキがハンドブレーキです。
スバル乾坤一擲の新エンジンFB16DITは大変静かで発進時も滑らかです。
Iモード(インテリジェントモード)でも自分のレガシィより滑らかに感じるほどスッと車が前へ出ます。
おそらくアクセル開度が少なくても変速比と燃料噴射量を調節してそういう乗り味に作られているのでしょう。
違和感がなくGoodです。
ステアリングもしっかりした手ごたえで気持ち良く自然に操縦できます。
着座位置は一番下にしてもBPレガシィに比べると少し高めになっています。
BPレガシィがかなり低くできるということであって問題はないと思います。
驚いたのは足回りの完成度。
柔らかいけれどしなやかで。
ロールもするけれど気になるほどではなく。
かなり理想的な動きをする車だという印象です。
1.6ターボエンジンというパッケージングにはこの足がベストマッチではないかと思います。
215/50R17のタイヤサイズは燃費のためかなと思ったけれど大違い。走りが犠牲になっていない。最適だったのです。
カヤバの足というとどうしても先に試乗したフォレスターXTやインプレッサXVハイブリッドの硬く、ややしなやかさに欠ける乗り味を思い出します。
車高が高い=重心が高いネガを打ち消すためにロールしないよう固めにセッティングされた2車種に比べて明らかに自然で上質な乗り心地です。
大変失礼なのですが率直に言ってこの試乗でカヤバのダンパーを見直しました。
またレヴォーグは遮音性も高く、エンジン自体の騒音が小さいこともありますが、遮音材をキッチリ奢ってあるとのことでした。
この辺も前述の2車種より質感が高いです。より値段の高い上級車種としてのポイントが抑えられています。
エンジンを流石にレブまでは回せませんが挨拶代りに回します。
中速域までは不満なくエンジンが回り、加速します。
アクセルオフ状態からアクセルをガバッと大きく開けたとき多少のターボラグがあります。
発進全開加速時だけは素の排気量が1600ccと小さいこと、そして重くなった車体を感じます。
しかし街乗りをするのには何の不満もない出来栄えです。
同じ「2.5L並の走り」を謳うXVハイブリッドよりも走りが文句なくキモチイイ。
やはりスバルはターボだなぁと思います。お家芸。
日本車で初めてまともな直噴ストイキのダウンサイジングターボを出したスバル。しかも驚きのレギュラー仕様。さらに圧縮比11.0.
ベースのFB16エンジンと共通なのはクランクシャフトのみで後は全部新設計と言うから恐れ入ります。
RON90のレギュラーガソリンエンジンでこれだけ出来たのですからRON95の欧州仕様にFB16DIT”ユーロ”も作ってあちらでも売ったら如何かなと思います。
CVT”リニアトロニック”の違和感は皆無でした。シフトダウンショックがない分ATより優れていると思います。
停止直前の低速減速時に僅かに何かメカニカルな音が聞こえますがノイズと言うほどのレベルでもありません。
コスト的にも4ATよりは高いが5ATよりは安いそうです。
さらに駆動力伝達効率もトータルで見れば5ATと同等とのことでネガがありません。
ただMTを熱望するスバリストから見れば不満は残るでしょう。
ただ、MTは新車が売れず中古で人気とのことでメーカーからすれば敬遠されるのは致し方なしでしょうね。
1.6LモデルはAWDシステムがアクティブトルクスプリット方式(駆動力 前輪:後輪=60:40)ということで
愛車のVTD-AWD(45:55)との違いにも注目していましたがさほど気になることはありませんでした。
前輪駆動力が強めなので高めのスピードで旋回を仕掛けると
若干FF的な前が引き摺る動きはするものの試乗の速度域ではほとんど気になりません。上手に仕上げられています。
1.6Lベースグレードにアイサイトをつけても277.6万円。
私の選ぶレヴォーグの対抗馬はゴルフ7ですが、コストパフォーマンスを考えれば十分以上に勝負になるのではないでしょうか。
次に1.6L GT-S Eyesightに搭乗します。
このモデルがベースグレードと違うのは
タイヤが18インチにアップされていること、
ビルシュタインダンパーを装備していること
バネレートが引き上げられていること
インパネにシルバーカーボンパネルを奢っていること
シートが青ステッチの入ったホールド性の高いものになっていること
ドア内貼りにも青ステッチの入った合皮を奢っていること
ペダルがアルミであること
パーキングブレーキがハンドブレーキから電子式ブレーキになること
などが上げられます。



ピカピカの新車なのでエンジンもさほど回さず丁寧にドライブします。
今回の試乗で生まれて初めてアイサイトを使ってみました。
このVer.3アイサイトは慣れるともう戻れなくなる・・・という程衝撃の出来栄えです。
まるで自動運転しているかのような追従クルーズコントロール。
今回からカメラがカラー化されたことで前の車がブレーキONすると即座に反応して減速します。これは凄いですよ。
確実にスバルの成功の要因の1つとなっているアイサイト。
「走りの良さ」という一般消費者には分かりにくいアイコンだけで勝負せずに
ハイブリッドカー旋風がひと段落した所に新たな価値観である「アイサイト」を投入したことが凄い。
安全性+快適性をたった10万円ほどで追加できる。これをつけない理由がありません。
(レヴォーグの99%はアイサイト付だそうです。当然ですね。)
営業さんはアイサイトの前の「ADA」が高くて売るのに困ったという話をしてくれました。
なんでもベースモデルより60万円程高かったそうです。アイサイトの10万円とは大違いですね。
アイサイトが出てきたときはこんなにすごいとは思ってなかったそうです(笑)
ところで1.6GT-Sの走りの話に戻ります。
うーん、うーん。これはどうやら噂に聞くスバルのアプライドAだぞ・・・。
足回りですが総じて「わざと角のあるセッティングになっている」と感じました。
決して嫌な感じはしないものの段差でコツンコツンと突き上げ感があります。愛車に比べても足が固く感じる。
高めの速度で旋回を仕掛けると「ギュン!」と曲がります。限界は間違いなく高い。
ある意味メリハリの効いた小気味の良い走りです。
しかしやっぱり18インチはオーバースペックかなと思います。タイヤの剛性感が勝ちすぎる気がします。
新車卸し立てで各部アタリがついておらず角が立っているということも考慮すべきだろうと思います。
この足でも相当な高速域になれば美味しさが出てくるとは思いますが、
如何せん1.6ターボでは絶対的なパワーが不足すると思います。
ワインディングでヒラリヒラリと機敏な動きを楽しみたければGT-Sの足の方が向いていそうです。
かなりしっかりとしたフィーリングの足回りになっています。
というわけでベストバランスは明らかに先ほどのカヤバだったことを感じます。
初期型だから作り分けを明確にしているのだと思います。
BP/BLレガシィも前期型ビル足は堅かったと伝え聞いております。
レヴォーグも後期型になればBP/BLレガシィの時のようにこなれてくるでしょう。
レヴォーグ1.6GTの2グレードを試乗してみて足回りを中心とした走りの良さを
愛車レガシィBP5Eターボと比べてみました。
まだ愛車が勝っています。硬さとしなやかさのバランスが優ります。
愛車は17インチ+ビルシュタインダンパーの組み合わせの良さと
熟成の後期E型ということを考えればレヴォーグの将来も楽しみです。
BRGレガシィツーリングワゴン(2.0DIT)も最後期型では相当の完成度になっていました。
1.6GT-Sも17インチで仕上げればもっと良い足になっていたかも。。
BRGレガシィを試乗したときは愛車負けたかも!?と思いましたが
レヴォーグ1.6GTシリーズはかなり良く出来てはいるもののそこまでの衝撃はありませんでした。
やはり比較すべきは2.0Lシリーズということでしょう。
今回の試乗の結果思ったのは
1.6Lシリーズでのレヴォーグの”買い”は1.6GT Eyesightです。
お値打ちな上に車両としての走りのバランスが良く完成度も高い。お勧めです。
低燃費で気持ちの良い走りを楽しむことが出来ます。
スバルの謳う”この国を、美しく走るカタチ。”はこのモデルが一番よく表現できているのだろうと思います。
レヴォーグのネガを上げるとするなれば
コストカットによる内装のチープさです。
例えばBPレガシィでは本革MOMOステが装備されていますが
レヴォーグでは合皮で非MOMO。握り心地や質感が明らかに劣ります。
その他の内装も5代目レガシィやフォレスターXTと同等レベルで
BP/BLレガシィに比べるとどうしてもチープになっています。
この辺りは2.0LGT-Sでも同じということです。
まあ立てつけが悪いとか異音が出るといったことはないので走りの本質には関係ないです。
レヴォーグが4代目レガシィBP/BLに優っているのは
後席レッグスペースの広さです。BPよりも明らかに余裕のある作りで大人4人がしっかり座れる作りになっています。

愛車とレヴォーグ1.6GTのツーショットです。
やっぱりBPが好き、ですが
ようやく正統な後継者が出てきた感もあります。
<レヴォーグ性能諸元>
ボディタイプ ワゴン(スポーツツアラー)
ドア数 5ドア
乗員定員 5名
型式 DBA-VM4
全長×全幅×全高 4690×1780×1485mm
ホイールベース 2650mm
トレッド前/後 1530/1540mm
室内長×室内幅×室内高 2005×1490×1205mm
車両重量 1530kg(1.6GTアイサイト)1550kg(1.6GT-S)
エンジン型式 FB16DIT
最高出力 170ps(125kW)/4800~5600rpm
最大トルク 25.5kg・m(250N・m)/1800~4800rpm
種類 水平対向4気筒DOHC16バルブターボ
総排気量 1599cc
内径×行程 78.8mm×82.0mm
圧縮比 11.0
過給機 ターボ
燃料供給装置 筒内直接燃料噴射装置
燃料タンク容量 60リットル
使用燃料 無鉛レギュラーガソリン
JC08モード燃費 17.4km/リットル(1.6GT-Sは16.0km/L)
ステアリング形式 パワーアシスト付きラック&ピニオン
サスペンション形式(前) ストラット式独立懸架
サスペンション形式(後) ダブルウィッシュボーン式独立懸架
ブレーキ形式(前後) ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ(1.6GT) 215/50R17
タイヤサイズ(1.6GT-S) 225/45R18
最小回転半径 5.4m
駆動方式 フルタイム4WD(アクティブトルクスプリットAWD 60:40-50:50)
トランスミッション CVT(無段変速車)
変速比 CVT 3.581-0.570
変速比 第1速 3.560
第2速 2.255
第3速 1.655
第4速 1.201
第5速 0.887
第6速 0.616
後退 3.667
最終減速比 3.900