
知らない間にXBOX ONEとForza5 Motorsportsを衝動買いして1ヶ月以上経っていました。みんカラで自分のブログを読んで下さっている皆さんにはあまり需要がないかもしれませんがカーシミュレーターとしてのグランツーリスモ6(以下GT6)とフォルツァ(以下FM5)を比較してみたいと思います。以下長文です。
・FM5の画像表現は極点に達した
GT6でも十分綺麗だなと思っていましたが、FM5の画像表現はそれを上回って来ました。解像度は同じ1080p(フルハイビジョン)でも光と影の表現が圧倒的で液晶テレビなのに「眩しい、サングラスが欲しい」ほどの光の表現がなされています。フロントスクリーンから差し込む光のプリズムまで再現されており物凄い表現力が提示されています。またGT6は型遅れのPS3ではマウントパノラマ(バサースト)コースなどでは単体走行ですらフレーム落ちしており限界がハッキリ見えていました。FM5では同じコースでも16台でもビクともしません。ハードスペックの進化を感じます。
・細かい点もリアル
車のスピードが上がれば真っ直ぐ走っていてもタイヤが路面の粗を拾ってステアリングを揺さぶります。そのためドライバーは無意識に修正舵を切っているものです。GT6では再現されていませんが、FM5ではしっかりと再現されています。意外とこれがFM5とGT6の差の全てかもしれません。(理由は後述します)
・挙動のリアルさが全然違う
GT6も十分リアルだと思ってやり込んで来ましたが、FM5はよりリアルになっています。フロントタイヤが浮いた、荷重が抜けた、リアがブレイクした、FFの強いトルクステアがある、などなど車の色んな状況が表現されています。
1つにはコントローラーのアクセルとブレーキが個別に振動機能を持っており細かいフィードバックを可能にしていることがあります。
FM5ではコース外走行にも厳しいペナルティが課されており、トラクションがかからないだけでなく強制的にスローダウンさせるなど現実でありえないようなショートカットが出来ないようになっています。また、縁石はGT6では車の向きを変えるのに使えましたが、FM5ではほとんど使えなくなっています。縁石を踏もうものならとっちらかってスローダウンを余儀なくされるからです。より現実世界に近い感覚です。
またスタビリティマネジメントやトラクションコントロールはより早く走るための制御をしてくれるのでONにした方が速く走れる場合も多いです。(GT6では入れると遅くなる)FM5アシストにはブレーキングやハンドルまでアシストしてくれるものがあり全部ONにするとちょっとやり過ぎな感もあります。ほとんど自動運転でゲームの意味がないというか・・・(笑)
FM5はブレーキングをしっかりしないと車がまるで言うことを聞いてくれないなど荷重移動を意識しないと全く早く走れません。実にやりがいのあるものになっています。
・GT6は車体が安定し過ぎている
本来車をぶっ飛ばして走るとかなり不安定になるものだ、ということをカーシミュレーターは麻痺させてしまうのが今までの通例でした。
FM5は速度を上げていけば車がどんどん不安定になりスタビリティがなくなっていくのが良く分かります。速度をあげると揚力によってボディが浮き上がっているというのが伝わってくるほどです。
上記のステアリングの描写に象徴されるかのごとく、FM5に比べるとGT6はタイヤがグリップし過ぎていてまるで車体の上から手で押さえつけて走らせているような感覚があります。
・エンジン音がリアル
GT6のエンジン音は全くリアル感がなくオモチャ丸出しの音でしたが、FM5はかなりリアルになっています。これが購入を決めた要素の1つでした。
回転フィールも各エンジンごとで異なって表現されており、自分は特にRUF CTR2(95)(ポルシェのチューニングカーです)のウソだろ!?というような生き物のような回転フィールに魅了されました。飛ばすと軽すぎて荷重が抜けて恐ろしいフロント。旋回ブレーキの強さとコーナー脱出時のトラクションの強さなどは存分にポルシェの世界観を仮想体験させてくれます。対して新しいポルシェ(2011年モデル)は全てが優等生的になっており諸先輩方の嘆きの意味がなんとなく分かったような気すらしました。

他にエンジン音で素敵だと思ったのは787B、LF-A、Audi R8(V10)、Ferrari。
AE86もなかなかリアル。
・エンジン音のサウンドジェネレーターには難もある
FM5のエンジン音サウンドジェネレーターは詰めが甘いというか
長時間プレイを続けるとプチプチという雑音を生じるようになります。これを解決するためにはXBOX ONEの電源を完全に切って再起動する以外にありません。起動に結構時間がかかるので面倒です。ちなみにこのバグはあらゆるエンジンを回すたびにプチプチ言うのでプレイ感は最悪です。最初はケーブル類が壊れたか接続に問題があるかと思いました。
また、特定の車種(Ford Fiesta)である回転域のエンジン音が聞こえなくなります。こっちはアクセルフルスロットルでエンジンを回してるのにフッと音が消えるのでプレイしていてすごくフラストレーションの溜まる感じです。
・Drivatarは面白い試みだと思う
このゲームではAIではなくて、プレイヤーの走り方を学習したDrivatarという仮想人工知能とレースをします。(ドライバター?ドライベイター?Driver+Avatarでドライバターが正しそう)やたらぶつけてくるAIや逆に衝突を嫌うDrivatarなど個性が出ていて面白いです。金太郎飴みたいに同じような挙動をする車ばかりだとつまらないですからね。たまにそりゃないよという挙動をしてくるDrivatarもいますが(笑)ちなみにDrivatarレベルは普段プレイする際はHIGHLY SKILLED(35%Bonus)を選択しています。
・プレイヤーインターフェイスが貧弱
一方でアメリカの洋ゲーらしくいかにもローカライズしましたよという感がありありのプレイヤーインターフェイスは使いにくく必要な情報を得るのに苦労します。フォントもダサいしもう少し何とかならなかったのかな。もう少しやる気が出るようなデザインにして欲しい部分も多々ありました。プレイヤーの評判的にも同じことが指摘されているようです。レースリザルトでベストラップすら出ません。GT6の方がプレイヤーインターフェイスは優れています。ただしこれはゲームの本質的部分ではありません。
・TOP GEAR好きにはお勧め
かの有名なイギリスのトップギアのプレゼンターの皮肉とユーモアの効いた名調子が各レースのイントロダクションとして聞けます。
・車種は少ない
1つ1つの車をForza Vistaという愛でるモードで微細に到るまで観察できる代わりに収録された車の数はGT6よりも少なくなっています。
基本的に車のチョイスはアメリカ視点ではありますが欧州車、日本車もバランス良く収録されています。LEGACYは1台も入っていませんでした。(SUBARUはインプレッサWRXのみ)
・オートチューニングは遅い車になる場合も
各クラスの上限まで自動でチューニングしてくれるモードがありますが、一概に速い車になるわけではありません。
ハイスキルプレイヤーのチューニングをダウンロードできるのでそれを適用すれば手間なく速い車になります。
スバルのインプレッサはCやBクラスでチューニングを極めると全部1.6L超過給ターボになってしまい哀しいですが。他にもシビックタイプRやフィエスタがFRになったりGT6と違い”換装”という概念があるのでチューニングは結構何でもありです。
・雑感
やり込んでいくとRWDはリアのトラクションが大事で、特に旋回終了時の過渡期に如何に早く加速体制に移れるかでかなりスピードに差が出てくることを痛感します。簡単にパワースライドするようなレベルの低い車では速く走ることができません。実によく表現されていて気持ち良いです。そう考えるとMRはやはりフロントが軽くて旋回ヨーモーメントが少ない上にリアのトラクションが稼げるのでやっぱり理想的な駆動方式だなと思います。MRベースのAWD(Audi R8など)も爽快に走れて癒されます。ゲーム中のクラス分けはD<C<B<A<S<R<P<XとなっていますがB当たりまでならアシストなしでRWDを振り回すのも面白いものです。リアはグリップさせたまま走った方がタイムは出ますが。
FM5をプレイしてしまったら残念ながらもうGT6には戻れません。というわけでPS3は妻専用のブルーレイプレイヤーとなりました(笑)
プレイヤータグはGuidingRacingでプレイしています。MSゴールドメンバーシップは課金していませんがFM5プレイしている方がいたらどうぞ宜しくお願い致します。