2012年02月11日
前回の記事のつづきというか、書きながら気がついたことを。
トヨタ86(FT86は正式名称じゃないんだっけか、ややこしいなぁ。)の多田哲也主査は、専用プラットフォームと水平対向エンジンを搭載することにより、低重心を実現することが出来たと言っています。
で、ここで疑問なんですが、水平対向エンジンって本当に低重心なんでしょうか?
たしかにシリンダーが横向いて平べったい形状をしているため、直列エンジン等に比べれば「搭載位置」は低くできます。
でも。それって本当に低重心?
10年近く前、FC3Sに乗っている友人と話をしているとき、REに関してあまり知らない僕は、
「ロータリーってコンパクトだから軽いでしょ?」
と聞きました。雑誌にもよく書かれるとおり、もちろんそう思ってたので。
でも友人は言いました。
「たしかにコンパクトだけど、エンジンに身が詰まっているせいで実際は結構重くて重心が高いんだよ。」
その当時はただ、へぇーと聞き流してたんですが、どうもそれが頭に残ってまして。
で、今回は水平対向エンジンなんですが、水平対向故、直列よりはたしかに背が低い。通常の直4のヘッド位置にインマニがあるわけで。
左右に各気筒を伸ばすため、ブロック自体が大きい、ヘッドが2つある=重量があるわけですよね?
水平対向エンジンという構造上、エキマニはオイルパンを避けるようにブロックの下を通るため、ブロックをギリギリまで下げることはできない。逆に、このエンジンでドライサンプ化できたとしても、エキマニが邪魔をするのでやっぱりそれ以上下げることができないわけです。
FA20の寸法やら何やらデータ見えないので、なんとも言えないっちゃ言えないんですが、このエンジンはつい最近出来上がったFB20にD4Sくっつけたわけでしょ?
FB20の開発者の話を見てると、NA水平対向のために、ボアやストロークのサイズ、ぎりぎりまでこだわって削ったオイルパンとか、ヘッドの小型化とか。色々苦労というか研究したのが目に見えますよね。
だけどこのFA20ってそこから何かをこだわって造り上げたようには見えないんだよなぁ。
せっかくFB20でボアを小さくして、ロングストローク化したのに、それをまたボア広げて、ショートストローク化してる。FB20でせっかく厚くなったトルクは薄くなってしまうのになぜそうしたの?
<追記>
どうもフライホイールが10kg以上あるのはこれに関係するのかな、と。
FB→FAに変更する過程で、ショートストローク化された。そのためフライホイールを重くしてトルクは薄くなったのを補おうとした(=軽量フライホイールよりコストダウンできる)。だからFA20のトルク曲線が変なうねりを描いてる?とは考えられませんか?
このトルク曲線のトルクの谷にみえる4000は、実は谷じゃなくて、それより下が4000のときのトルクより小さい数値、つまりは0から4000を頂点として右肩上がりの線を描いていたんじゃないかと。
つーことはつまり低速トルクスッカスカで、
「すみません、下手なタイヤ履くと加速しないからウンコグリップタイヤ履くしかないっす」
てことの証明になっちゃうような。
FBはロングストローク化してトルク稼ごうとしたし、旧型になるEJは同じ水平対向エンジンで軽量フラホついてるスペCなんかはハイプレッシャーターボなどのおかげで鬼のようにトルク出るから全く問題ないわけで。
だからこのエンジンは最大トルク発生点と最大出力発生点の一番美味しいであろう回転域が極端に狭いのかな。
これって、要するに、FB20に直噴ヘッド×2をつけると、幅が広がりすぎて、86の車体が1800mmを超す。それだと日本じゃ売れなくなりそうだから、とスバルにボアとストロークを変更させてしまった妥協の産物なんじゃないの?
いやだから、純スバル車とか水平対向6発のポルシェとかには別な話ですよ?
それらにはアイデンティティがあるわけだから。
今回はあくまで86という車に対してです。
で、そこで出てくるのが上記のFCの話なんですね。
水平対向はREではないけれど、やはりエンジンサイズは大きい。
パッと見だとたしかに低くなってる。でも。実は身が詰まってるから結構重心高かったりするんじゃないの?
そうするとね。こんな車が作れてたんじゃない?という気がするんですよ。
・直4エンジンをドライサンプ化してフロントミッドに搭載、オイルパン分150mm位は下げ、低重心化が図れる。
・搭載位置に関しても専用プラットフォームで専用に車体を作るわけだから問題ない。
・水平対向ではなく直4のためジャイロ効果は発生しない。
・基本的には直4だから部品点数は少ないし軽量だから車重も軽くなる。
・直4だからユーザー、トヨタのディーラーとしてもメンテはし易い。
・直4化により車幅、全長を抑えることができ、ボディサイズを90%化する。→
車幅を1775から1700ギリまで小さくできる。
・パワーユニット関係のコストが抑えられるはずなので設計から製造にかかるコストが下がり、上級グレードにはヤマハチューン仕様(タイプRスペックの様な)を設定する。
・予算が余った分、ブレンボ(まぁスミンボですが。)やバケットシートを用意したり、050やA046クラスのタイヤが履ける。
etc。
すげー楽しい車になると思うし、こんだけやってもコミコミ300万でいけると思うんだけどなぁ。誰が見てもなんか魅力的な車じゃない?www
今までトヨタのスポーツエンジンは全てヤマハが手を入れてきたわけですし。
正直ちょっと欲しいよ、これw
でもなんでこれが出来なかったのか。
答えは簡単。
・トヨタは条件だけを提示し開発全てをスバルにさせるため、ヤマハエンジンを使うわけにはいかなかった。
→なぜか。この車の販売がコケた時に、スバルの責任にできる。逆にスバルに外注するという形を取ることでこの時代にこの車を作ることが許可された?
・スバルとの共同開発、水平対向エンジンを搭載する形を取ることでスバルファンという固定客層を取り込みたいという打算も働いた。
→これは86を見にきた家族に別なトヨタ車を買ってもらう(財布が奥さんだろうから)。もしくはこの86BRZの次にトヨタ車を買ってもらうための架け橋という意味で。
・実際86は客寄せパンダ。だからこの車自体は採算が取れなくて当然と思っている?。ただし、被害を最小限にするため、社外品の追加部品を嫌った。もし、予想より売れてしまった場合は追加上級グレードでそこらへん出せばいいと思っている?
→BRZと86のオプションの差からもはっきりしてる。
多田哲也主査の言葉。
・たくさんの人にチューニングしてもらいたい。
→純正だとコストかかるから自分で勝手につけて欲しい。
・この車はどんなタイヤを履いても楽しめますよ。
→ハイグリップタイヤ履く奴は車高調買うだろう。
うーん・・・。
Posted at 2012/02/11 18:28:15 | |
トラックバック(0) |
車関係 | 日記