一昨日の続き、ハイプレッシャーラジエターキャップの備忘録
まずは暖機時間の短縮について
圧力鍋+時短+仕組みでググると下記のURLにこんなことが記載されてました。
https://athleterecipe.com/column/20/articles/202104190000501
沸点が100℃から5℃上がるだけで調理時間はなんと半分に、さらに110℃まで上がると、1/4の時間まで短縮されます。最高温度の120℃度まで到達すると、通常の速度の16倍で調理できる計算になっています。
アウディS1はBRZと比べて水温の上昇が非常に速い。センサーの位置の違いかもしれないが、90℃の適温に到達するのは1/3以下の時間である。だから圧力鍋なのである。しかし冷却水の加圧だから意味合いは圧力鍋とは違うが、弄りの方向性はまんざらでもない。そこでハイプレッシャーラジエターキャップの交換を考えた訳である。
短時間で暖機運転が完了すればLLCは早く軟化、水温の上昇に伴いエンジンオイルも早く軟化しフリクションロスが軽減できる。結果、今冬の通勤燃費悪化を改善できないのか。自分の場合は通勤距離11km、BRZは勤務先に現着で水温80〜90℃、S1は出発2kmで90℃、この違いがS1とBRZの燃費差じゃないのかなと。交換後の感触は脈あり程度、まだ検証中だが暖機後の燃費も良くなっているように感じる。
暖機後のその良化の感覚は減速時のフィール、エンジンブレーキが弱くなったと言うか、滑空距離が延びてる感じで燃費計の数値は5%未満、数値的には11.8km/L→12.3km/Lぐらい運転時の気温条件の性なのかも知れない。
暖機後はハイプレッシャーキャップによりLLCの圧力増加に伴い、密度増加によって動粘度も上昇すると思う。よって純正のラジエターキャップ装着時よりフリクションロスは増加し、燃費は微妙に悪化すると思うのだが・・・。ちょっと疑問。
そこで流体+配管内+圧力でググると
https://www.ryutai.co.jp/shiryou/q-p-kankei/q-p-kankei-ver3.htm
流量と圧力の関係 (液体の場合)
配管内を流れる流体の流量と流速の関係はQ=C×A×Vで表せます。
流量Qは(P÷ρ)^0.5 に比例します、つまり圧力Pの平方根に比例し、密度ρの平方根に反比例します。
例)内径150mmの水平配管に、100m3/h の流量で水が流れていて、その時の配管内の圧力が 100kPa(G)とし、配管下流にバルブが設置されていてバルブの2次側が大気開放されているとします。配管内の圧力が 200kPa(G) に上昇した場合の流量はいくらになるか?
配管下流側の負荷(抵抗)は変わらないとすると、圧力Pは配管内の圧力の変化として考えることができるので、上昇した圧力 200kPa(G) と元の圧力 100kPa(G) の比として考えることができます。
つまり、200÷100 = 2 圧力Pが2倍になったことになります。
流量Qは圧力Pの平方根に比例するので、√2 = 1.4142 になり、流量は 1.4142 倍になります。
・・・ってことは1.3(127kpa)/1.1(108Kpa)=圧力は1.182倍、流量は√1.182倍=1.087倍、配管内の構造(有効径)は変わらないので流速も1.087倍になる。
よって熱を吸着したLLCはラジエターへ早く到達し冷却効率は増加。
たぶん、ウォーターポンプは戻り側の流速にアシストされるのでフリクションロスが軽減され燃費改善するんではないでしょうか。
何となく、減速時のフィールからまんざらな感じである。
でも、密度と粘度はどうなのか、前に書いてあるが密度ρの平方根に反比例、じゃあ粘度は?。
爺の知識では流体で粘度の高い方が層流で流れやすく、粘度の低い方は乱流が起きやすい。
層流は配管壁に近づくほど流速は小さくなり、管の中心で最も流速が大きくなる。つまり管壁より効率よく吸熱し、管中心の流速によって排熱できる。
乱流は熱や物質を輸送して拡散する効果が非常に強い。これば一昨年プレオとBRZのLCC希釈で勉強した。冷却だけを考えるとエチレングリコール50%より純水の方が良い、しかし吸熱を考えるとエチレングリコール50%の方が断然性能が良い。また乱流はキャビテーションが発生しやすかったような・・・。
そんじゃLLCはどっちが良いのか記述は無かった。
でもプレオでは長距離燃費が飛躍、BRZは変わらなかった。排気量、熱量、冷却水容量のバランスによってはLLCの希釈は意味が無く、粘度が軽いだけじゃ燃費は向上しないと軽い粘度のオイルを試して粘度以外にも関係あると悟ったのである。
風呂場で例えると
水を貼った湯舟へ手を突っ込んでグルグル廻すと水流が発生する。これが層流。
水を払った湯舟の空気を手でグルグル廻しても水の様にならず、空気を撹拌しているだけ、これ乱流のイメージ。
動粘度=粘度指数×密度だから水より空気の方が小さい。
水だと攪拌する手の動きを弱めても流れにアシストされる。
空気は腕が疲れるだけで、風すら感じられない。
川に身を投じれば浮力により体は浮き、呼吸だけしていれば流れに任せ下流へ進む。空気中では所詮、追い風参考記録で前進力に力を使わないと進めない。
爺はハイプレッシャーラジエターキャップは普段使いでも燃費向上に貢献し、今風に言うとSGDsに貢献できるのではないか。正か否か、今後もBRZで要観察。
水漏れリスクは気になるが、爺は1.1から1.3へ圧を上げてもTRDやSTIも商品を扱っている通りで問題ないと思う。工業製品で安全率1で設計されている訳がない。最低でも1.5以上だ。1.3/1.1=1.18だから漏水は心配ないと考える。
仮に漏れた場合は漏水した箇所が経年劣化しているだけ、特にゴム製品は初期より急に脈動が起こっただけ、裂けることがあるから古い車は要注意だが、BRZは7年目と微妙だが今の処は大丈夫。
ハイプレッシャーラジエターキャップ
効能
・沸点の上昇によるオーバーヒート防止。
・キャビテーションを抑える。
・暖機時間の短縮によりフリクションロス軽減。
・圧力上昇分の平方根と比例して流速、流量が上がる。排熱性の向上とウォーターポンプのフリクション軽減。
リスク
・経年劣化した箇所より漏水する。
・リザーブタンクが空の場合、オーバーフローした冷却水が大気開放で即沸騰する。純正でも噴くけどね。だからリザーブタンクの冷却水量の管理も重要なのね。
ラジエターキャップ破損のリスク
・ラジエターキャップ閉固着によるエンジンブロー(20℃上昇で内圧は10Mpa以上の上昇)
・ラジエターキャップ開固着によるオーバーヒート(標高の高い場所で大気開放は超危険)
WEBを徘徊してもハイプレッシャーラジエターキャップはサーキット、競技専用、普段使いは不要、みたいな記載ばっかだが、爺は常用してみようと思う。
アウディS1に乗らなかったら、冷却水の加圧なんか気が付かなかった。でも欧州車のトラブルで漏水が多いのも確か、加圧方式って1.5kぐらいなのかな。だから1.3なら大丈夫じゃね。次はS208を換えましょ。
Posted at 2023/01/25 12:34:16 | |
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