
昨年発売されたトヨタ86/スバルBRZ
ほぼ時を同じくしてNCに乗り換えましたが,2リッターFRのスポーツカーと言うことで,巷でもよく比較されるクルマです。
宗教上の理由でトヨタ車には乗れないので,万が一にもトヨタ86を所有することはありませんし,クルマ作りの姿勢に共感を覚えるスバルのクルマは好きですが,こちらも諸般の事情で所有することはないと思います。
一人のクルマ好きとして,「トヨタ86/スバルBRZ」がどう言うクルマなのか興味が無かった訳ではなかったのは偽らざるところです。
以前,トヨタからアルテッツアが出た時にも同様に気になっていたのですが,トヨタのディーラーに買いもしないクルマを試乗しに行くのを躊躇していましたが,東京勤務時代に池袋のアムラックスで有料のレンタカーを借りて乗ってみたことがあります。
広島ではそういった気軽に試乗出来る施設もなく,最初はトヨタディーラーに行こうかと思っていたのですが,どこぞのボンクラなマツダディーラーとは違って熱心なトヨタの営業マンに追っかけ回されるのも嫌なので,何度かお邪魔したことのある広島スバルに行って来ました。
実は,2012年の1月に広島スバル本社に数日展示されたいた「スバルBRZ」を見に行きました。
https://minkara.carview.co.jp/userid/236785/blog/25075513/
この時展示されていたのは,カタログ撮影用に用意されたシルバーの試作車?だったのですが・・・。
今回の試乗車はWRブルーも鮮やかな,トップグレード「S」の6速マニュアル車でした。
以前,10年くらい前にレガシィB4を試乗させてもらった時は,営業マンは同情せず15分くらい好きなコースを走って来てくださいと言うものでしたが,今回はコースを案内すると言う名目で同乗・・・。
まぁ,無茶する人もいたようなので仕方ないですかね。
ちなみに,試乗したBRZのオドメーターを見ると,昨年3月登録にもかかわらず,既に走行9,000キロ走っていましたが,試乗だけでこれだけの距離を走っているクルマはあまり見たことが有りませんが,燃費計を見るとリッターあたり8キロ台後半と,街中の試乗ばかりで使用している割には高燃費なのは驚きました。
さて,今回の試乗ではロードスター乗りである自分の感覚や先入観をすべてリセットして運転させてもらいましたが,結論を一言でまとめると・・・。
「普通にイイ」
本当に一言ですが,そんな感じです。
アルテッツアの時は,コンパクトなスポーツセダンと言う期待が膨らんでいたので,心底ガッカリした記憶が有りますが,そんなことが有ったので今回は過大な期待もせずに乗ったのが良かったのでしょうか?思っていたよりも良いクルマに仕上がっています。
デイーラーの指定コースを10分くらい走ったくらいでは判らない部分も多いと思いますが,見通しの良い川沿いの路面を走った時の感覚では,想像以上にパワフルでスムースに回るエンジンと,街中でもそれほど固くないしなやかな足回りのセッティングも好印象でした。
この辺りは,今までのスバル車とは違うし,トヨタ車でもなかった感覚のように感じます。
細かいことを言えば,低速時のトルクがやや細く感じるとか,クラッチが軽すぎるとか,NBで不評だったアイシン製ミッションのシフトのフィーリングがイマイチとか,ブレーキがオーバーサーボだとか言う面はありますが,これらはスポーツカーとして熟成が進み,改良が進められると期待される部分なので今後に期待ですかね。
走りなどに関しては,もう少しじっくり乗る機会が無ければ判らない面が多分にありますが,パッと乗った感じは全体的に印象が良かったので,普段はセダンやミニバンにしか乗っていない人が乗ると感動すら覚えるのではないかと思います。
ただ,歴代マツダ車を見てきた僕にとっては,外観スタイルの造形や面処理のツメが甘いと言うか,もう少し色気と言うか,艶めきが足りないような気がいます。
また,趣味の悪いインパネデザインは質感も含めてイマイチだし,メーターパネルの文字盤の字体ひとつ取っても,そこらへんの車種のものを流用したような味気のないデザインで,決して安くない価格のクルマなのだから,そのあたりももう少し工夫をして欲しいものだと感じました。
BRZは,いくつか気になる点はあるものの,全体の剛性感等も含めて魅力的なスポーツカーに仕上がっており,今まで持っていたイメージが大きく変わりましたが,反面で試乗後もなにか物足りない感覚が有りました。
それはいったい何だろう?と一晩考えましたが,僕にとって「もう一度ステアリングを握りたい」と思える要素が無かったからかもしれません。
ロードスターって,ギアを1速に入れてクラッチを繋ぎ,乗って20~30メートルも走れば笑顔が出てくるぐらいの感覚で,例えば試乗の時のように,ディーラーの敷地から道路に出て,アクセルを踏み込んで加速していくシーン等でも十分に楽しいのです。
言葉では言い表しにくいですが,何故かこう言った日常的な部分での魅力が無いように感じます。
スポーツカーの生産をやめてしまったメーカーが企画し,FRスポーツカーを作ったことのないメーカーが開発を担当した,完成して1年そこそこのクルマと,3代に渡って造り続けられ,20数年もの間(細々と)熟成されてきたクルマの違いなのではないかと思います。
ディーラーからの帰り,自分のロードスター(試乗車と同じ走行約9000キロ)に乗り換えると,やたら古臭いクルマだねぇと思わずにはいられませんが,たとえ絶対的な性能は劣っていても,基本設計が古くて洗練されていないくても,やっぱり自分にはこっちが合ってるなと思います。
Posted at 2013/04/20 15:34:34 | |
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