先日、日産スカイラインの次期モデル開発中止の方針の件でブログ書きましたが、まさか、このクルマもそうした運命になろうとは、思ってもみませんでした。
昨日、ネットニュースを見てたら、ホンダのフラッグシップセダン・レジェンドと、クラリティ、そして、ミニバンブームを築いた看板車種のオデッセイの生産を今年を以て終了との報道がありました。
ホンダが、今後の電動化などの新技術の生産対応として、狭山工場の閉鎖を行うこととなり、そこで生産されてきた車種の廃盤に踏み切るとのこと。
オデッセイは、これにより1994年の初代モデル登場から28年の歴史に幕を閉じる公算が強まりました。
1994年。当時、ホンダは平成不況のあおりで国内販売が低下し、ホンダの象徴とも言えるF-1グランプリからの撤退を発表したりと、経営的に厳しい状況でした。
そんな中、当時の三菱のパジェロ、トヨタのランクルなどに代表される「RVブーム」に出遅れた格好にあったホンダは、1台のクルマを世に送り出しました。
それがオデッセイ。
当時のアコードのシャシーコンポーネントをベースに、6~7人の家族が乗れて、荷物もしっかり積める広さを持ちながら、シンプルながらもスタイリッシュなホンダらしい垢抜けたデザインに、セダンのハンドリングと快適性、扱いやすさを併せ持ち、尚且つ、お買い得な価格。
そうしたクルマ作りが、当時の子育てまっただ中のファミリー層の厚い支持を受けて、発売するやいなや大ヒットとなり、ホンダの経営の危機を救ったばかりか、CRーVやステップワゴンに連なる「クリエイティブ・ムーバー」戦略の中核として、’90年代後半~’00年代半ばにかけて人気を博し、初代モデルは1994年度のRJCカー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、名実ともにミニバンの定番、トップランカーに君臨しました。
当時、某自動車雑誌のインタビューで、オデッセイの開発責任者が言ってた言葉。
「ホンダはこれまでRVとかミニバンがなかったけど、逆に"ミニバンがなくて良かったね”って開き直れた所から、オデッセイの開発がスタートした。幸い、アコードという出来の良いセダンのプラットフォームがあって、エンジンもそこそこ排気量のあるものもある・・・・一見すると妥協の産物かもしれないが、そうした資源を組み合わせたことで、すべての偶然が良い方向に向かいだした。そうしたクルマをユーザーが求めている時代性も味方した。そうして、オデッセイが完成した。」
その後、V6エンジン搭載の上位機種プレステージなどの加入でラインナップを強化して、時に新車登録販売台数でトヨタ・カローラを上回ることがあるほど人気があったのですが、3代目以降は、ミニバンの主流が、トヨタのアルファードなどに代表される高級感のあるスライドドアの大型ミニバンに移行し、ステーションワゴン型のミニバンの人気が低迷し、その多くが廃盤となりました。
オデッセイもその時代の波に抗えなかった格好となり、現行型で遂に、エリシオンと統合され、背の高いボディのミニバンに変わりましたが、全盛期の人気を取り戻せず、遂に現行モデル限りで廃盤の見通しとなったようです。
もう一つは、ホンダの今の売れ線が、N-BOXシリーズやフィット、ヴェゼルなど、コンパクトで比較的買いやすい車種に変わり、大排気量の車種が売れなくなったのが大きいと思われます。
私の親類とか、知人もオデッセイに乗ってた人、あるいは今現在乗ってる人がいて、このクルマを観たときに、みんな凄く楽しそうで、幸せファミリーを絵に描いたような雰囲気にしっくり来る様に、憧れたモノです。
リアルタイムにオデッセイの栄光を知る身としては、一つの時代の終わりとは言えども、何か寂しい思いを抱きました。
しかし、オデッセイがミニバンをスタンダードなものにした功績、ミニバンに市民権を与えた功績は計り知れず、ファミリーカーの主流にまで押し上げたことは事実です。
今は、それこそSUVブームですが、気軽に乗れて、人も荷物もしっかり乗れて、走りも良くて使いやすい、スタイリッシュなオデッセイのようなミニバンが再び出てくることを信じて、イチクルマ好きとして待ちたいと思います。
Posted at 2021/06/16 23:50:49 | |
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