
「観る将」シリーズ、直近の話題は渡辺明九段の「紫綬褒章」受賞でしょうか。日本の伝統的な文化である将棋棋士の褒賞受賞は多く、渡辺九段は16人目となりますが、40歳での受賞は過去最年少とのことです。ご本人は「最近は結果を出せていないが、将棋ブームの中でその波に乗せて戴いた」と控えめな口調ですが、「諸先輩と同じ年齢までトップ棋士として留まって居たい」と抱負を述べています。
数々の記録を最年少で塗り替えていく藤井聡太さんの活躍で、1000年を超える将棋の世界に今大きな変革のうねりが来ているのは事実で、その藤井さんの記録を更に塗り替えるような次世代も育って来ており、トップ棋士の座を長年維持するのは益々容易ならざる事となって来ているのではないかと思います。
「ヒカルの碁」にも描かれていたように、上達するには上手い人と沢山打つのが一番です。トップ棋士はその頂点で研ぎ澄まされた一手一手を差し交すことが出来ます。唯現在は、色々な人と打つ機会の少ない地方の若い人も、ネットで指したり、AIで研究をすることが出来るので、だいぶそのハンデ(handicap/disadvantage)は縮まっています。
また、将棋連盟100週年を記念する将棋会館の建て替えにクラウドファンディングが貢献したりと、色々な社会環境の変化が将棋の世界にも変化をもたらしています。
妊娠中の福間女流五冠がその関係で多くの不戦敗を喫しました。正座が基本の対局を椅子席にしたりと多少の配慮はありましたが(囲碁は国際化が先に進んだので椅子での対局も珍しくなく実際日本棋院の一般対局室は椅子とテーブルです)、休憩時間の長さとか、棋戦の組み方などまだまだ考慮の余地はあると思います。ハードなプロスポーツは年間の中でオフシーズンを設けています、一方将棋は上位ランク者ほど4月から3月まで1年間スケジュールが目一杯詰まって居て、そしてそれが毎年繰り返される訳ですから、もう少しなんとかならないのですかね~。
福間五冠のライバル、西山朋佳女流三冠は本日プロ編入試験の第三局を指しています。(※)こちらの結果も気になりますが、余り内容が分散するのもなにですから、先に本記事アップします。
西山さんは先日藤井聡太七冠と対局し残念ながら破れましたが、もし公式戦で女流やアマがタイトル保持者に勝ったら、その時点で「プロ(四段)編入」でいいんじゃないでしょうか。その方が負けたタイトルホルダーにしても気が楽かと・・・
タイトル画には、渡辺明九段の奥さまで漫画家の伊奈めぐみさんの「将棋の渡辺くん」の秋らしい表紙をお借りします。本日は全国的に雨ですが紅葉が見頃の処もあるようです。
※失礼しました、編入試験第三局は11月8日でした。本日はJT杯準決勝で、広瀬九段が藤井七冠を破り決勝進出しました。「永世八段」を自分で標榜していた広瀬さん、九段に昇段してから憑き物が落ちたように好調ですね。
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2024/11/02 13:29:44