
【前半より続く】
トップ画像は奥能登ベースキャンプに沢山あった、宮城建設工業さん寄贈のストーブです。暖かくて助かりました。宮城建設工業さん、有り難うございました。
宿泊用テントは私が立っても背が届かないので、室内の高さは2mくらいあると思います。SNSだと室内が高過ぎると言う人もいますが、立って着替えることができるのは、かなり楽です。全国競輪施行者協議会(全輪協)が寄贈された青い折り畳みマットの上に、持参したシュラフ(mont-bell burrow bag ♯1のロングモデル)を敷き、足元にタオルで包んだホッカイロを突っ込みます。下着の上はハイネックのヒートテックとCW-Xタイツのみで問題なく、全く寒くありませんでした。

ただしっ!体育館の床は物音が響くので、誰かが歩いてると寝ててもすぐ分かります。ちなみに体育館のステージの上にもテントが4つくらいあり、そこで他の人たちを見下ろしながら寝てみたかったですね。
そして、ショッカーといえば怪人です。深夜になると「怪人イビキ男」が現れるのです。そのイビキが音に加えて、床を伝わる微弱な振動で、周囲のテントを襲うのです。「怪人イビキ男」は2,3人現れましたが、いずれも平和なテント村の中央付近に出現したので、幸いなことに私のテントからは遠く、耳栓して比較的よく眠ることができました。

珠洲市のボランティア組は7時台に出発するため、朝は5時半過ぎから目覚め始めます。このようなスケジュールの違いを配慮して、珠洲市・能登町・穴水町のテントは体育館の中でそれぞれ少し離れて配置されます。朝は談話室で持参したカップうどん・カレーもどき・コーヒーとプロテインバーを食べてましたが、お湯が使えるのは本当に助かります。じゃりん子チエ的には、暖かい食べ物はウルトラ重要ですからね。

同じ作業に入った人は「怪人イビキ男」の餌食にやられてしまい「あんなスゴいイビキは人生で初めて」とか「イビキが止んだと思ったら、今度は寝言が始まるのでキツかった」など、テントの場所によっては天国と地獄かもしれません。SNSだと「奥能登BCに連泊できるようにしろ」とか言う人がいますが、テント間の距離も近く、二日続けて「イビキ三連星」とかに囲まれてアタックされると体調を崩しそうですし、「眠れなかったんで帰らせて下さい」とか言えず、作業中の事故の原因にもなるので、暫くは1泊2日で良いような気もします。そう考えると、避難所として体育館で生活し続ける被災者は、本当に大変なんだと思いました。
2日目は午前限定の作業となり、大きなお宅にお邪魔しました。室内の玄関ホールには立派な彫刻が立っており、動かしたら地下階段でも現れるのではないかと思うくらいの豪邸で、時代劇とかに出てきそうな感じです。こちらでは家具の室内移動や畳の搬出をしましたが、濡れた畳はメチャクチャ重く、何とか1人で運べるかどうか。しかも帰りのバス内で、配布されたペットボトルの蓋を開けるのに手間取るくらい、握力が弱まったのを自覚するほどです。地震だけでなく、やはり水害というのはカビの原因になるなど本当に恐ろしいです。ちなみに2月に覚えたはずの南京結びは、忘れてしまいました、反省。

作業後はバス内で昼食を摂り、BCを経由して金沢駅に帰ります。初日夕食の弁当ゴミはBC内で回収してくれるのですが、二日目昼食の弁当ゴミは持ち帰る必要があります。恐らくゴミの回収はBCでも余力はあるのでしょうが、それを認めるとボランティアが雑誌やタバコの空き箱を捨てたり、色々と面倒なんだろうと思いました。と金沢は東京・名古屋・大阪から直通列車で3時間以内に来れるためか、サラリーマンが多い気がします。北陸新幹線のトレインデスクは平日でもほぼ満席で、ホテルも結構埋まってるんですね。
BCから輪島市へは交通アクセスが悪く、現在も金沢市からの日帰りボランティアに限られてます。能登半島の北岸寄りにBC増設が望ましいものの、運営スタッフの派遣も大変でしょう。校舎は建物が頑強であるものの、普通の学校は4月から始まりますから使えません。その点で生徒が集団で移動した日本航空学園の向洋校舎は最適だったのだと思います。ショッカーじゃないよ、日本航空学園の向洋校舎だよ。
今回の気づきをいくつか…
①自助•共助•公助のうち、共助とは被災者宅へのボランティア活動がメイン。
②同様に、公助とは警察のパトロールやライフラインの復旧がメイン。
③下水道の代用確保は重要。上水道の代用は数日分の備蓄水で凌げば、その後はペットボトル水の配給を期待できるが、下水道はそう簡単ではない。
④食べ物は重要。美味しくなかったり冷たかったりすると、長期戦ではキツイ。電子レンジや電気ポットがあれば、コンビニで売ってるレンジでチンするハンバークや豚の角煮などのほか、白米も有望。
⑤補食にはプロテインバーは腹持ちも良く、少し甘めなのでインスタントコーヒー飲みながら食べれる。味や食感も種類が豊富でオススメ。
⑥各市町村によってボランティア運営に慣れ・不慣れがあり、こちらから随時提案することも必要かも。
⑦屋根の損傷は室内の水害の原因になるため、ブルーシート等で即補修した方が良い。ただし安いブルーシートは2ヶ月くらいで裂けたり、そもそも耐水性でなかったりするので注意。日本製の耐水ブルーシート(※黒いシートが多いらしい)は高いけど、1年近くもつとのこと。
⑧一部のボランティアによる非常識な行動が注目されがちですが、行政の運営のもとで参加している人たちは常識的でマトモだと思います。日本人って結構スゴいと感じました。
金沢駅で生ビール飲んで、東京に帰るぞー。
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2024/03/14 19:15:20