
仕事の合間に無理やり大阪万博に行ってきた。トップ画像はイタリア館にあるファルネーゼのアトラス像(のケツ)である。別アングルだと、地元の銭湯で水をかぶってるジジイに見えなくもない。

メディアが万博を散々ディスってたが、かなり来場者が多くて驚いた。各国のパビリオンばかり(ハンガリー、セルビア、カンボジア、チリ、ポーランド、イタリアなど)行ってしまった。展示物のクオリティは各国によって差があり、むしろ国内の新技術系パビリオンにも行くべきだったと後悔。
その中でもイタリア館は良かった。「俺たちゃ、ルネサンスを創ったし、今もイカしてるだろ?スゴいっしょ?」みたいな感じ。なぜかフェラーリのキャリパーに触ることもできる。

私のような純国産の人間にとって、欧州各国の違いはイマイチ分かりにくい。何となく、どこの国も似たような印象を持ってしまう。欧州はローマ帝国やキリスト教の影響が大きく、戦争で国境が頻繁に変わった歴史もあり、仕方ないのかもしれないが、その国の特有さというかIdentityのようなものが、パビリオンを通じて認識できる。これは結構な衝撃だった。辛辣かもしれないが、率直に感想を。
植民地時代が長い国や、資源が豊富で輸入すれば物に困らない国などは、Identityがハッキリしないことごある。前者は何を自国の文化としてアピールすればよいのか迷っている感じで、後者はパビリオンが豪華だったり派手なCG動画を大画面で流したりなど「小手先のコンテンツ」に頼る感じだった。
東アジアは欧米から距離があったためか、旧宗主国の影響は欧州近隣の植民地より弱い印象があり、なかでもカンボジア館はアンコールワットを推しまくりで「どうだスゲェだろ!」感を出せていた。
その反面、トルクメニスタン館では北朝鮮とラブホを足して3で割ったような「陽気な不快感」を味わう。ちなみに前大統領は仔犬を片手で持ち上げてプーチンをドン引きさせた人で、現大統領はその息子。トルクメニスタン館は入口に大統領の写真を掲げており、なんだかなーである。

だから、ドイツ•フランス•エジプト•イギリス•タイ•オーストリアのような「うちの国の歴史を教えたるわ!」的なパビリオンをメインに回った方が良かったと反省。ガンダムはさておき、最近ノリノリのアメリカどころではない。
多分、日本人は自らのIdentityに無意識に自信があるんじゃないかな。自分はフロフキ大根が好きなんだけどね、イギリス国王•ローマ法王•アメリカ大統領の3人から同時に「フロフキ大根ってマズイ、食えねぇ」って言われても動じない。むしろ「そりゃあ、アナタたちの味覚にはチョッと難しいかもねー」って思う。
ところが世界には「この3人から何か言われたらどうしょう…」って、少しビクビクしてる国が少なくなからず存在し、そんな人々は自国の歴史や文化に対する自信が十分ではない。万博でそんな雰囲気をゾクゾクっと実感できた。「万博の存在意義ってあるの?」なんて思ったりもしたが、実際に行ってみないと分からないことがあると痛感。そして、もう少し真面目に予習しながら、各パビリオンをまわるべきだったと反省。
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2025/04/30 22:51:59