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イイね!
2018年02月19日

カーボンシールor金属シール?

カーボンシールor金属シール? 昨日は久しぶりに青コスモのエンジンをかけました、正月以来なので一ヶ月以上エンジンをかけていませんでした。

私の住んでいる所は気温がとても低く、特にこの時期は厳寒期なのでマイナス20℃以下になる事も珍しくありません、寒い時に無理にエンジンをかけるのも車の負担になるので頻繁にエンジンをかける事はないのですが一ヶ月以上もかけていないので、そろそろエンジンをかけてみようかと・・^_^;

バッテリーのターミナルを接続してクランキングを試みます、確か年末にバッテリーを充電したはずですが、さすがに長期間放置なので厳しいかな・・セルを回すと回転が弱い・・やはりこれは無理かなと思ったら何とエンジンが始動!でもすぐにストンと止まって・・バッテリーには再度クランキングする元気はありませんでした^_^;


充電器を繋いでクランキング、今度はセルも元気に回って無事にエンジン始動(^^)


           ダッシュの裂け目はちょっと広がったようですね。


シフトレバーを動かして各油圧経路に圧を与えてあげます、短期間の冬眠くらいでミッション内部が固着する事はありませんけれどね。

と、ここまでは青コスモのエンジンを始動した話でブログのタイトルとは関係ありません^_^;ここからが本題?です。


まずはこちらの画像・・これは以前に科学館に展示されている貴重なREAPS-1のロータリーエンジンのカットモデルを撮影したものです。


   その画像を改めて見ていると・・アペックスシールに目が行きまして・・。


             これってカーボンアペックスシールですよね?

ここでアペックスシールについてちょっと触れてみます、ロータリーエンジンの構造はローターハウジングという枠の部分(レシプロエンジンのシリンダーに相当)の中をオムスビ型のローターが回転するのですが、ローターとローターハウジング間の空間で形成される作動室の気密を保つためローターの頂点に取り付けられて常にローターハウジングの内壁に接触しているのがアペックスシールです、レシプロエンジンではピストンリングに相当します。

アペックスシールは常にローターハウジング内壁に擦られながら動いているので作動条件は非常に厳しいものです、マツダはロータリーエンジンを実用化するにあたって非常に苦労しましたが、その中でもロータリーファンなら必ず知っている?ほど有名な苦労話はアペックスシールの開発でした。

200時間ほどの連続運転でローターハウジングが異常磨耗してパワーダウンしてしまうのですが、これはアペックスシールが振動しながらローターハウジング内壁を摺動する事でローターハウジング内壁がシールに叩かれてギザギザに磨耗するものでチャターマーク(悪魔の爪痕)と呼ばれてマツダの技術陣を苦しめました、様々な材質のシールを作ってテストしてもチャターマークは一向に解消出来ない・・。

それでも地道に研究を重ね、最終的にはカーボンにアルミニウムを含侵させたアペックスシールでチャターマークを克服しました、カーボンは自己潤滑性に優れているので滑りやすく、シールの材料にはうってつけですが強度が低いのでアルミニウムを含侵させて強度を持たせました。

こうして本家NSUも克服出来なかったチャターマークの問題をマツダは見事に解決しました。

苦労の末に世に出たロータリーエンジンですが更に改良が加えられていきます、開発に苦心したカーボンアペックスシールですが、これは一体型なのでシールの左右からどうしてもガスが漏れてしまいます。

燃費向上や排気ガス対策のためにはシールの気密性を更に高める必要があり、シール左右からのガス漏れも抑えなければなりません。

更にアペックスシール自体の耐久性や強度も高くしたい・・そこでマツダはカーボンに代わる金属アペックスシールを開発しました。
アペックスシールを2分割にしてシールの分割線を斜めにする事でシールが左右に伸びる動きが可能になり、シール左右からのガス漏れを抑える事で気密性が上がり燃費も向上しました。

金属アペックスシールは特殊な鋳鉄で作られていて、ローターハウジングとの摺動部分であるシールのトップ部は電子ビームで熔融してから急冷する処理(チル化)で硬度が上がり耐磨耗性が大幅に向上しています。

ただ燃費や排気ガスを気にせず高回転を多用する競技用エンジンでは多少のシールのガス漏れは大きな影響がないので、シールの潤滑性の良さや金属に比べて質量が軽いという事でカーボンアペックスシールが使われていたようですね。


左からクロスホローアペックスシール(チャターマーク対策の試作シール)、中央がカーボンアペックスシール、右が2分割金属アペックスシール・・画質が悪くて恐縮ですが右の金属アペックスシールが端で2分割になっているのが分かるでしょうか。


こんな感じです、三角のサイドピースが幅方向に伸びる事が出来るようになっています、0.4ミリというのはシール側面の分割箇所とシールのトップ間の距離で、この数値が小さいほどガスの漏れが少なくなり気密性が高くなります、初期のREAPSではこの数値が1.5ミリでした。
画像はコスモAPの頃のアペックスシールですが年代が新しくなっていくとシールの分割の位置が変わったり3分割になったりと進化していきます。

ところでREAPS-1のカットモデルなんですが・・REAPSのロータリーは全て金属アペックスシールだと思うんですが・・13BはREAPS-3からのデビューで最初から金属アペックスシールですし、12Aはデビュー時のノンAP仕様はカーボンアペックスシールですがREAPSになってからの新型12A(社内呼称12B)は金属アペックスシールのハズでは・・でもカットモデルのエンジンはどう見てもカーボンですよね、なぜだろう?

ちょっとマニアックな内容になってしまいましたが最後に青コスモの動画を貼っておきます^_^;

ブログ一覧 | 日記
Posted at 2018/02/20 01:27:04

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この記事へのコメント

2018年2月20日 18:29
外観は勿論、エンジンルームや車内からも新車のまま現代にタイムスリップしてきたかのようです!


動画がまた素敵すぎます♪
カットモデルとのシンクロが、『これがロータリーだ!』とCMみたいでワクワクしますね!

今年もお会いできるのを楽しみにしております。
コメントへの返答
2018年2月20日 20:27
こんばんは♪

コンディションの良い青コスモですがダッシュの割れが残念です・・この車を入手して10年間全然何ともなかったのに突然一気に割れてビックリしました、もう割れてしまったので直射日光も怖くありません、まだ割れるなら割れてみろ!と開き直ってます(でもやっぱり割れないほうがいいですが・・^_^;)

ロータリーエンジンの作動の様子をイメージして、以前に科学館に行った時に撮ったロータリーエンジンのカットモデルの回転動画を青コスモのエンジンの動画とシンクロさせてみました♪

私もお会い出来るのを楽しみにしています(^^)


2018年2月20日 22:38
こんばんわ
40年前の記憶ですが、REAPS-1はサバンナバン(50台余り製造)に搭載されていて2分割の6mmカーボンアペックスでした。カットモデルは2分割でない1本物が使われているようですね。サーマルリアクターも後のタイプと違い脱着するのに専用工具でないと取り付けナットが外し難くやっかいな代物でした。
REAPS-2はルーチェに搭載され2ディスの旧タイプの12Aで、REAPS-3から1デスの12Bになりました。
同じ2デスのノンAPの12Aでもカペラとサバンナは6mmカーボンアペックスでルーチェは3mm金属アペックスでローターハウジングは別物でした。
それにしてもよくREAPS-1のカットモデルなどが残っていましたね。
コメントへの返答
2018年2月21日 0:26
詳細な解説ありがとうございます!貴重なお話が伺えて大変嬉しいです!

サバンナバンは確か官公庁に納入されたモデルでしたよね?私はREAPS-1はルーチェに搭載されたと思っていましたがサバンナバンだったんですね!

REAPSは全て金属アペックスシールを使っていると思っていましたが、カーボンもあったんですね、しかもカーボンアペックスシールに2分割があったとは初めて知りました!勉強になります。

初期のサーマルリアクターは専用工具がないと取り付けナットが外し難かったんですね、サーマルリアクターの専用工具がある事は知っていましたがコスモAPのサーマルリアクターは普通の工具で外せたので何故専用の工具が必要なんだろう?と思ったものでしたが、そういう理由だったんですね。

ノンAPの12Aでもルーチェだけは金属アペックスシールだったんですね、ノンAPのREはカーボンアペックスシールだと思っていました。

REAPS-1のカットモデルは貴重ですよね、展示してある科学館は1984年頃に開館しているようなんですが、その当時でもREAPS-1のロータリーエンジンは10年以上前の古いものですから何故そんな古いエンジンを展示したのか不思議です、でも私は嬉しいんですが(笑)

また何かお気付きの事があれば是非とも御教授をお願い致します!








2018年2月20日 23:49
お疲れ様です!
動画のカットモデルとのシンクロがとても面白いですね〜☆青コスモイイですね〜♪

apexk27さんの面白いコメントも加わって実にAPなマニアックなブログがイイですね(笑)

なんで一本のカーボンアペックスシールになってるのか?企業秘密的な何かでとか?エンジン自体が旧型でわざと作ってるとか?
分割だとカットモデルで外れたりとかだから一本とか???

AP車はREAPS-5以降は現存車割といますが、それ以前のってほぼ皆無ですよね?当時を知る人の話や文献でしか分からないのが…
私の浅い記憶で、うちのコスモの前にあったビックルーチェグランツーリスモの話とか…
コスモAPよりクソ速かったって叔父が言ってましたからね〜(笑)
REAPS-3はどうなの?って気になりますよね?(笑)
コメントへの返答
2018年2月21日 1:19
こんばんは(^^)

カットモデルはモーターで動くようになっていてそれを動画に撮っていたのでエンジンが実際に回転する様子を動画でシンクロさせたら面白いかな~と思って動画を作ってみました♪

apexk27さんのコメントで興味深い事実が色々と判明して大変勉強になりました(^o^)

REAPS-1が2分割シールだったとなると、カットモデルは1本モノなのが不思議ですよね、それとこのカットモデルなんですが今更ながら気付いた事がありました。

REAPS-1は組み合わされるミッションがATだけのハズなんですが、カットモデルではフライホイールが付いています、ATならフライホイールではなくリングギヤが付いた円形の鉄板(ドライブプレート)が付いているハズなんですが・・このカットモデルは謎が多い?ですね・・^_^;

REAPSの初期の車両は確かに現存しているのは見た事も聞いた事もないですよね?13Bを例にとれば10年ちょっと前に偶然にビッグルーチェの13Bグランツーリスモを発見しましたが13Bでは最初期のゴールドエアクリーナーのREAPS-3でした、私が今まで見たREAPSのRE車の中ではこれが最も古かったですね。

REAPS-3のビッグルーチェ13Bの性能はとても興味があります、REAPS-3は熱交換器が付いていないので空燃比がとてもリッチ(濃い)ですから速かったのではないかと思われます。

以前にRX-5さんのコスモがキャブのメーンジェットの組間違いで低中速時の空燃比が濃い状態になっていましたが、私のコスモと比べて出足や加速が明らかに速かったですね。

同じ車なのに随分速いんだな~と感心したものでした、まぁその時はまさかキャブのジェットが間違って組まれていたとは知らなかったんですが後でそれが判明して、なるほど道理で低中速時が速かったわけだと納得でした。

なので熱交換器が付く前の空燃比がリッチな頃のREAPS車は速かったのではないかと推測します、そのかわり燃費は悪かったのでしょうけれど^_^;

プロフィール

「初始動 http://cvw.jp/b/293527/48382128/
何シテル?   04/20 16:59
はじめまして、CD23Cと申します。 子供の頃から車が大好きで現在はコスモAPを所有しております。 車バカな私ですが宜しくお願いします。
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