
キャブレーターは燃料を霧状にする装置ですが仕組みはベンチュリーという空気の通り道を狭くした部分に発生する負圧を利用してフロートチャンバーという部屋に溜めている燃料を吸い出して霧状にする装置です。
フロートチャンバーに溜める燃料の油面を一定に保つためにフロートという浮きが付いていて油面が上昇するとフロートが上がる事でニードルという物が燃料通路を塞いで燃料供給を止め、油面が下がるとフロートも下がる事でニードルが燃料通路を開いて燃料がフロートチャンバーに流入する事でフロートチャンバー内の燃料の油面を一定に保つようになっています。
この油面を確認出来るように大抵のキャブレーターにはフロートチャンバーに油面の点検グラスが付いています。
この油面はキャブレーターにはとても重要な意味があります。
ベンチュリーに負圧が発生するとベンチュリー内に設けられているメーンノズルという細い筒から燃料が吸い出されてエンジンに吸入されるわけですがフロート油面は必ずメーンノズルの位置より下になっています。
そうでなければ車体が傾いた時にメーンノズルから燃料が溢れてしまうからです。
ただ、この油面差があるため低回転時のようにベンチュリーに発生する負圧が小さい時は燃料を吸いだす力が弱く、高回転になって負圧が大きくなると燃料が多く吸い出されるというのがキャブレーターの基本特性です(但し、これは単純気化器という実際に存在しない基本構造のみしか持たないキャブレーターでの話しです)
そうなると低回転時は空燃費が薄く、高回転では空燃費が濃いというキャブレーターになってしまいます。
それでは困るので回転による空燃比を補正するためにエアブリードという物が装着されていて、これは燃料に空気を混ぜる事で質量を軽くし、なおかつ空気が燃料を押し上げる作用もあるので低回転時でも燃料が吸いだされ、燃料に空気を混ぜる事でメーンノズルから吸い出された後も霧状になり易くなります。
油面の高さは燃料の吸い出される量と関係がありますから(油面の高すぎは燃料の吸い出し量が大、低すぎでは小)極端な油面の狂いはエンジンの調子や燃費にも影響するので油面を点検するグラスが付けられています。
まぁ多少の狂いなら神経質になる必要はないですが・・^^;
油面の調整はフロートに付いている金属板(ニードルを押す部分)を曲げて行いますが大きく狂う事はそうそう無いハズなので私は気が向いたら?点検する程度です(コスモのロータリーのキャブでは点検グラスの真ん中の丸い印が油面の基準)
ロータリーエンジンのキャブは4バレルでフロートが2個ありますが後ろ側の油面て見ずらいですね。。
Posted at 2008/12/16 23:58:01 | |
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