
今日は青コスモと赤コスモのエンジンを同時に掛けてみました。
赤コスモは先日エンジンを掛けましたが気温が低いせいかセルの回りが少し弱い・・でもエンジンはかかりました^^;
青コスモも少しセルの回りが弱いもののすぐに始動しました。
寒冷地仕様ではないので最初はどうしてもセルの回りが弱いのは仕方ありませんね。
キャブレーターで手動チューク式のエンジンの始動はオーナーだけが味わえる楽しみですね、旧いロータリーというと始動が難しく思われがちですが簡単なコツを掴んでしまえば難しい事はありません(まぁ取説のとうりにやれば良いのですけどね笑)
赤コスモのエンジン・・始動直後は白煙が出ますがそれ以外は不具合もなくアイドリングも安定しています。
青コスモのエンジンも安定してアイドリングしています(^^)
今日はボンネットを開けたついでに?バキュームアドバンサーの作動を見てみました。
バキュームアドバンサーはデスビに取り付けられている金属製の丸い物です。
これは真空式進角機構という装置です。
エンジンの点火時期は回転数の上昇に伴って早める必要があります(進角と呼ばれます)
理由は点火プラグで混合気に着火してから燃焼が始まるまでは若干のタイムラグがあり、これはエンジン回転数に無関係なので回転数を上げるにつれ、その分進角させる必要があるのです。
今回はリープス5のコスモのデスビに限定して書きますが、点火時期を進角させる機構の一つは遠心式進角機構というものでデスビシャフトの回転に伴う遠心力を利用してデスビ内にあるガバナーという装置でポイントを開閉するカム山の部分を動かして進角させるものです。
もう一つが真空式進角機構でこれはインテークマニホールドの負圧を利用して進角させます。
遠心式進角は遠心力の利用なので進角の度合いはエンジン回転数に連動しますがエンジン回転数が同じでもアクセル開度は走行状態によって異なります。
アクセル開度が小さい時はエンジンに入る混合気の量が少ないので燃焼速度が遅く、その分点火時期を進角させる必要があります。
アクセル開度が小さいとインテークマニホールドの負圧が高いのでバキュームアドバンサーに負圧を導入する事でアドバンサーがポイントベースを引いてポイント自体の位置を動かす事で進角させます。
つまり遠心進角させた分に真空進角の分を加えているのです。
アクセル開度が大きいとエンジンに入る混合気の量も増えてインテークマニホールドの負圧も低くなるのでアドバンサーは作用しなくなるので真空進角で進角された
分が戻る(その分遅角する)事でノッキングを防ぎます、上手く出来ているものですね(笑)
アドバンサーの点検はデスビキャップを外してL側、T側の各アドバンサーにハンドバキュームポンプを接続して負圧をかけた時にL側、T側それぞれのポイントベースが動くかを見ればいいのですが今回はエキセンのプーリーにタイミングライトを当ててどれだけ変化するか実験してみました。
進角前のL側の点火時期です
アドバンサーに負圧をかけて進角させた状態です。
進角前のT側の点火時期です
進角させたT側の点火時期です
画像では進角後の点火時期はL側、T側とも殆ど同じ位置ですがT側は元々15°遅れた位置ですからT側の方が多く進角している事が分かりますね(ちなみにどちらのアドバンサーにも同じ値の負圧をかけて進角させています)
整備書を見るとT側の真空進角度はL側の2倍になっています、つまりT側の方が多く進角するのです、画像からもそれが分かりますね。
つまり真空進角が大きい時はL側とT側はほぼ同時点火になるという事ですね、実際に見てみると面白いです(笑)
整備書の進角度はデスビシャフトの進角度なのでエキセンのプーリー上では数値は2倍になります(デスビシャフトの回転数はエキセンの1/2のため)まぁエキセンのプーリーに数字の目盛りは無いんですけれどね。
遠心進角はポイント開閉カム山の動きによる進角なのでL側もT側も進角の度合いは同じです。
ちなみにリープス5のコスモはアイドリング時はL側、T側共に真空進角はさせていません、アイドリングは走行時のようなエンジン出力の必要がありませんしサーマルリアクターの反応性も考慮しているのだと思います。
現在のハイテク制御のエンジンとは違った意味で高度な?制御と言えるのではないでしょうか?(笑)
Posted at 2008/12/01 01:24:05 | |
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