トヨタディーラーの担当セールスマンから新型86の試乗車が入ったとの連絡があり、翌日に見学&試乗に行って来ました。
86/BRZは、年次改良ごとにアプライドモデル●型(●にはAから始まるアルファベット)と呼ばれ、今回のはE型になりますが、ボディ,エンジン,駆動系,サスペンション,空力,内装,装備など多岐にわたりアップデートがなされた実質初のビッグマイナーチェンジが施されたモデルとなりました。
試乗車はオドメーターがまだ63㎞というおろしたての車で、ボディカラーがピュアレッド、内装色がレッド&ブラック、6速M/TのGTグレードでした。メーカー希望小売価格2,981,880円です。
実車を見ての第一印象は、D型から採用されたピュアレッドの86を始めて見ましたが、C型までのライトニングレッドより朱色に近い明るい赤色で、とても良いと思いました。
外観のデザインは、より個性的になったとは思いますが、個人的には前期型の方が好みで、後期型比較ではBRZの方が好きです。(笑)
さて、今回の改良の中で前期型 86/BRZオーナーとして一番気になるのは、MT仕様のエンジンが低フリクション化と吸排気系の見直しにより、最高出力:152kW[207PS]/7,000r.p.m.,最大トルク:212N・m[21.6kgf・m]/6,400~6,800r.p.m.にパワーアップしたことではないでしょうか?しかも、ピーク時の出力が上がっただけでなく、4,300r.p.m.以下の全域でトルクアップしているらしい。
数値だけみると、まだまだ同じ排気量のS2000に比べ物足りなく、もっとパワーが欲しいとは思いますが、6,000回転以下のトルクでは負けてないし、S2000は現在の環境性能基準を達成することができなくて?消えて行った訳だし、981型ケイマンに対しても
(カタログ値にはなりますが、)リッターあたりの馬力で負けてないことを考えると、NAのスポーツカーとしては合格点と言えるのではないでしょうか?
MT仕様のエンジン
エンジンルームを眺めると、初めに目に入るのが従来樹脂製だったインテークマニフォールドが赤色の結晶塗装が施されたアルミ合金製に変更されていることです。
樹脂製のマニフォールドの良いところはコストの他に軽量であることや、砂型で作るアルミ製と違い、マニフォールドの内面に凹凸がなく流れの抵抗が少ないばかりか、シリンダー・ヘッドから加振されても減衰しやすく、音を出さないし、熱伝導率が低い等と言ったメリットが挙げられますが、それを敢えて替えたのは限りれたスペースの中で内径を大きく取りたかったためとか。内径は20%弱拡大され長さも微妙に伸ばされて吸気脈動がより効果的にはたらくようにチューニングされているらしい。
スロットルボディからエアクリーナーケースにつながるダクトは屈曲部の曲がりを45Rから75Rに拡大。エアクリーナーケースの容量も増やし、フィルターは不織布から通気抵抗の少ないろ紙に変更。エアクリーナーケースに取り付けらているエアフロメーターも格子状のリブを廃止することで気流の乱れの抑制を図っているとのこと。
また、排気側もエキマニの管径を拡大し、エキゾースト集合部までの長さをより等長に近づけ、集合部の形状も滑らかにすることで、排気干渉の低減も行っているらしい。
後期型 86 GT のギヤ比と車速
最終減速比が4.100から4.300にローギヤードされたことに気になっている方も多いのではないでしょうか?
この点に関してはワタクシ的には微妙なところでもあります。
ギヤ比を変えるなら、同時に86 GRMNのようにトランスミッションのクロスレシオ化もして欲しかった。
ギヤ比が下がればタイムアップすると思われる方もおられるかも知れませんが、走るコースにギヤ比があっていなければ、逆にタイムダウンする可能性もあるわけで、例えば最高出力を発揮する7,000回転でシフトアップするとしたら、前期型86が2速で92㎞/h,3速で131㎞/hになるのに対し、後期型では2速で88㎞/h,3速で124㎞/hになる計算で、その数㎞/hの差がコーナー手前でレブリミッターが当たり、シフトチェンジの回数が増えることにもなり、ローギヤード化による加速時間短縮のメリットをシフトチェンジによるタイムロスが相殺してしまうこともあり得ると思うのです。
自宅から一番近いミニサーキットでの速度をGPSロガーデータで検証してみると、合ってないような気もするので、4.100のままでもいいかなと思っています。
その他のランニングチェンジで個人的に羨ましいと思うのは、
- ボディ剛性が上がったこと。
D型でも後部座席の上方後ろにあるリヤパネルの板厚変更で剛性アップが図られましたが、E型では更にリヤピラー周辺のスポット打点追加や、リヤサスペンションアッパーマウント取り付け部への補強部品追加、ストラットタワーバーをダッシュアッパーパネルに締結するブラケットの板厚アップ、ミッションマウントブラケットの板厚アップが図られた。
- VSC制御の変更。
前期型ではVSC制御が早め且つ強めに介入が行われていたが、ある程度のスライドは許容する方向でセッティングされ、スイッチ操作のみで「完全なOFF」が可能になった。
- 新メーター。
GT以上のグレードに4.2インチのカラーTFT液晶のマルチインフォメーションディスプレイが採用され、油温などを表示できるようになった。
- ステアリングホイール。
前期型の外径365㎜から362㎜に。グリップ断面形状も見直され、表皮も変更。慣性モーメントは約10%低減されているとのこと。数値だけ見るとたったの3㎜ですが、実際に回してみるとそれ以上に小さく感じました。
- サスペンション。
C型でダンパーのフリクションロスが低減され乗り心地が改善されましたが、E型ではコイルスプリングのバネ定数をフロント側を14%上げ、リヤ側は10%下げ、ロール剛性のバランスが変わらないようにリヤスタビライザー線径を14㎜から15㎜に上げているとのこと。それに合わせてダンパーも変更。A型の足が突っ張ったような乗り心地が改善されているのは羨ましい。
他にも内装の質感が若干向上したり、新17インチホイールがデザインが変わり、掃除がしやすくなったなど、羨ましいアップグレードが多々ありますが、買い替えるようなお金もないので、できる範囲でパーツ流用を考えたいと思います。(笑)
E型のエアクリーナーフィルターを流用できないか?と思いましたが、形状も変わっていたので駄目でした。
KOUKI 86
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2016/08/30 15:16:02