
山田弘樹(以下・山田):ちょっと前の話なんだけど、「KYOJO-CUP(キョウジョカップ)」の開幕戦を見に行きました。
編集部TAKASHI:(以下・TAKASHI):今年からフォーミュラカーになったんですよね!? 「86 GIRLS owner's meeting」のゲストドライバーだった、翁長実希(おなが・みき)選手や佐々木藍咲(ささき・らみ)選手、 Hana Burton(ハナ・バートン)選手が出ているレースですね。女性だけのフォーミュラカーレースって、すごいですね!

翁長実希選手
山田:レースの雰囲気も、とっても華やかだったよ。
フォーミュラカーのレースっていうと、ものすごいストイックなイメージあるよね。
TAKASHI:ありますねー! ボクはあの雰囲気も大好きですけど、普通のクルマ好きにはちょっと敷居が高い感じもすると思います。
山田:だよね。もちろんKYOJOの雰囲気もすごくまじめなんだけど、やっぱりどこか華があるんだよね。当日はインタープロトシリーズも開催されていて、国内の有名なドライバーたちもいたんだけど、断然KYOJO-CUPのドライバーたちがかっこよかった。
TAKASHI:なるほど!
山田:僕はゴルフしないけど、女子プロの大会を見る感じなのかなぁ? みんな真剣なんだけど、雰囲気が柔らかいというか。
TAKASHI:すごいんだけど、身近な感じもあるんでしょうね。
山田:あるある。技術的にも根性面でも、気合い入ってるけど、楽しそうな雰囲気。
TAKASHI:山田さんも、フォーミュラ経験あるんですよね?
山田:また痛いとこを突くねー(汗。
もう遙か昔にフォーミュラ隼に1シーズン出て、40歳過ぎてスーパーFJにスポット参戦した経験があります。JAF-F4にも乗らせてもらったかな。
TAKASHI:それだけでもすごいですよ!
山田:でしょ!? フツーの人から考えたらフォーミュラカーって、別世界の乗り物じゃん?
実際乗っても、ほんとツーリングカーとは別物だった。
TAKASHI:ひゃー! 全てがダイレクトなんでしょうね。
山田:そうなんだよ。低い着座位置、高いコーナリングスピード。今でも一番好きな乗り物は何? って聞かれたら、スーパーFJって答えるもん……(遠い目)
TAKASHI:戻ってきてー!
ところでKYOJO-CUPに使われるのは、どんなマシンなんですか?
山田:FIA-F4に相当する「KC-MG01」というマシンなんだけど、なんと1.4ターボ(176bhp)に12kWのエネルギー回生システムを搭載するハイブリッド・フォーミュラカーなんだ。
TAKASHI:進んでますねー!
山田:もともとは2022年にヨーロッパで開催された「FIAモータースポーツゲームズ」で使われたマシンみたい。
なんとキミ・アントネッリ(F1ドライバー)が運転したマシンが、参加車両のなかにあるらしいよ。
TAKASHI:おおおおぉぉ!
山田:トランスミッションは6速で操作はパドルシフト。ハイブリッドマシンだけどカーボンモノコックだから、車重は645kgに抑えられているんだって!
TAKASHI:ろっ、ろっぴゃく……!! どんなクルマなんだろう?
山田:開幕戦でインタビューした斎藤愛未選手は、「うしろにつくとダウンフォースがなくなって、アンダーステアが出る」と言ってたよ。つまりはダウンフォースもきちんとあるってことなのかな?
TAKASHI:坪井翔選手の奥さまですね! どのチームを追いかけていたんですか?
山田:三浦愛監督のチーム「AIWIN」(アイ・ウイン)におじゃましたんだ。
左から斎藤愛未選手、白石いつも選手、三浦愛監督
TAKASHI:全日本F3選手権(Nクラス)で、女性初の優勝をした三浦愛選手ですね!?

斎藤愛未選手
山田:詳しい…。彼女、ワタシがB-MAX Racingで走らせてもらっていたときの先生なんだ。
TAKASHI:いーなー!
山田:でも、厳しかったよ…。
TAKASHI:あはは(汗)。肝心なKYOJO-CUPは、どうでした?
山田:まずはレース形式がちょっと独特なんだ。土曜日にまず予選があって、そのグリッドでスプリントレース(10Lap)を開催。その順位で、日曜日に決勝レース(12周)が行われるんだよね。
TAKASHI:観に来たひとは、土曜日からたっぷり楽しめますね。
山田:確かに。レースは下野璃央(しもの・りお)選手がスプリント、決勝ともに圧勝。序盤に飛び出して、完璧にレースをコントロールしてたのがかっこよかった。

下野璃央選手
KYOJO-CUPは去年までヴィータで争われていたけど、今年からフォーミュラカーになって、勢力図がちょっと変わったみたいだね。今のところ、フォーミュラ経験者が速い。
TAKASHI:斎藤選手なんて、去年のシリーズチャンピオンですもんね。
山田:これからどうやってキャリブレーション(調整)して行くかが見物だよね。本人たちは、すごくやる気だったよ。
ちなみにチームAIWINは斎藤選手が、14位から7位まで追い上げてチェッカー。前日のスピンでフラットスポットを作ってしまった白石いつも選手は、怒涛の追い上げで10位になりました。

斎藤愛未選手

白石いつも選手
TAKASHI:フォーミュラカーって、セッティングとかも大変そうですよね。
山田:その点でいうと、マシンは大会からレンタルされていて、ガレージでセットできないみたいなんだ。変更できるのはタイヤの空気圧とスタビライザー、リアウイングくらい。安全を考えて下段のウイングは固定式になっていて、ダウンフォースを高めているみたいだから、スリップに入ったらすごく効くよね。
TAKASHI:シリーズは全戦、富士ですもんねー!
山田:セッティングの幅が狭いから、マシンに個体差があるとちょっと大変そうだけど。でもこんなマシンでレースできるなんて、ほんとうらやましい。もちろん勝つことは大切だけど、光る走りを見せられたら、きっと伝わると思うんだよね。
みんながんばって!
TAKASHI:うーん、これは見に行くしかないですね。次戦は10月11日(土)・12日(日)の第4戦ですね。 まずはYouTubeで、開幕戦のおさらいをしようっと!
(おしまい)
参考資料
https://news.yahoo.co.jp/articles/ac1ba716129181d3ca8bc89e1b802b50028b7439
KYOJOカップ
https://toyotagazooracing.com/jp/kyojocup/
AIWIN
https://aiwin.jp