みなさんごきげんよう!
モータージャーナリストの山田弘樹(やまだ・こうき)です。
クルマ好きの、クルマ好きによる、クルマ好きのためのコラム「そうだ、ニュルへ行こうよ!」。
第8回目となった今回は、編集部TAKASHI君と一緒に、
「砂子塾」(※)の
「富士P7限界超えトレーニング」を体験。富士スピードウェイ 第7駐車場で午前中はオーバルトレーニング、午後はコース設定の走行トレーニングを行いました。
そのテーマはずばり、
「タイヤ感度を上げる!」。
散水車で水を撒いたスリッピーな路面を使って、一日たっぷり、思いっきり愛車を走らせましたヨ!
※砂子塾:レーシングドライバー 砂子塾長がメイン講師を務め、レーシングドライバーである東風谷高史選手が事務局長を務めるレーシングスクール。
ゲストも毎回プロドライバーを招いており、楽しく本格的な基礎レッスンができると人気。ちなみに筆者はふたりと
BMW Team Studieの
「M2 CS Racing」でスーパー耐久 富士24時間耐久レースに参戦したチームメイト。
まずはTAKASHI君によるレッスンの様子をダイジェストでお届けします!
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最初は自己紹介! 毎回のように参加しているレギュラーの皆さんが暖かく(面白く?)自己紹介されていてすぐに打ち解けられました。緊張がほぐれる“アットホーム感”も楽しさに繋がります。
左から東風谷選手、砂子選手。右は今回のゲスト講師でモータージャーナリストの桂伸一氏。みなさんとても気さくかつ丁寧にレクチャーしてくれました。
砂子選手からのコース説明と走り方のアドバイス。走行と座学が組み合わされ、頭と体の両方から技術を学んでいきます。
このレッスン最大のポイントである「タイヤ感度」についてのレクチャー。今までなんとなく走っていたTAKASHIにとって“目からウロコ”の連続!
レクチャーが終わり忘れないうちに早速コースイン。最初は頭と体がバラバラでなかなかうまく走れないですが…
スタート地点で講師陣がすかさずフィードバック。段々とリズムが掴めて理解が深まっていきます。
他の参加者と一緒にひたすら反復練習。量を走ることで、タイヤの滑る感覚を体にインプットしていきます。
今回は雨でしたが、ドライでも散水車で水を撒いてウエット路面を作ります。広大な駐車場を低速で走るので、思い切って滑らせることができます。
午後はパイロンを使った模擬コースに切り替えてのトレーニング。ライン取りやタイヤ感度など午前中に学んだことを実践していきます。
ライン取りなど午前中とはまた違った難しさも…。
午後も講師陣にアドバイスをもらいながらひたすら反復練習して精度を上げていきます。
講師陣の総括と参加者が感想を言い合ってこの日は終了。あっという間の一日でした。
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山田弘樹(以下・山田):というわけで一日たっぷり広場トレーニングを体験したわけですが、どうだった?
編集部TAKASHI(以下:TAKASHI):すごく楽しかったです!
「こんなに走って、いいの!?」というくらい沢山走りました(笑)
最初
「4万4000円の参加費用は少し高いなぁ!」って正直思ったんですけど、これなら納得です。むしろ
“お得感”すらあります。
山田:ジムカーナ練習会として考えると、確かに高いよね。でも散水車で水を撒いてくれているからタイヤが減りにくいし、クルマが痛みにくい。
TAKASHI:あと本当に講師の方達が自分の走りを細かく見て下さっていて(笑)、オーバルを走り終えて列に並ぶと、すぐにアドバイスを下さるんです。
砂子さんや桂(伸一)さんが、同乗走行だけでなく、助手席に乗ってくださるのにも驚きました。
山田:普通、逆同乗は怖いんだけどね(笑)。コースが広くてマージンがあるから、できるんだよね。
TAKASHI:私はドライビングレッスンが初めてだったんですけど、やっぱりきちんと基礎を教わるのは必要ですね。
最初の座学はちょっと難しくて、すぐにはわからなかったけど、走り終えてまた座学があって、繰り返しているうちになんとなく
「これかな!?」というポイントが掴めてきました。
山田:具体的にはどんなことがTAKASHI君のポイントだった?
TAKASHI:
「ドライ路面では5~10%のスリップアングルで走らせることが、速く走る秘訣」という部分です。
タイヤは基本滑らせない方が良いと思っていたんですが、そうではなかった。そのために散水して低μ路を作っているんだなぁって。
山田:そうだね。低μ路だとついついドリフトするのが楽しくなっちゃうけど、この
滑りやすい路面できちんとブレーキングして、向きを変えて、クリッピングポイントから素早く立ち上がることが大切なんだよね。
TAKASHI:はい、山田さんにも
「まずはブレーキングからターンイン」と言われて、
「あっ、曲げるの難しい!」とか
「クリッピングポイントを自分なりに決めないと、どこ走っていいのかわからない!」ってことがわかりました。
山田:立ち上がりからはアクセルを踏めば、嫌でも滑るからね。せっかく低い限界で色々試せるんだから、一番大切なところを練習しなきゃ。
TAKASHI:進入のラインを広めに取るだけで、すごくターンが楽になったり、とっても勉強になりました。
やっぱりクルマの運転って、面白いですね!
山田:うまくなると、さらに楽しいでしょ?
そういう意味ではリーズナブルなジムカーナ練習会に、上手な先輩と一緒に参加して教わりながら走るのもありなんだけど……。そこはやっぱり、プロとは内容の濃さが違うんだよね。
TAKASHI:あれこれ迷いながら上達して行くのも楽しんですが、やっぱり
基本は大事ですね。今まで我流でサーキットを走ってきましたが、今日一日でこれまで走ってきた以上の上達を感じました。あとは今回学んだことをサーキットで実践できるか…。
山田:そう簡単には、行かないよ(笑)。もっともっと反復して、体とアタマに染みこませないと。
TAKASHI:まさにトレーニングですね。砂子塾長も
「スポーツドライビングは、時間とマイレージ」って言ってました。参加車のみなさんも、運転うまかったもんなぁ。
ところで突然なんですが、山田さん、
氷上走行ってやったことありますか?
山田:もちろんあるよ。どうして?
TAKASHI:私は行けなかったんですけど、編集部で
日産の氷上試乗会に行ってきて、それがとっても楽しかったみたいなんです。
氷上走行って、どんな感じなのかなぁ? やっぱりクルマの運転、うまくなれますか?
山田:そしたら次回は、氷上トレーニングについて話そうか。
TAKASHI:ぜひお願いします!
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山田弘樹(やまだ こうき)モータージャーナリスト
自動車雑誌「Tipo」の副編集長を経てフリーランスに。編集部在籍時代に参戦した「VW GTi CUP」からレース活動も始め、各種ワンメイクレースやスーパー耐久に参戦。
こうした経験を活かし、現在はモータージャーナリストとして執筆活動中。愛車は86年式のAE86(通称ハチロク)と、95年式の911カレラ(Type993)。
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。