• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

全国各地のサーキット情報を探せるみんカラサーキットはこちら!

みんカラユーザー主催の走行会・サーキットイベントはこちら!

みんカラYoutubeチャンネルはこちら!

みんなの自動車部♪のブログ一覧

2023年12月28日 イイね!

【コラム】そうだ、ニュルへ行こうよ! Vol.17~やっぱりS耐は面白い!~

【コラム】そうだ、ニュルへ行こうよ! Vol.17~やっぱりS耐は面白い!~みなさんゴキゲンよう!
モータージャーナリストの山田弘樹(やまだ・こうき)です。

千里の道も、一歩から。初心者でもクルマを目一杯楽しんで、最後の最後は「ニュルブルクリンクへ走りに行こう!」というこのコラム。

今回は、11月に富士スピードウェイで行われた全日本スーパー耐久シリーズ 最終戦 Rd.7 FUJI(S耐)にTAKASHI君と行ってきたので、その時の模様を振り返ります。

++++++++++

画像提供:スーパー耐久機構


編集部TAKASHI(以下・TAKASHI):山田さん! S耐最終戦、メチャクチャ熱かったですね!

山田弘樹(以下・山田):ST-2クラス(※)の話だね?
※ST-2クラス:2400cc〜3500ccまでの4輪駆動車両、および前輪駆動車両

現行シビックタイプR(♯743 Honda R&D Challenge FL5)が大逆転で、シリーズチャンピオンを獲得したね。まさかシリーズトップのエンドレス・スポーツ GRヤリスが、あんな形(※)で線戦離脱するとは思わなかった。

※:レース開始後およそ1時間半の時点でエンジンから白煙があがり、緊急ピットイン。その後復旧するも規定周回数が足りなく完走扱いにならず。


画像提供:スーパー耐久機構

TAKASHI:さらに743号車の後ろには、♯225 KTMS GR YARISも迫っていましたね。

山田:743号車はトップチェッカーしか逆転優勝の望みはなかったから、チームはドキドキだっただろうね。

TAKASHI:その225号車が、終盤でまたもやスロー走行とは、本当にツイてないですよ。やっぱりレースって、過酷なんですね。


画像提供:スーパー耐久機構

山田:だからこそ、クルマが鍛えられるんだよね。

ここ数年はトヨタが音頭を取ってS耐を盛り上げているけれど、こういうことを表現したかったんじゃないかなって思うよ。



画像提供:スーパー耐久機構


山田:ST-Qクラス(※)もさ、メーカーがクルマを鍛える場としてS耐を活用しながらシーンを盛り上げている。ここで作り上げられた技術が生かされれば市販車が強くなって、それを使うレースも盛り上がる。
※ST-Qクラス:他のクラスに該当しない、STO (スーパー耐久機構事務局)が認めた開発車両

いまS耐は、なかなか独自の面白い展開になってきているよね。


画像提供:スーパー耐久機構

TAKASHI:そんな山田さんも、これまで何度かS耐に出場されていますけど、山田さんにとってS耐って、どういうレースですか?

山田:ボクにとってS耐は、憧れのレースでしたね。

TAKASHI:過去形なんですか?(笑)。

山田:いやいや、出られるものならいつでも出たいですよ?

ただ自分がレースを始めた2000年頃は、若手の登竜門という色合いがすごく濃かった。S耐に出ることができたら、「レーシングドライバー」と名乗っていいと思ってました(笑)。

実はそんなことなくて、S耐はどこまでいってもやっぱりジェントルマンレースなんだけど、そのくらい、真剣に憧れていましたよ。


画像提供:スーパー耐久機構


山田:ところでTAKASHI君はなんで、S耐なんか観に来たの?

TAKASHI:一応これも仕事ですよ?笑

S耐はずっとYouTubeで追いかけていたんですけど、やっぱり生で見たかったというのが1番です。

出走台数も多いので、やっぱり迫力が違いますね! あっという間の4時間でした。



画像提供:スーパー耐久機構


山田:ホントはいつか出てみたいなぁ……なんて思ってるんでしょ?笑

TAKASHI:あっ、わかります?笑

山田:クルマ好きな男の子なら、それは健全な発想です。

TAKASHI:ちなみに、どうやったら出られますかね?

山田:まず国際C以上のライセンスが必要だけれど、資格的なことは置いといて、一番大切なのは、自分がどのクラスで、どのクルマに乗ってレースをしたいかじゃないかな?

TAKASHI:そりゃ速くてカッコいいクルマに乗ってレースがしてみたいです!

#47 D'station Vantage GT8R(手前)と#777 D'station Vantage GT3(奥)

画像提供:スーパー耐久機構


山田:いきなりFIA-GT3マシンに乗るなんて、やっぱり無理でしょ?苦笑
いやGT4なら、実は運転しやすかったりするんだけどね。

でも完成度が高いクルマにジェントルマンドライバーとして乗るには、その分お金が掛かります。

TAKASHI:チームにお金を払うということですね。大体、どのくらい掛かるんですか?

山田:ボクも正確にはわからないけれど、スタディのM4 GT4に乗らないか? って話が来たときは、「ゴニョゴニョ」(耳打ち)って言われたよ。

TAKASHI:え゛ー!!

<スタディからS耐24時間レースに出た時の様子>
【コラム】そうだ、ニュルへ行こうよ!Vol.3 ~S耐に出るには?~



写真:BMW Team studie


山田:とはいえ年間シリーズでの話だからね?

スタッフの数やチームの規模を考えたら、すごく安くしてくれたんだと思います。それでも払えなかったけど!
つまりチームや体制、自分のポジションによっても、掛かるお金は変わってきます。

TAKASHI:じゃあ、私が乗ってるNDロードスターが活躍している、ST-5クラス(※)だとどうでしょう?
※ST-5クラス:1500cc未満の車両


画像提供:スーパー耐久機構

山田:確かにST-5クラスは、S耐でも参加台数が多いし「レースしてる!」って雰囲気あるよね。

TAKASHI:ちなみに……いくらくらいですか?

山田:それでもたぶん、ゴニョゴニョゴニョ…。

TAKASHI:うわー、やっぱりレースってお金が掛かるんですねぇ!

山田:N1耐久の頃は、レース自体ももう少しのんびりしていて、これほどコストは掛からなかったみたいだね。

でも今はクルマの性能もずいぶん上がったし、そもそも貨幣価値もだいぶ上がったよね。それにしてもアマチュアが憧れるには、ちょっと高すぎるけどね。


画像提供:スーパー耐久機構


それにS耐は文字通り耐久レースだから、レースを始めてみたいなら、まずはスプリント形式のワンメイクレースで、自分を試してみる方がいいんじゃないかな。

TAKASHI:なるほどー。でもS耐マシンの方がカッコいいし、スリックタイヤを履いているから本格的じゃないですか。

山田:いやいや、スーパー耐久だって市販車をベースにしたレースだから。FIA-GTマシンはちょっと別格だけど、ST-5クラスでレースをすることを考えたら、ロードスターのパーティレースだって基本は変わらないよ。

TAKASHI:えー、ラジアルタイヤを履いたナンバー付きレースカーじゃ、比べものにならなくないですか?


画像提供:スーパー耐久機構


山田:そんなことないよ! 確かにボディ剛性やタイヤのグリップ、コーナリング速度は低いかもしれないけど、むしろクルマをコントロールすることを覚えるなら、パーティレースから始めた方がいいよ。レースの戦い方だって、きちんと学べる。

TAKASHI:そしたらまずは、パーティーレースですね! そこで速くなれたら、堤 優威選手みたいになれるかなぁ!?

山田:彼はもともとカートをやっていて、スーパーFJを走っていたときも、ものすごく速いドライバーでした。

TAKASHI:あらっ(笑)。

山田:彼は自分の力でレースをやるために、パーティレースから仕切り直してメキメキ頭角を現したんだ。でも、彼は真剣にレースがやりたくてパーティレースを選んだんだから、それはボクたちアマチュアにとっても希望の光になるよね。


写真:マツダ


あと「速くてイケメン」、これはレーサーになる必要条件かも(笑)。TAKASHI君も実はイケメンだから、あとは速さだな。

TAKASHI:よーし、じゃあ早速メンズエステに通って男磨きを……

山田:その前に、まずは自分のロードスターで走り込みでしょ。

TAKASHI:ですよね~(笑)



===================
alt

山田弘樹(やまだ こうき)モータージャーナリスト
自動車雑誌「Tipo」の副編集長を経てフリーランスに。編集部在籍時代に参戦した「VW GTi CUP」からレース活動も始め、各種ワンメイクレースやスーパー耐久に参戦。
こうした経験を活かし、現在はモータージャーナリストとして執筆活動中。愛車は86年式のAE86(通称ハチロク)と、95年式の911カレラ(Type993)。
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
2023年12月21日 イイね!

【コラム】伊藤梓のモタスポ調査隊 Vol.15~F1シンガポールGPを現地で観戦してきた!~

【コラム】伊藤梓のモタスポ調査隊 Vol.15~F1シンガポールGPを現地で観戦してきた!~※スタッフTAKASHI注:諸事情(私がサボっていた)により、前回のコラムより期間が開いて申し訳ございません。今回は遅ればせながら10月公開予定だったF1シンガポールGPの観戦記をお届けしますmm

皆さん、こんにちは! 自動車ライターの伊藤梓です。

昨年は、久しぶりのF1日本グランプリに行って、大興奮しつつ雨に打たれまくり、色々な思い出を持ち帰ってきた私ですが、今年は残念ながら仕事が重なってしまい参戦できず……。

その代わりに……と言ってはなんですが、なんと今年はシンガポールGPに現地観戦に行ってきました!笑

今回のレポートでは、その模様を少しお届けさせていただきます✨




シンガポールGPは、市街地コースに加えて、ナイトレースというところが大きな特徴です🌃

「夜のイルミネーションが美しい+F1が走る姿がとてもかっこいい!」ということはもちろんですが、実は「昼に観光できる」というのもシンガポールGPの良いところ。

お昼のレースだと、ほぼF1を見ることだけに集中してしまうと思うのですが、私がシンガポールGPに行く際には、土曜朝に着く飛行機で行って、お昼は観光して夜から予選を見るというのがルーティーンになっています。




今回は、シンガポールGPが行われる市街地から数駅離れたチャイナタウンに宿泊していて、そのあたりをメインに観光してきました。

実は、サーキット近くの物価はものすごく高いのです!

なので、気軽に食事をしたいなら、チャイナタウンのホーカー(屋台街)などはとってもおすすめ😊





サーキット付近では、ハイネケン1杯がなんとシンガポールドルで15ドル(約1600円!)ですが、チャイナタウンのホーカーであれば、ソフトドリンクが1〜2ドル、アルコールでも4ドルくらいで買えちゃいます。

レース中は、サーキット付近で飲食物を購入するしかないですが、そのほかの食事などは、公共交通機関を使って観光がてらどこかへ食べに行ってみるのをおすすめします!






シンガポールは地下鉄(MRT)がとても便利で、日本で発行したものでも、非接触IC型のVISAやMASTERといったクレジットカードなら、そのままSuicaのようにピッと使えます。






シンガポールGPの時期の市街は、夏の日本より暑いので、なるべく体力を消耗しないように、涼めるMRTなどを積極的に使うといいと思います。




今回私が買ったチケットは「Zone 4 Walkabout 3-Day」

2023年のシンガポールGPは、大きく4つのゾーンに分かれており、このチケットは「『ゾーン4』の自由席エリアであれば、どこでも観戦できますよ」というもの。
ゾーン4には、大きなライブステージも含まれていて、モニターが見える自由席のエリアもいくつか用意されています。

このチケットは、3日間通し券で298ドル(約3万2000円)。「自由席でこの価格なら日本GPの方が安い!」と思う人もいるかもしれませんが、シンガポールGPは大型アーティストがライブを行うことでも有名で、それもF1チケットで見ることができます。
実際に現地でライブやF1を見てみるとかなりお得な気持ちになれるはず✨





今年は、日本から「新しい学校のリーダーズ」が参加し、そのパフォーマンスに会場は大いに盛り上がっていました!


しかし、「自由席だと不安だから、きちんと席のある場所がいい」という人もいるかもしれません。

シンガポールGPのグランドスタンドや1コーナーなど、観戦しやすい席は10万円超えのチケットも多いのですが、少し離れた指定席であれば、3〜4万円のところもあるので、シンガポールGP初心者なら、そういった席を検討してもいいと思います。

また、購入が早ければ早いほどお得になる「アーリーバード」というチケットもあるので、シンガポールGPに行くのを検討している人は、1年前から公式サイトをチェックしておくといいかもしれません!




ということで、久々のシンガポールGP観戦は、とにかく最高でした!

毎日暑すぎて汗だくだったのですが、それもまたいい思い出。

シンガポールGPは市街地コースなので、マシンが目の前を走り抜けるところを見られますし、マシンのサウンドもビル群に反響するのでとても迫力があります🔥




街並みや夜景がとっても綺麗ですし、そこら中からライブの音が聴こえてくるし、観客もめちゃくちゃ盛り上がっていて……。
日本のようなサーキットで見るレースとは違い、F1を通した街全体のエンターテイメントという感じがあって、また違う視点からF1を楽しめると思います😊




シンガポールも観光できる場所が色々あるので、例えば、F1好きじゃない友人や家族と行っても楽しいと思いますし、それをきっかけにF1を好きになってもらうこともできるかもしれません!

航空券などは値上げ傾向にありますが、海外観戦は日本GPとはまた違った雰囲気を味わえるので、興味がある方にはぜひチャレンジしてみてほしいです!🎶

===================

伊藤梓(いとう・あずさ)
クルマ好きが高じて、グラフィックデザイナーからカーグラフィックの編集者へと転身。より幅広くクルマの魅力を伝えるため、2018年に独立してフリーランスに。
現在は、自動車ライターのほか、イラストレーターとしても活動中。ラジオパーソナリティを務めた経験を活かし、自動車関連の動画などにも出演している。

YouTubeチャンネル『伊藤梓の気ままな日常』ではF1を(ほぼ)毎戦、予選・決勝をYouTubeで実況生配信中!
チャンネル登録よろしくお願いします!
Posted at 2023/12/21 11:21:02 | コメント(1) | トラックバック(0) | 伊藤梓のモタスポ調査隊 | 日記
2023年12月13日 イイね!

カスタム大国アメリカNo.1のビッグイベント、SEMAショーに今年も行ってきました

カスタム大国アメリカNo.1のビッグイベント、SEMAショーに今年も行ってきましたこんにちは、みんじど特派員のKです。

昨年もレポートいたしました、アメリカ最大のカスタマイズ&アフターパーツ見本市、SEMAショー。

今年も10月31日から11月3日までの4日間、ラスベガスのコンベンションセンターで賑々しく開催されました。

alt

時折しもドル円レートが年初来安値の1ドル150円台を突破したタイミング。

ついつい長年の習性で1ドル100円計算をしてしまうワタクシ。物を買おうとするたび、円換算すると漏れなく1.5倍になる感覚に襲われ、手に取った商品をそっと棚に戻すことも一度や二度ではありませんでした(トホホ)。

alt

ちなみにこちらが、とある1日にワタクシめがSEMAの会場内で食した昼食でございます。手のひらサイズの紙トレーにペラペラのチキンナゲット3枚とフライドポテトが少々。そして小さな袋に入ったBarbecue味のポテチ。しめて20ドルでございます。


日本円に換算しますと、3000円!

日本円に換算しますと、3000円!


大事なことですので二度言ってしまいました。

もともとアメリカはインフレが進んでいる上、大規模イベント会場ですので物の値段が割高になるのは致し方ないのですが、ポテチが4ドル=600円と気づいた時にはレジで卒倒しそうになってしまいました(トホホのホ)。



さて。そんなことはともかく、イベント自体は今年も盛況でありました。

alt

GMやクライスラー、ホンダなどの大手自動車メーカーが出展を見合わせ、コロナ前の勢いを取り戻した……とまでは言えない印象も残りましたが、ブースを設けた業者間の商談は相変わらず活発に行われていたようです。ある意味トレードショーとしての本来の姿に回帰したような雰囲気も見受けられました。


そんな中で、とびきり注目されていたビックリドッキリメカたちをご紹介していきましょう!



alt

alt

alt

こちらはアメリカでは「350Z」という車名で販売されていた日産のZ33型フェアレディZです。

ド派手なワイドボディもさることながら、驚くべきはエンジンルーム。ホンダのミニバンなどに搭載されるK24型直列4気筒エンジンが、なぜか横置きに搭載されているではありませんか。

そしてクルマの後ろに回って、さらにびっくり!

なんとリヤ全体がパイプで組まれたチューブラーフレームとなっておりまして、こちらにも同じくK24型エンジンが搭載されているのです。そう、こちらは前後横置きのツインエンジンに仕上げられた4WDのZ33なのであります。



alt

alt

もうひとつエンジンスワップで印象的だった国産車が、こちらのGRスープラ。

なんと昨今の復活劇で話題のマツダ製ロータリーエンジンを積んでいるではありませんか! しかも13B型のローターハウジングを4つ連ねた4ローター仕様であります。



alt

alt

国産車で会場の話題を掻っ攫った一台といえばこちら。三菱ミニキャブをタイムアタックマシンに仕立てたカーボン製ワイドボディ仕様です。
単なる外装コスメであればそこまで話題にはならないのですが、なにせ製作元が全米のタイムアタック競技会やヒルクライムで有名なパイクスピークの参戦実績を誇るプロショップ。

これでマジでタイムアタックするん!?と大バズり。アメリカのKトラブーム、ここに極まれり!と感動いたしました。



地元アメリカのクルマも負けていません。

alt

alt

こちらは第2世代のポンティアック・トランザムをベースにしたV8ツインターボ車両。

ハコの中身を入れ替えたというレベルではなく、エンジンやサスペンションパーツを搭載する完全チューブラーフレームに、トランザムの外板を上から被せた代物です。

エンジンとトランスミッションは、ほぼ室内と言っていい位置に搭載され、エンジンルームに見えるのは幾何学的に結びついたサスペンションのアーム類。何がどう動いてどうなるのかまったくわからない、もはやアートの世界です。



alt

alt

イギリス出身の実業家スティーブン・ウィン氏が立ち上げた新星DMC(デロリアン・モーター・カンパニー)の登場で、にわかに注目度が上がっているデロリアンことDMC-12。

どうしてもバック・トゥ・ザ・フューチャーのイメージが強いのですが、こちらはオリジナルのワイドフェンダーを装着し、カスタム車両として高い完成度を誇る一台です。

もともとV6エンジンをリヤに搭載するRRレイアウトのデロリアンですが、こちらはみんな大好きV8にスワップした上、ツインターボに仕上げています。リヤバンパー下にターボとツインエキゾーストを取り回したオリジナルの配管がエグいですね。



alt

alt

古いクルマを新しい技術で「進化」させる試みも、SEMAで毎年楽しみにしているトピックです。

今年印象に残ったのが、こちらの57年式ポンティアック・チーフテン。6.0LのV8エンジンに載せ替えた上、さらにベルト駆動でエンジンをアシストする50kWの直流モーターを加えた「E-Charger」システムを搭載しています。

いわゆるマイルドハイブリッドを後付けするようなもので、50%の排ガス低減と150ポンドフィート(約203Nm)のトルク増幅を実現するそうです。モーターがやたらとデカいのが非現実的ですが、V8スワップしたショーカーにはむしろ映えポイントと言えるでしょう。



やたらとデカいで、もうひとつ気になったのがこちら。

alt

スーパーチャージャーのメーカーであるプロチャージャーの関連企業Inovairが参考出品した「3200GS」というブロワーです。

本来は航空機のジェットエンジンを始動させるためのスターターとして使われる物だそうで、これひとつでドラッグレースのトップフューエル3台分のエアフローを供給するそうです(白目)。



alt

alt

そしてそして、デカいで忘れてならないのが、ラスベガスの新名所としてオープンした球体型複合アリーナ施設の「Sphere(スフィア)」です!

内部はコンサート会場になっていて、SEMAの期間中はU2のライブが開催されていました。そして表面は超大型のLEDビジョンになっておりまして、時間ごとにまるで生き物のようにさまざまな模様に変化します。



alt

alt

昨年フォードが出展を見合わせたスキをついて、セントラルホールの一等地にブースを構えるようになったトヨタとレクサス。

ランクル250&レクサスGXの登場に合わせ、まるでランクル祭りと言えるようなブース展開で会場を賑わせました。ランクル250はノーマル車両の展示はあったものの、カスタマイズの出展はなし。来年から我々の度肝を抜くようなカスタマイズが登場することを期待しましょう!



alt

alt

“走ってナンボ”なみんじど部として見逃せないのが、こちらOPTIMAバッテリーが主催しているレースイベント「OPTIMAウルティメイト・ストリートカー・インビテーショナル」の参戦車両です。

こちらのND型ロードスター(アメリカではMX-5ミアータ)には、フォードの2.3L直4エコブーストがしれっと搭載されておりました。



alt

オートクロス、日本で言うところのジムカーナに近い競技の点数を競うレースなのですが、なんと採点項目には「クルマのカスタマイズの完成度」も含まれております。

つまり、速くてかっこいいクルマがチャンピオンになる可能性を秘めておりまして、ストリートカーをいじって走らせるのが大好きなプライベートチューナー兼ドライバーが全米からこぞって参加する草レースとなっております。



alt

alt

個人的にビビビと来たのが、こちらのC10トラックです。

「OPTIMAウルティメイト・ストリートカー・インビテーショナル」におきましては、「もっと競技に向いたベース車両が他にあるだろう」というツッコミは無粋でございまして、自分が好きなクルマ、乗りたいクルマをいかにかっこよく、そしてよく走り、よく曲がり、よく止まる車両へとアップデートしていくかがポイントなのでございます。

いかにもオートクロスには不利そうなC10ですが、こちらは荷台にキャノピーを載せたSUVルックでローダウンを行い、フルレザーの美しいインテリアまで備わっています。

走るショーカーでもなく、ショーに出られるレーシングカーでもなく、あくまでオーナー自身が「俺がかっこいいと思うストリートカー」を製作し、競技に参戦するわけであります。いいですね。



クルマを使った遊び方においては、どこの誰よりも柔軟で自由な発想力を持つアメリカ人。それを象徴するような、新しい乗り物もフィーチャーされていました。

alt

alt

HOONIGANのデモランエリアが開放され、参加者が順番待ちして自由に楽しんでいたのが、こちら。「Razor」というメーカーが商品化した「クレイジーカートXL」です。

いわゆる台車に電動モーターとバッテリー、ギヤ比が1:1の小径ステアリング、自由自在のドリフトを実現するレバーを取り付けた電動カートで、ハンドルを切りながらレバーを引くとあっさりケツが出て瞬時にドリフトモーションへと突入します。初めて乗ったであろう参加者もすぐコツをつかんで、楽しそうに乗っていました。

こんな形で誰でも気軽に楽しめる体感型のカーエンターテイメントも提供してくれるSEMA。その奥深さに今年もすっかりヤラレテしまいました。


写真:平野 陽

===================
みんじど特派員 K
自動車専門誌の編集プロダクション勤務を経て、フリーのエディター兼ライターとして独立。
決して表に出てこないが、恐らく誰もが一度は読んだことがあるほど多くのメディアに寄稿する、まさに自動車メディア界のドクターK(?)。
SEMAショーなどの海外取材はもはやライフワークと化しているが、オオタニサーンの応援がメインじゃないかと疑われている日々。
Posted at 2023/12/13 11:01:02 | コメント(0) | トラックバック(0) | 走行会・イベント情報 | 日記
2023年12月09日 イイね!

【コラム】そうだ、ニュルへ行こうよ!Vol.16 ~お台場に気軽に遊べる本格カート場が誕生したので行ってきた!~

【コラム】そうだ、ニュルへ行こうよ!Vol.16 ~お台場に気軽に遊べる本格カート場が誕生したので行ってきた!~みなさんゴキゲンよう!
モータージャーナリストの山田弘樹(やまだ・こうき)です。

千里の道も、一歩から。初心者でもクルマを目一杯楽しんで、最後の最後は「ニュルブルクリンクへ走りに行こう!」というこのコラム。

今回は、お台場にできた電動カート場「シティ・サーキット・東京ベイ」にTAKASHI君と行ってきました。

++++++++++


編集部TAKASHI(以下・TAKASHI):はい、山田さん! 今日はお台場にできた「シティ・サーキット・東京ベイ」に来ております!

山田弘樹(以下・山田):国内トップチームのトムスが企画運営する、「東京にできた本格カート場」だね。

TAKASHI:しかも、置いてあるカートが全て電動ですよ!

山田:トムスは全日本カート選手権で、EV部門の車両開発をしているんだよね。

そしてここは「東京23区内で唯一のモータースポーツ・サーキットコース」なんだって。それもきっと、電動カートだからできたんだろうね。





TAKASHI:デモ走行を見てても、静かでした。排気ガスも出ないし、これならナイトレースだってできちゃいますね。

山田:来年は、正にこのお台場で「フォーミュラE(ABB FIA Formula E 世界選手権)」も開催されるしね。

TAKASHI:そうでした!

お隣のビッグサイトで開催された「ジャパンモビリティーショー」も凄く盛り上がってましたし、一気にクルマの未来が押し寄せてきた感じですね!

山田:ほんとだよね。会場に来て驚いたけど、これは本格的な都市型サーキットだよ。

TAKASHI:ボクも今日は「取材でカートに乗れるのか、わーい!」くらいの気持ちで来たら、すごく立派な施設で驚きました。



山田:わかる!(笑)。でも仕事帰りにお台場は、ちょっと遠くない?

TAKASHI:そんなことないですよ。自分は学生時代、まさにここにあったトヨタのテーマパークである「メガウェブ」でバイトしていたんですけど、電車でのアクセスはすごくいいと思います!

山田:なるほど。あとは既存のサーキットやカートコースと比べたら、劇的に近いよね。

今までは近くても都心からだとクルマ移動で2時間くらいかかって、それだけで敷居が高くなってしまっていた。レジャーで楽しむのもいいけど、真剣にレースをやりたい若者たちにとっても、よい場所ができたと言えるのかな。

というわけで肝心なカートは、どうだった?



TAKASHI:エンジン付きのレンタルカートよりも、面白いかもしれないです。EVだから加速のレスポンスがとても良いですよね。

山田:今回試乗したレンタルカートはトップスピードが70km/hくらいだから、入門用レーシングカートよりは少し遅いくらい。でもEVだからアクセル踏んだ途端にトルクが出せて、100ccのエンジンカートとはまた違った速さがあったね。

エンジン回転を気にしないで走れるからブレーキングに集中できるけど、微妙なアクセル操作は必要になってきそう。

たしかに200cc/4ストロークのレンタルカートなんかよりは、ずっと速くて刺激的だったね。

TAKASHI:あとキッズ用 EVカートも可愛らしかったですね。



山田:ぶつかったとき頸椎を守るために、ヘッドレストも着いていたね。エンジン音がないから、小さい子でも怖がらずに体験できそうな気がするね。

TAKASHI:そういう点でいうと女性も試しやすいでしょうね。確かにEVカートは、モータースポーツの間口を広くしてくれる気がします。



TAKASHI:あと、コースもかなり曲がりくねっていて、少しアップダウンもあって面白かったです。常設コースじゃないから、いろいろ作り替えることができそうですね。

山田:コースに縁石が無くて、プラスチックウォールで仕切られているのは斬新でした(笑)。



TAKASHI:ちょっとハンドリングが独特ですけど、シミュレーターも用意されていてすごい施設ですよね。

山田:カートはタイヤのグリップが高くてハンドリングがダイレクトだから、それをモーターで忠実に再現するのはちょっと難しいかもね。でも慣れると、ほぼ実車と同じタイムが出るらしいよ?

ちなみにインストラクターや現役選手が乗ると、41秒台が出るらしい。



TAKASHI:うわー、速いですね! 私たち45秒台でしたよ(汗

山田:しかも今回のセッティングはメディア用に、リアが滑らないようにしてくれていたみたい。スピンしなかったでしょ?

TAKASHI:はい。でも曲がり切れなくて何度か壁にぶつかりました(苦笑)。

あと、本物のカートより汗をかきました!



山田:カートの動きがわかっている人とか、本格的にレーシングドライバーを目指したい人には、きちんと指導しながらセッティングも変えてくれるんだって。

TAKASHI:シミュレーターがあってトレーナーがいると、コースで走ってわからなかったことが直ぐに聞けたり試せるからいいですね。

山田:それは、ものすごく贅沢だよね。

TAKASHI:それと、プレゼンテーションもすごく知的で本格的でした。



山田:かいつまんで言うと、いまトムスはレーシングチーム経営だけじゃなくて、「EVモビリティ事業」「カレッジ事業」「デジタル事業」「新ビジネス事業」という4つの事業を構築していて、このシティ サーキット 東京ベイはドライバーを育てる「カレッジ事業領域」と、「デジタル事業領域」にリンクしているわけだね。

TAKASHI:東京にサーキットを作ったのは、モータースポーツの裾野を広げる目的であるのと同時に、新規事業としてのテストケースだと言ってましたね。

カート場を増やす計画もあるそうなので、子どもたちがプールやサッカーに通うようにカート場に通えるようになったら、モータースポーツの裾野がグンっと広がりそう! ホスピタリティも充実してますし。



山田:この東京シティサーキットには、「TOM'S」のロゴが全くないところも実は注目ポイント。それだけこの事業にトムスは、文化的な意味を込めているんだろうね。

ともかくカートを楽しみたい人も、運転がうまくなりたい人も、本格的にレーサーを目指したい若者たちも、一度は足を運んでみて欲しいな。いろんなことが感じ取れると思う。



TAKASHI:自分のクルマでサーキットへ行くのはまだちょっと敷居が高いけど、思い切り走ってみたい! という人にもお勧めですよね。

山田:もちろん。カートは4輪とは少し違うけど、その動かし方は基本が沢山詰まってますから。交通費が浮いた分、沢山走って欲しいです。

TAKASHI:EVカートとシミュレーターに2時間乗り放題の「プレオープンフェスティバル」も12月14日(木)まで延長したみたいですし、グランドオープンも12月17日(日)に決定しました。

申し込み概要もあるので、気になる人はホームページをチェックして足を運んでみてはいかがでしょうか??

>>シティ・サーキット・東京ベイの詳細はこちら!

関連情報URL : https://city-circuit.com

プロフィール

「\下田選手がデモラン/ 4/29(月)@取手緑地公園で行われる「こども天国」で、D1ドライバーの下田紗弥加選手がドリフトパフォーマンスを披露するそうです🚗💨 しかも今回、コミックペイントのRX-7を走らせるとのこと‼️ お近くの方はぜひお越しください〜🙌 #下田紗弥加
何シテル?   04/23 19:43
2021年夏、「ピットイン」改め『みんなの自動車部♪- みんカラスタッフブログ・スピンオフ!』始めました! Facebookグループ(https://ww...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2023/12 >>

     12
345678 9
101112 13141516
17181920 212223
24252627 282930
31      

過去のブログ

2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2023年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2022年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2020年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation