みなさんゴキゲンよう!
モータージャーナリストの山田弘樹(やまだ・こうき)です。
千里の道も、一歩から。初心者でもクルマを目一杯楽しんで、最後の最後は「ニュルブルクリンクへ走りに行こう!」というこのコラム。
今回は、12月に袖ヶ浦フォレストレースウェイで行われたカート大会に、TAKASHI君、みんじどコラムでもお馴染みの自動車ライター・伊藤梓さん、自動車雑誌『CAR and DRIVER』統括編集長の山本善隆さんの4名で参加してきたので、その時の模様を振り返ります。
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写真:Club Panther Tour
山田弘樹(以下・山田):さて今回は、袖ケ浦フォレストレースウェイで「カート」です!
編集部TAKASHI(以下・TAKASHI):
レーシングカートショップ ライズさんが主催する
「クラブパンサー 袖ケ浦400km GAMES =スポーツカーと耐久FES=」におじゃましています!
山田:普段は2輪と4輪が走るコースでカートなんて、新鮮だね!
TAKASHI:実は私と伊藤さんと山本さんは
昨年「K-TAI」で一緒のチームで走ったんですけど、四輪も走るコースはすごく広いです!
※K-TAI:
https://www.mr-motegi.jp/k-tai/
山田:なるほど! この袖ケ浦シリーズも、K-TAIを目指す人たちのファーストステップとして考えられているんだよね。私は初めてだから、ちょうどよかったかも。やっぱりモビリティリゾートもてぎとは、違う?
TAKASHI:コースは袖ケ浦の方が短いから、走りやすいですね。もちろん攻略が難しいところはあるんですけど……。
写真:Club Panther Tour
山田:あと、マシンが攻めすぎていないのもいいね。
レギュレーションはK-TAIの「クラス1/2」に準じていて、フレームはレーシングカート用。エンジンは4ストロークでヤマハ「KX200」(211cc 9.2PS/5600rpm)と、ホンダ「GX200」(196cc 6.5PS/3600rpm)の2種類から選択。あっ、K-TAIだと電動カートの参加も認められているみたいだね。
TAKASHI:へー! 耐久レースだからバッテリー交換が大変そう(笑)。
山田:でもそこで技術が磨かれていったらすごいよね。
ともかくエンジンカートの場合は、4ストロークでパワーも少ないから、ビギナーでも運転がしやすい。でもスリップストリームに付くと、車速がグンと伸びる。主催の中村さんはそこを体験して欲しいみたいだね。
ちなみに速度も80㎞くらい出てるみたいだよ。
写真:Club Panther Tour
TAKASHI:カートは着座位置が低いから、80km/hでも十分刺激的でした。スリップストリームは「レースしてる!」って感じですごく面白かったです!
山田:主催の中村さんも、扱いやすいのに、刺激的なところがスポーツカートの魅力だと言ってた。そう、これは「レーシングカート」じゃなくて「スポーツカート」なわけだね。
遠心クラッチ式はアクセルを緩めると途端に失速するから、タイヤを滑らせ過ぎてもロスになる。ただ全開で走ればいいわけじゃなくて頭を使うから、運転もうまくなるよね。
TAKASHI:そして、たとえ滑ってもコントロールしやすくて楽しかったです。本当カートはいい練習になりますね!
山田:耐久レース用のハードコンパウンドだったからね。どれだけ減ったかわかるようにタイヤには小さな穴が空いているんだけど、4時間走ってまったく減ってなかったよ(汗。
スリックタイヤはあんまりグリップが高いと横Gでアバラを痛めたり、最悪折ってしまうこともあるから、ビギナーにはローグリップな方がいいよね。それにしても冬場だからかグリップしなさすぎだけど(笑)。
写真:Club Panther Tour
TAKASHI:だから攻略が難しくて、最後まで3コーナーとヘアピンは、正解がわかりませんでした(白目)。
そして肝心なレースなわけですが、今回は伊藤さん、山本さんと我々の4人で車両をレンタルして出場しました。400kmの耐久レース、本当にお疲れ様でした!
写真:Club Panther Tour
山田:
いやーーーーーー、ほんっと……ゴメン!
私やまだ、第2スティントで盛大にスピンして一番ロスしました。
TAKASHI:いえいえ、みんな何かしら、スピンしてましたから!
私もウエットの中スリックタイヤで予選アタックに出て行って、アウトラップで2回スピンしました(笑)
しかし400kmが、意外にもアッという間でしたね。
山田:1スティントあたり40分以上走ってはいけない規則だから、みんな何回も乗ることができて楽しかったね。
写真:Club Panther Tour
TAKASHI:給油も1回につき2リッターまで、その際は3分停止と決まっていたし、給油所が渋滞しているときに入らないようにしたり、ピットインの度にチェーンに油を射したりと、みんながやることがあって退屈しなかったですね。
山田:給油所の空き具合は、スポッター置かないとわからないよねー。今回はTAKASHI君が監督兼任したけど、4人でもバタバタだったね(笑)。
写真:Club Panther Tour
TAKASHI:だから、沢山の仲間で楽しめますね。プロのレースで監督、メカニック、ストラテジスト、ケータリングなど色々な役割の人がいる理由がわかりました。
山田:給油所の計測も、3台までオフィシャルのお姉さんたちがしっかり計ってくれているし、初心者でも安全にカート体験できるよね。
TAKASHI:そして結果はというと、全18台中13位でした。悔しいーーーー!
山田:
いやまぢ、ホントごめん! 予選で真ん中だったのに。
今回は完全に、エースTAKASHIにおんぶにだっこだったわ。カートで負けちゃうとは思わなかったよ……。
TAKASHI:なんせ
私の方が10kg以上体重が軽いですからね(笑)
このコースだと、体重10kg差は大きいですよね。
そしてもっと燃費とか計算して、給油回数を減らす工夫も必要だと思いました。カートは奥が深いなぁ。
写真:Club Panther Tour
山田:ほんと。
そしてスピンは厳禁(汗。
速く走るのも大事だけど、
ロスなく走ることが何より重要。そこはまさに4輪の耐久レースと同じだから、これを極めていったらレースを理解できるようになるよ。
TAKASHI:あとは、マシンもすこーし違うような気がしました。
山田:われわれはレンタルマシンだけど、自前のチームは正直速かったよね(笑)。これだけテクニカルな部分が少ないコースで、ベストタイムで5秒違うことはないと思う。
写真:Club Panther Tour
TAKASHI:空気抵抗を減らすためにも、フロントカウルと耐久用シートは必須ですね!
山田:なんとそれもレンタルできるみたいだから、今度出るときはマストでしょう! というか「最初に教えてよーん」って感じだけどね(笑)。
TAKASHI:こうなると、カートも用意したくなりますよね!(鼻息)
山田:中村さんも、今は海外製のフレームがものすごく高いから、ロングホイールベースのオリジナルシャシーを開発したみたいだし。
TAKASHI:あのマシン、座らしてもらいましたけど、すごく寝そべっていて速そうでした。
山田:でもね、もともとは
「レンタルカートで、コストを掛けずに楽しむ」がライズさんのコンセプトだから。まずは熱くなる気持ちをグッと抑えて、できることをひとつずつクリアしていこうよ。
レースってさ、最初はすごく熱くなるけど、お金を掛けすぎると続かないんだ。でも掛ける時は、ビシッと掛ける。そういうことも学んで行かないとね。
TAKASHI:そうなると、チーム作りからですね! 伊藤さんと山本さん、また一緒に走ってくれるかなぁ? お菓子とかも食べ放題で、賞品も充実していたので早くまた走りたい!
山田:TAKASHI君、すごくハマってます(笑)。
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山田弘樹(やまだ こうき)モータージャーナリスト
自動車雑誌「Tipo」の副編集長を経てフリーランスに。編集部在籍時代に参戦した「VW GTi CUP」からレース活動も始め、各種ワンメイクレースやスーパー耐久に参戦。
こうした経験を活かし、現在はモータージャーナリストとして執筆活動中。愛車は86年式のAE86(通称ハチロク)と、95年式の911カレラ(Type993)。
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。