
みなさん、こんにちは!
レーサーに憧れ3●年が経つスタッフのTAKASHIです。
先日、会社の先輩と筑波サーキットに走りにいく予定だったのですが、大雨で残念ながら中止に……。
滑りやすい雨の日は、それはそれで練習にもってこいですが、
一歩間違えればクラッシュにつながるなどリスクも大きい……。
実際に過去私も、雨の日光サーキットでスピンして
土手にまっしぐら。
軽くヒットして
おニューのホイールとバンパーにキズをつけてしまいました(涙)
以来、溝の少ない激安タイヤで無茶することはやめました。嫁氏にめっちゃ怒られた…。
しかし、走行機会が限られるアマチュアドライバーは1度走行機会を逃すと、なかなか次がない。これじゃなかなか上手くならないっ!
どうしたもんか……と悩んでいたら、当ブログでコラムを書いてくださっているドリフトドライバーの下田紗弥加選手が
「私はシミュレーターも使って練習しているよ!」と教えてくれたので早速活用方法を聞いてきました!
ドリフトをシミュレーターで…?
これは
下田さんと一緒にゲームができる💕 なんて
下心全開で行ったら……
ドドドンっ!!!!
ガチだった(笑)
今回は下田選手のほか、このシミュレーター(以下SIM)施設
「FガレージSIMスタジオ」 のオーナーである「ファーストガレージ」の川原代表(右)と、SIMのメンテナンス・サポートを行っている
「ゼンカイレーシング」の林社長(左)にもお越しいただき色々とお話を伺ってきました(超豪華)
ファーストガレージさんは、フェラーリなどのスーパーカーを販売する傍ら、マクラーレンのスペシャルショップとしてレーシングカーのメンテナンスも手がけるレーシングチーム。
ゼンカイレーシングは日本発の本格SIMブランドで、電動アクチュエーターを備えた4.1軸機構のモーションSIMや、ドリフト専用SIM(!)なんかを手がけるなど、業界ではかなり有名な存在です。
そんなプロフェッショナルなお三方に、TAKASHIが素人丸出しでアレコレ聞いてきました。
ここからはインタビュー形式でどうぞっ!
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――:最近かなりレースSIMが盛り上がっているようですが、その背景は?
林社長:世界中で大きなeスポーツ大会が開かれるようになり、さらに新型コロナウイルスの蔓延で世界中のレースが軒並み中止になって、活躍の場を失ったレーサー達がドッと流れ込んで盛り上がりを見せています。
日本だと多くのユーザーが『グランツーリスモ』に“ハンコン”(ハンドルコントローラー)を付けて遊ぶというのがスタートだと思うんですが、やり込むとだんだん物足りなくなってくる。
そこからさらにリアリティを追求するユーザーが『Assetto Corsa(アセットコルサ)』などパソコンソフトに移行して、パーツやフレームもより大掛かりになっていくというのが一般的ですね。
――:ハンコン! 私も昔遊んでいました。私の場合、“ゲーム”というイメージが強くやっぱりリアルがいいなと思ってやめちゃったんですよね。私のハンコンは多分実家でホコリをかぶっています(笑)
でも確かに、F1ドライバーのマックス・フェルスタッペン選手やランド・ノリス選手も自宅のSIMで遊んでいるって聞きますもんね。
写真:ロイター/アフロ
――:下田選手がシミュレーターを取り入れたキッカケは何だったんですか?
下田選手:コロナの影響でなかなか思うように練習ができなくて導入した、というのもあるんですが、私の場合“追走”に課題を感じていてそれを練習したかったのが大きいですね。
追走は相手を探すのがそもそも大変なんです。ガソリン代やタイヤ代、コース使用料も倍必要になるし、追走ができるくらい上手な人とスケジュールも合わせなくちゃいけなくて。
SIMはエンドレスでずっと走れるし、時間帯を合わせれば海外の上手い人とも練習ができるのが大きいですね。
――:ぶっちゃけ、初期導入に結構お金かかりますよね……?
下田選手:今はファーストガレージさんの「FガレージSIMスタジオ」を使わせてもらっていますが、自宅に導入した時、総額80万円ぐらいかかりました。けど、練習用のドリ車を用意するだけでもそれ以上かかるし、一度組んじゃえば電気代ぐらいしかかかりません(笑)
――:確かに! タイヤ代もガソリン代も、コース使用料も必要ないですもんね(笑) ゲームで100万円は高いと思うけど、クルマを買うよりは遥かに安い。やっぱりゲームと思っちゃいけないのか…。
林社長:私はクルマ好きが高じてレースSIMを組み始めたんですが、そしたら知り合いにオレのも作ってくれ! と頼まれたのが「ゼンカイレーシング」創業のキッカケです。
うちのユーザーはジェントルマン・ドライバーの方も多く、彼らは普段自分のビジネスをやりながら忙しい合間を縫って練習をしないといけないから、費用対効果をとても大切にするんですね。
サーキットで練習する場合、現地に行ってメカニックも雇って……とかなりの時間とお金がかかる。遠方のサーキットならなおさら。SIMの場合、電源を入れれば世界中のサーキットで練習できるので、自宅にレーサーを呼んでトレーニングしてもらう人も多いんですよ。
川原代表:うちも最初は所属するレーサーのトレーニングのために導入したんですが、今では彼らがレッスンを行なったりと色々な使い方をしていますね。
――:なるほど。それだけSIMで走ることに効果があるってことなんですね。
林社長:費用がかからずに色々試せるというのが大きいですね。例えば、このコーナーをノーブレーキで行ったらどうなるのか? という経験をノーリスクで試せる。リアルだとクラッシュするかもしれないですが、SIMならいくらクラッシュしても痛くも痒くもない(笑)
下田選手:来シーズンのD1は、富士スピードウェイや筑波サーキット、オートポリスなど、普段ドリフト走行が出来ないコースもカレンダーに組まれているので、コース習熟にも活用しようと思っています。
クルマの挙動は、MOD(車両)の出来にかなり左右されるのでレースでは現場で合わせる必要があるのですが、ギア比などはかなりの精度でシミュレーションできる。
事前にある程度クルマを作り込んでおけば、現場での作業がとてもラクになって走りに集中できるので、今は事前準備という目的でも活用しようと思っています。
なのでSIMはまさに、サーキットへのどこでもドアなんです!キリッ
一同:大爆笑
林社長:じゃあ下田選手のD1マシンのMOD作りましょうか!笑
――:そんなこともできるんですか!?
林社長:クルマにロガーを積んで、そのデータを元に作成することも可能です。クルマだけでなく、サーキットも2〜3ヶ月あれば作ることもできますよ。うちは日産さんと組んで実際にリアルな横浜の街のコースを作ったりもしています。
――:凄い! 本当にどこでもドアだ(笑) 俄然、SIM興味が湧いてきました! 導入する上で注意するポイントは?
下田選手:ドリフトは腰で後輪の動きを把握するんですが、SIMは視覚に頼る部分が多いので、そこは慣れも必要ですね。SIMならではの特性を理解した上で導入した方が後悔は少ないと思います。
林社長:お金周りで言うと、組むだけなら50〜60万円ぐらいで作ることもできますが、モーターなどのパーツの出来でフィーリングが大きく変わるので、安易に安いモノにしない方がいいですね。ソフトが日本語に対応しているかどうかなども注意が必要です。
あと、クルマ(MOD)の作り込みなどセッティングと走り込みが必要になってくるので、買うだけで運転が上手くなる、というモノでは当然ないです(笑)
――:結局はリアルと一緒で走り込みが必要なんですね(笑)
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実はこの日、私は
「第33回 メディア対抗ロードスター4時間耐久レース(4耐)」の直前。
と言うことで、私TAKASHIもロードスター(正確にはMX-3のレース車両)で筑波サーキットを走らせてもらいました。
乗ってみると、
こりゃゲームじゃない……と言うのが正直な感想です。
無言でひたすら走ってしまった(笑)
下田選手が言うように視覚情報に頼るなどリアルと違う点や、ハンドルの重さやクセみたいなのはあるんですが、クセがあるのはリアルの車も同じ。
コースも本当にリアルなので、SIMでしっかりと走り込んで本物に乗れば、
実走行では大きなアドバンテージになると感じました。
何より、私はブレーキの使い方が下手くそなんですが、そんな
個人のクセをデータで見ながらすぐに指摘してもらえたのが大きかった!
ただ闇雲にサーキットを走るのではなく、自分の
課題を発見し、それと向き合いながら練習すれば
数段早いペースでレベルアップできそうです。
ちなみに気になる
車酔いに関して私は全く影響がなく(鈍感?w)、林社長によれば、個人差はあるがモーションSIMの方が酔いやすく、固定SIMの方が酔いは少ないそうですが、FOVなど実車とのギャップを埋めていくことで酔いにくくしていくことも可能とのこと。
もう一度言います。
鈍感じゃなく個人差ですよ!笑
ちなみに、今回のアドバイスを意識して走ったおかげなのか4耐では……
3位表彰台\(^o^)/
左の「ハイオクマンタン」パーカーが我々carview!・みんカラチームです。
ホントお三方には感謝しかありませんっ!
今年の4耐では、2位のチームの5人中3人のドライバーがSIM出身だったり、他のチームでもSIMのチャンピオンがプロ顔負けのタイムで周回してたりと、レースの世界でも着実にSIMの影響力は増している様子。
いきなりSIMを買うのはハードルが高いですが、〇〇分△△円で体験できる施設も増えているので、今までゲームと同じと思っていた方は、是非一度体感してみてはいかがでしょうか?
え?私?
お金貯めますっ!!(真顔)
ではではノシ
取材協力:
ファーストガレージ:http://www.first-garage.jp/
ゼンカイレーシング:https://zenkairacing.com/
下田紗弥加:https://drifting-sayaka.jp
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Posted at
2022/12/14 11:01:02