
みなさんごきげんよう!
モータージャーナリストの山田弘樹(やまだ・こうき)です。
クルマ好きの、クルマ好きによる、クルマ好きのためのコラム「そうだ、ニュルへ行こうよ!」。
第6回目となった今回は、“初めてのクルマ”と“サーキットデビュー”について考えます。
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山田弘樹(以下・山田):モータースポーツもシーズンオフに入って、そろそろアマチュアのシーズンインだね!
TAKASHI:ですね! 気温が下がってエンジンも絶好調。ベストタイム更新のチャンスですね。
この時期になると、リーズナブルな走行会が増えてくるのも嬉しいんですよね。
山田:そうなんだ? ところでTAKASHI君が初めてサーキットを走ったのはいつ頃?
TAKASHI:実は学生の頃、お台場にあったトヨタのテーマパーク
「メガウェブ」でアルバイトしていたんですよ。
山田:ほぉ、クルマ好きだねぇ!
TAKASHI:はい(笑)。そのときバイトの先輩に誘われて、
「南千葉サーキット」に連れていってもらったのが最初ですね。
山田:そのときは何に乗っていたの?
TAKASHI:クルマは持っていなくて。サーキットに専用のレンタカーがあって、それを借りて走ったんですよ。確か
「サニー」でした(笑)
※イメージ
山田:ミナミチバサーキットっと……あっ、ホントだ。平日のフリー走行だと
半日フルコースでも8800円!?
これ、面白そうだね。あっ、ドリフトレッスンとかもやってる。
TAKASHI:当時まったくの初心者だったけど、とても楽しかったです!
ヤマダさんが初めて走ったのはどこですか?
山田:峠……(笑)。というのは置いといて、初めて走ったのは日光サーキット。
学生のとき自動車雑誌の編集部でバイトしてて、そこでライターをやっていた人が走行会を開催していたんだよね。
「走りに来いよ」って言われて、
42万円で買った虎の子のハチロクで行きましたよ。そしたら
「初めてなのに速いじゃん」っておだてられて、本気にした(笑)。
※イメージ
TAKASHI:わはは(笑) 最初ってそんな感じですよね(笑)
山田:今日は
「一番最初に乗るクルマ」について話そうと思うんだけどさ、TAKASHI君の初めて買ったクルマは何だったの?
TAKASHI:いま乗っているNDロードスターです(キリッ
山田:えー! 最初から「NR-A」(※)を買うなんて、気合い入ってるね(笑)
※サーキットを走るためのアイテムを最初から装備した、ナンバー付きのモータースポーツベース車。さらにロールケージなどの専用部品を装着することで「ロードスター パーティーレース」にも出走可能。
TAKASHI:諸経費入れて、乗り出しで300万円ぴったりでした(汗。
新卒にはなかなか辛かった…笑
山田:そんな気合い入っていたの? レーサーになりたかったの?
TAKASHI:いえいえ(笑)。速く走りたいというより、
「サーキットを走ってみたい!」だったんです。
山田:いきなりサーキット走りたいって、フツー思うかな?
TAKASHI:小さい頃からクルマが大好きで、『グランツーリスモ』をずっとやってたんですよ。
それで「いつかは本物のサーキットを走ってみたいな」って思ってました。
だから、オイルやブレーキパッドとか消耗品だけきちんと変えればサーキットを走れるクルマがいいなと思って、NDロードスターのNR-Aを選んだんです。
山田:FRだしね!
TAKASHI:正直駆動方式は、あまりこだわらなかったんです(笑)カッコよくてNR-Aのパッケージングがいいなって思ったのと、あとは
オープンカーだったから(笑)。
山田:どういう意味?
TAKASHI:実は奥さんとハワイに新婚旅行にいったとき、
「マスタング」のオープンカーを借りたんですよ。ベタですけど(笑)
それがすごく気持ち良くて、二人とも
「オープンカーいいね!」ってなったんですよ。
だからオープンカーなら許してくれた。ロードスターは奥さんもとっても気に入ってくれてます。
山田:すごっ! でも奥さんが納得してくれるのって、とっても大事だよね。
TAKASHI:はい。家族の理解がないとなかなか走りに行けないので(汗)
山田さんは、ハチロク(AE86)が一番最初のクルマですか?
山田:そこは話すと長いんだけど……。あるとき一大決心して
「RX-7(FD3S)」を買ってね、それを
峠で全損させました。
TAKASHI:ひゃー!
※イメージ
山田:そこからが貧乏生活の始まりで。諦めきれずに「NAロードスター」のSスペシャルを買ったんだけど、維持できなくて手放して。
悔しくて
鬼のようにバイトして40万円貯めて、一番最初のAE86(2ドア トレノGT)を手に入れました。
TAKASHI:気合い入ってますね(汗。
山田:もう、クルマが全てだったんだよね。でも、そのおかげでガンガン走れた。友達から
タダでもらった車高調は左右でダンパーが違ったりしたけど、嬉しかったなぁ。
タイヤも14インチだから安いし、それすらもお古をもらった。最初からLSDが入ってたから、ドリフトの真似ごともできた。初めてカウンター当てたときは感動したなぁ!
TAKASHI:そう考えると、昔はクルマが安く手に入ったんですね。っていつ頃の話ですか?苦笑
山田:ん~、90年代前半かな。いや、
40万円のハチロクなんて高級車だよ。ボロいのは、20万円くらいで買えた。先輩からもらってるヤツもいたよ。
TAKASHI:へえぇ。そういうクルマ、なくなっちゃいましたね……。
山田:いや、
ZC31/32の「スイスポ」なんか、
50~80万円の間で結構あるよ。NA時代のスイスポ、好きです。
※イメージ
TAKASHI:やっぱり
俺達のスイスポだなぁ(笑)
あれ? 山田さんFR派じゃないんですか?笑
山田:個人的にはね。FFなんて、むしろ贅沢品だと思ってた。
TAKASHI:どうしてですか?
山田:だって
ドリフトもできないのに、高いんだよ?
オレもTAKASHI君と同じで、速くじゃなくて、うまくなりたかったの。
TAKASHI:なんかおかしいです(笑)
山田:でもいまは、なかなか自由にクルマを選べないじゃん。86やBRZのチューコでも、100万円以上するもんね。自分が若かったら、でっきるだけ安いの買って、16インチでとにかく走る。……なんか古い感じするな(汗。
でも、無理して高いFRを買うくらいなら、
安いスイスポでガンガン走った方が得るものが多いと思う。
TAKASHI:FRは、それからでも遅くないと。
でもなんで、そこまでして走りたかったんですか?
山田:オレが学生の頃は、グランツーリスモはなかったんだけど
『ベストモータリング』っていうビデオマガジンがあったんだ。
免許取り立ての頃、コンビニで何の気なしに買って、家で見たらこれが面白くてぶっ飛んだ。
TAKASHI:
“ベスモ”ですね! 私も小さい頃親戚にもらったビデオテープを擦り切れるくらい見てました。お小遣い貯めてDVDも買ったなぁ(笑)
山田:そう! 当時最新だったGT-R(R32)とかインプレッサ(GC8)とか、ランエボにレーシングドライバーが乗って、毎回サーキットでバトルするんだよ?
実際に走るクルマの映像はすごくリアリティあってさ、TAKASHI君みたいに
「オレもこんな風に走りたい!」って思ったわけ。
TAKASHI:そういう、見ていてアツくさせる雑誌やビデオが多かったんですね。私も中学生の時は『option』が愛読書になってました。当然免許はないので、妄想ばかりが膨らみっぱなし(笑)
山田:いまはYouTubeで見られるから良い時代になったよね。そういうのに憧れてとにかく走ったなぁ。
もちろんクルマ選びも大事だけど、まずは何でもいいから、とにかく走ることが上達の近道かな。
せっかくだから、今度は南千葉サーキットに行ってみようよ!
今はもう
夜な夜な峠を攻めるっていう時代じゃないし、
リーズナブルかつ安全にたくさん走れる場所を紹介するのもこのブログとして意義があると思うんだ。
TAKASHI:いいですね!
サクッと手軽に走りにいけることこそまさに
「ニュルへ行こうよ!」ですね!
サーキットレンタカー、久しぶりに乗ってみたい!
※参考写真:トヨタ自動車、日産自動車、マツダ、スズキ