
皆さん、こんにちは! 自動車ライターの伊藤梓です。
毎日暑くて溶けそうですが、いかがお過ごしでしょうか?
私は、この灼熱の天気の中、7月16日にモビリティリゾートもてぎで行われた
「もてぎKART耐久フェスティバル(通称K-TAI)」に参加してきました。
K-TAIは、20年以上続いており、なんと7時間という長丁場の耐久レースなんです!
今年も
総勢99台がエントリーして賑わいを見せていました🔥
ほぼ未経験のカートでレースに参戦したことは、もちろんとっても楽しかったのですが、私自身が一番感動したのは、参加させていただいたチームの雰囲気や体制が素晴らしかったこと。
カートレースの楽しさは、きっと
みんカラスタッフのTAKASHIさんが伝えてくれると思いますので(笑)、私はレースにおいての
チームの大切さをお伝えしたいと思います😊
今回、私が参加させていただいたのは、20年以上前からレース活動をしている
「Club Racing」。
Club Racingは、ルマン24時間レースに監督として出場したことのある山崎憲治さんや、レースを題材とした多くの著書や本田宗一郎さんの伝記なども手がける中部博さんが中心となって発足したチームです。さらにレジェンドドライバーの高橋国光さんや津々見友彦さんも所属していた由緒あるチームでもあります✨
今年はClub Racingから3台出場するということで、
「その1台に乗って欲しい」と連絡が来た時、正直、最初は
「そんなにすごいチームに私が入って大丈夫なのかな……」と不安でした。でも、初めて練習に行った時から、皆さん親切で一体感があって、すぐに溶け込むことができたのです。
中部さんにお話を伺うと、このチームは
「レースの楽しさを伝えたい」という思いから発足したチームなのだそう。
「チームメンバーには、サーキットでめいっぱい遊んで楽しんでもらって、『レースが面白い』って思ってもらえたらそれが一番。そして、その素直に感じた気持ちを他の誰かにも伝えてもらえたら嬉しいよね」と中部さん。
ドライバーや参加者に安心してレースを楽しんでもらうために、その周りの環境もきちんと整えようとサポートメンバーも信頼できる人ばかりで構成しているそうです。
今回、特に心強かったのは、メカニックとしてマシンの準備からメンテナンスをフルサポートしてくれた
長谷川モータースの長谷川透さんと長谷川透吾くんのお二人。
右が透さん、左が透吾くん
長谷川モータースは戦前から続いている自動車工場で、
透さんが3代目で、なんと
透吾くんは4代目になるそう!
こんな風に4代目まで続いているのは珍しいですよね👀
普段、
長谷川モータースでは、クラシックカーの修理や整備、チューニング、レースサポートまで様々な仕事を受けているそうです。
中部さんと長谷川さんは25年来のお付き合いで、25年前にヒストリックカー・レースで乗っていたMGミジェットのA型エンジンをチューニングしてもらい、
「自分の人生の中で、もっとも“美味しい”エンジンだ」と思うほど感動したそうです。
その腕と人柄に感銘を受けて、Club Racingへとお誘いしたのだそう。そして、長谷川モータースで仕事をするようになって4年目の透吾くんにもその思いや技術は受け継がれています。
透吾くんは、その場にいるだけでチームを明るく和ませてくれる一方で、ひとりひとりの走りもしっかりチェック。区間タイムのばらつきを見て、頑張りすぎている人がいるなと思ったら、万が一クラッシュが起きた時のために部品交換のシミュレーションをしてすぐ対応できるようにしているそうです。
お二人だけでなく、ほかにも頼もしいスーパーメカニックさんたちがいるおかげで、私たちも最初から最後までレースに集中して走り切ることができました👨🔧
そして、自分のスティントが終わってピットに戻ると、仲間が迎えてくれて、休憩できる椅子や机があったり、冷え冷えの飲み物がたくさん用意されていたり、お腹が空いたら手作りの絶品カレーがあったり……本当に至れり尽せり!
私は自分一人でレースをしたことがありますが、
「あれがないこれがない、あれもやらなきゃこれもやらなきゃ😭」と、レース以外にも気を張らなければいけないシーンがたくさんあり、とにかく忙しくて疲れた記憶があります。
なので、このClub Racingのホスピタリティには感謝しきりでした。
もし「これからレースをやってみたいな」と思う人は、ぜひお友達や家族を誘って、少しでも手伝ってもらうことをおすすめします。きっとみんな心に残る体験ができると思いますよ💛
私は、96号車から参戦したのですが、チームメンバーも本当に素敵な人ばかりでした。エースドライバー+マシン調整から燃費管理その他諸々までほぼ全てをやってくださった小山さん、カートップの走れる編集長の石田さん、カート場で働いていて気配り上手な大学生の長野くん、10歳の頃から出場し続けている高校生の田中くん。
全員がクラッシュしたりペナルティを受けることなく、7時間走り切ることができて本当に嬉しかったです!
悔しいのは私のレースペースが圧倒的に良くなかったこと……😭
箱車とカートの走らせ方は全く違うので、またカートに乗る時に向けてしっかり練習しようと思いました🔥
そして、なんと今回
アンカーという大役まで務めさせていただきました!
ヘロヘロになりつつチェッカーを受けた時、
「マシンを壊さないで7時間走り切れた……!」という安堵感が先に来たのですが、オフィシャルさんたちに手を振っている途中で、ようやく感動が。
K-TAIを振り返ると、チームを中心にたくさんの人に支えてもらい、そして、チームメンバー、メカニックさん、サポートの皆さん、ひとりひとりが頑張ってくれたからこそゴールできたんだよなぁと。チームのところへ戻って来て、全員の顔を見たら
「本当に大好きな人たちばっかり!」と抱きしめたい気持ちになりました。
今思えば、最初の練習から数えると会ったのは数回ですし、時間も短期間だったはずなのに、K-TAIを通してこれまで出会えなかったような人たちと出会えたことは、これからの人生の大きな財産になるだろうと確信しています。
またどういう形でもClub Racingに関わって、皆さんとの交流を深めつつ、私自身もモータースポーツの楽しさをこれからも伝えていきたいと強く思いました🫶
撮影:クラブレーシング(森山良雄/伊藤毅/西川昇吾/井上悠大)
協力:株式会社ホンダファイナンス/関彰商事株式会社/本田技研工業株式会社/ホンダモビリティランド株式会社/株式会社ホクビー/(有)ケイズカンパニー
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伊藤梓(いとう・あずさ)
クルマ好きが高じて、グラフィックデザイナーからカーグラフィックの編集者へと転身。より幅広くクルマの魅力を伝えるため、2018年に独立してフリーランスに。
現在は、自動車ライターのほか、イラストレーターとしても活動中。ラジオパーソナリティを務めた経験を活かし、自動車関連の動画などにも出演している。
YouTubeチャンネル『伊藤梓の気ままな日常』ではF1を(ほぼ)毎戦、予選・決勝をYouTubeで実況生配信中!
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