
みなさんゴキゲンよう!
モータージャーナリストの山田弘樹(やまだ・こうき)です。
千里の道も、一歩から。初心者でもクルマを目一杯楽しんで、最後の最後は「ニュルブルクリンクへ走りに行こう!」というこのコラム。
今回はTAKASHI君と「ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京」で「Gフォース プログラム」を体験してきたお話です。
このプログラム、ポルシェを買いたいと思っている人にこそ、超オススメです。帰りにディーラー直行、間違いなしです(笑)。
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山田弘樹(以下・山田):なんと今月は、
「ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京」にやってきています!
編集部TAKASHI(以下・TAKASHI):またハードルあげちゃいましたね!?汗
山田:そんなことないよ。
今回体験させてもらうのは
「Gフォースプログラム」なんだけど、クルマは
911カレラ(385PS)と
911カレラS(450PS)、そして
911カレラGTS(480PS)の3種類から選べて、その価格も
8万円/10万円/11万5000円。
TAKASHI:庶民派の私には十分高いんですが(汗。
山田:いやいや、よーく考えたらこれは破格だよ。TAKASHI君、
「一度はポルシェに乗りたい!」って思ってるでしょ?
TAKASHI:もっちろんです! 私もいつか山田さんみたいにポルシェオーナーになるのが目標です(鼻息
山田:本気でそう思っているに人こそ、思い切ってこのプログラムを体験して欲しいと私は思うんだ。
だって仕事では動かしたことあっても、ポルシェでスポーツドライビングしたことないでしょ?
TAKASHI:撮影で運転はしますけど、思い切り走らせたことはないです。キズでもつけたら………(滝汗。
山田:僕が
「いつか絶対911に乗る!」って思えたのは、思い切り走らせるチャンスが得られたからなんだよね。
おっかなビックリ走らせても凄さはわかるんだけど、きちんと走らせると本当の良さがわかるんだ。
TAKASHI:それが安全なコースで、メンテナンス代も含まれた状態で走れるのは確かにチャンスですね。
山田:うん。さらにインストラクターまで付いてくれるから。
TAKASHI:本気で欲しいと思っているなら
憧れているだけじゃなくて乗ってみろ! と。
山田:実際に走らせて「あぁ、違った」って思うならそれもよし。ただ悶々と憧れているよりずっといいと思うんだよね。
でも、もっと好きになっちゃうと思うけどね(笑)。
そういう意味で言うと、本当はTAKASHI君が体験した方が、よかったプログラムかも……(汗。
TAKASHI:失敗しました~(泣。
ということで
「Gフォース プログラム」ですが、今年の6月に始まったばかりの新メニューなんですよね?
山田:そう。PECのドライビングプログラムは全部で5つのピラミッドから成り立っていて、Gフォース プログラムは上から2番目。
1番上には、マスタークラスの
「ポルシェ アクセラレート プログラム」があります。これは2.1kmのクローズドコースを走って、インストラクターがデータを解析しながらアドバイスして行く、なんと4時間(!)のプログラム。
対してGフォース プログラムは
・スキッドパッド
・キックプレートでの360度スピン体験
・低μ路ハンドリング
・180度ターン体験
・コース走行
の5つ。これを90分枠のなかで時間いっぱい、好きなだけ楽しめます。
TAKASHI:盛りだくさんですね! 一番面白かったのは、何ですか?
山田:もちろんスキッドパッド!
定常円旋回は普通のドラビングエクスペリエンスにも盛り込まれているメニューなんだけど、Gフォース版はパイロンとパイロンの間をドリフトしながら通り抜けなきゃいけないんだ。
しかもそのパイロンが、定常円の内側と外側に配置してある。
これがとっても難しいんだ。
TAKASHI:でもインストラクターの方が「うまい!」って褒めてましたよ?
山田:いやいや、教え方がものすごく丁寧なんだよ。ちなみにこのメニューのインストラクターは、10人しかいない精鋭ぞろいなんだ。
TAKASHI:インストラクターさん、運転もトークもすごく上手でしたもんね。
山田:乗り込むときにドアを開けてシートベルトをスッと差し出してくれるところなんか、完璧ですよ。
TAKASHI:私もそんなジェントルマンになりたい(震)
ところでやっぱり、リアエンジン・リアドライブのドリフトって難しいんですか?
山田:フロントエンジン・リアドライブのクルマと比べるとトラクションの掛かり方が強いから、ちょっと独特だよね。
低速だとフロント荷重も少ないから、急にハンドルを切るとアンダーステアになっちゃうし。でもアクセルを一気に踏みすぎてもスピンしちゃうから、滑り出させるまでが大変。そしてドリフトアングルをオジするのは、もっと大変(笑)。
TAKASHI:インストラクターさんは、1速でかなり高回転キープしてましたね。
山田:盛大に空転させるけど、車体のピッチングは少なく。
ほんとうに惚れぼれするほど上手だよね。そしてそのコツを、出し惜しみせず教えてくれるんだ。もう一日中、これだけやってたいと思った。好きなセクションでずっと走っていてもいいんだけど、さすがに最後は
「他のも体験しましょう!」って言われちゃった(笑)。
TAKASHI:「キックプレート」とか「180度ターン」は面白いメニューですよね。
山田:キックプレートは通り過ぎると床がバーン! って動いてスピンモードに入るのね。そこからアクセルを踏んで1回転して元に戻るんだけど、難しくてできなかった。
「180度ターン」はバックスピンターンだよね。30km/hくらいで走ってハンドルをグイッ! と切ると、180度クルマの向きが変わる。そこからすぐドライブレンジに入れて、颯爽と走り出す。
「これ、緊急回避とかに役立つんですか?」って聞いたら
「楽しんで頂くメニューです!」だって(笑)。
まじめ一辺倒じゃないところも、息抜きになって楽しかったよ。
TAKASHI:最初の説明で
「デートでヤバいことが起きた時に使うテクニック」って説明がありましたもんね(笑)
コースはニュルブルクリンクを模した
「カルーセル」や、ラグナセカの
「コークスクリュー」が再現されているんですよね!?
山田:前半のS字セクションなんて、911カレラGTSで走っているとちょっと速すぎて怖いくらい。アップダウンもあるし、最終コーナーはブラインドだから、思わず尻込みしちゃったよ。コースを知り尽くすほど走ったら、面白そうだよね。
ヘルメットもいらないし、サーキットで全開走行するのとは違うけど、インストラクターさんが911の走らせ方をここでも丁寧に教えてくれます。
サーキットで本格的に走りたいなら
「ポルシェ トラック エクスペリエンス」だけど、これは自分のポルシェで参加するプログラム。
TAKASHI:つまり楽しみながら、
「ポルシェって実はどーなん?」というのを体感するのがGフォースのメニューなんですね。
山田:そういうこと。
本気でポルシェが欲しい! いつかはなんとしても買う! って思っているなら、まず体験して欲しいプログラムだね。
私は今回911カレラGTSに乗せて頂いたけど、911カレラで十分だと思う。むしろ
「ベーシックな911でも、こんなに素敵なのかッ!」って思えるはずだよ。
TAKASHI:やっぱり僕が乗ればよかったです(白目)
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山田弘樹(やまだ こうき)モータージャーナリスト
自動車雑誌「Tipo」の副編集長を経てフリーランスに。編集部在籍時代に参戦した「VW GTi CUP」からレース活動も始め、各種ワンメイクレースやスーパー耐久に参戦。
こうした経験を活かし、現在はモータージャーナリストとして執筆活動中。愛車は86年式のAE86(通称ハチロク)と、95年式の911カレラ(Type993)。
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。