
皆さん、こんにちは!
F1大好き自動車ライターの伊藤梓です🏎️
今年もやって参りました、F1日本グランプリ!
私自身は、人生5回目となる現地観戦をしてきました。
日本グランプリは、昨年から秋開催から春開催へと変更になり、今年は4月4日〜6日に開催されました。
今年も、鈴鹿サーキットはちょうど桜が満開で、世界最高峰のF1マシンと桜が美しいコントラストを生み出していました。🌸
私は金曜日のフリー走行から現地入りしたのですが、とにかく驚いたのは人の多さ!
数年前までは、金曜日であればどこも空いている状態で、買い物やイベント、鈴鹿サーキットに併設されている遊園地なども楽しめたのですが、今年は金曜日からどこもいっぱい。
それもそのはず、今年の日本グランプリの観客動員数はなんと3日間で26万人を超えたとか。昨年からみても約4万人増加しており、近年でもっとも観客が訪れた日本グランプリとなったそうです。
コロナ明けから観客が増えているなぁとは思っていたのですが、NetflixでF1のドキュメンタリーが放送されるようになってから、さらにこれまでレースに関心がなかった人たちや若い世代の人たちが一気に増えているように感じます。
そして、今年は日本人にとって驚くべき大ニュースが!レーシングブルズに所属していた角田裕毅選手が、なんと日本グランプリからトップチームのレッドブルレーシングに移籍することが決まったのです!
トップチームに所属するということは、ワールドチャンピオンになるのも夢ではないということ。角田選手のセンセーショナルな移籍も、さらなる観客動員につながったのかもしれませんね。
写真:本田技研工業
しかし、この発表があったのは日本グランプリの一週間前。
鈴鹿サーキットでは、すでにレーシングブルズのスーツを着た角田選手の大きな看板や旗などがディスプレイされており、日本グランプリ当日までレッドブル仕様のものに変更するため、鈴鹿サーキットは大忙しだったようです……(スタッフの皆様、大変お疲れ様でした!)。
私が金曜日に到着した頃には、すべてレッドブル仕様になった角田選手のディスプレイが展示されており、レッドブルのブースでも日本仕様のチームウェアなどが販売されていました。
日本グランプリ特別仕様の白いチームウェアやキャップは、すでに金曜で売り切れてしまったものも!デザインがかっこよくて人気だったのはもちろんですが、ファンの方の角田選手への期待感がひしひしと感じられました。
F1の現地観戦では、マシンが実際に走っている様子を間近で見られる感動はもちろんのこと、さまざまなブースが出店しているものを体験できるのも大きな楽しみです。その中でも私が特に気になったブースをご紹介します!
まずは、レゴグループのブース。
これまでも、レゴグループは原寸大のF1マシンをブロックで制作したりと話題を呼んでいましたが、今回はファミリー向けに楽しめるブースが設置されていました。
「ピットレーンエリア」と呼ばれるブースの中は、まるでF1のピットやガレージのような雰囲気になっていて、真ん中にはF1の形を模したプレイテーブルの中にレゴブロックが入っています。
設計図を見ながらブロックを集めて組み立てていくと、なんと小さなF1を作ることができます。
さらに自分がブロックで作ったF1をかっこよく撮影できるブースも。たくさんの子供たちが目をキラキラさせながら組み立てている様子が印象的でした。
そして、そのブースの横には、ポップアップストアがあり、各F1チームのマシンのキットが販売されていました。
これがかわいくてかっこいいのなんの!
すべてのチームを揃えたくなること間違いなし!私も思わず購入しちゃいました(笑)。
組み立てるキットの難易度が分けられていて、
「レゴテクニック」というもっとも大きいものだと、慣れている人でも組み立てに7〜8時間もかかるのだとか。
この「レゴテクニック」は、エンジンまで再現されていて、ピストンが動いたり、ステアリングを切るとタイヤも動いたりと、とてもよくできています。
「いつか私もほしい……」と思いつつ、今回は対象年齢が10歳以上の
「レゴスピードチャンピオン」をチョイスしました。これが無事組み上げられたら、
「レゴテクニック」にも挑戦してみようと思います(笑)。
角田選手のディスプレイ以外にも日本人として気になったのは、
ハースとTOYOTA GAZOO Racing(TGR)のコラボレーション展示。
TGRは昨年からハースと車両開発分野で協力すると発表しており、TGRのドライバーやエンジニア、メカニックの人材育成の場としても考えているようです。
また、現在のハースのチーム代表は小松礼雄さんであり、チームジャパンとしてハースも応援していきたいですね!
実際にブースに展示されていたハースのマシンのリアウィングには
TOYOTA GAZOO Racingの文字がしっかりと刻まれていました。ブースでは旗も配られていて、旗をもらった子供たちが嬉しそうに旗を振っていました。
金曜日は、グランドスタンド席以外は自由席になります。
フリー走行は、自分の取った席とは違う1・2コーナー付近で観戦することに。
ここではストレートからすごいスピードで突っ込んでくるマシンと難易度の高いコーナリングがはっきり見られるのでおすすめ!
さらに2コーナーの下には、名物の
「焼肉ランチ」が売っているので、ここでご飯を買ってからフリー走行を見るのが最高のコースとなっております(勝手に)。
今回、角田選手がレッドブルに移籍しましたが、実はこのレッドブルのセカンドドライバーのマシンは、これまでなかなか結果を残すことができていないマシンでした。
それもあって、
「いきなりチームとマシンが変わって、角田選手がすぐに結果を出すのは簡単じゃないだろうな」と思っていました。
ところが、フリー走行1回目(FP1)が始まると、角田選手は思いのほか良いペースで、FP1では6位となりました。
正直かなり順位が後ろになることも覚悟していたので、初走行にしては素晴らしい結果にホッとひと安心。
ところがFP2では、予期せぬ事態が!マシンから飛び散る火花によってコースサイドの芝が燃えてしまい赤旗に。
これが何度も続き、FP2では各チームがタイムを出したり、データを収集することが難しくなってしまいました。ここで角田選手が新しいマシンで経験が積めなかったことは大きな痛手。
芝が燃えたことで、鈴鹿サーキットでは夜通し防火対策を行ったそうです(スタッフさんたち、本当にお疲れ様でした!涙)。
そして、いよいよ土曜日の予選。
予選の1回目(Q1)では、7位で通過した角田選手でしたが、Q2ではトラフィックなどによってタイヤをあたため切れず、Q2は突破できず15番グリッドからのスタートになりました。
もちろんQ3に進んでほしい気持ちはありましたが、今のレッドブルのポテンシャルと、レッドブルでの初ドライブということを考えると、十分な結果だと感じました。
そして、Q3では上位陣の熱い戦いが繰り広げられました。最近、絶好調なマクラーレンは、ぶっちぎりで1-2フィニッシュを決めることが多かったので、個人的にも
「鈴鹿も予選はマクラーレンが1ー2かな」と思っていました。
案の定、マクラーレン2台は他を寄せ付けない速さでラップし、ピアストリ選手がトップタイムを出すと、次にノリス選手がなんと鈴鹿のコースレコードを更新してトップに! これには会場もどよめきました。
しかし、ここで驚くべき能力を見せつけたのは、マックス・フェルスタッペン選手。
写真:本田技研工業(写真は昨年のもの)
正直、今シーズンのレッドブルのマシンは調子が良くなく、マックスも日本グランプリのフリー走行も予選中も苦労している様子でした。
Q3の最後のアタックでも、どのセクターもファステストを更新できず。
しかし、
「どうやらマックスが良いタイムでまわっていそうだ」という実況の声が。
「そんなまさか……」と思いながら、掲示板を見つめていると、なんと最後の最後にマックスの名前がトップに躍り出たのです。
これには、会場も盛り上がった、というよりは、
「え!?」「は?!」というような、ただただ信じられないと驚愕する声がそこかしこから上がっていました。
やはりマックスはマシンがどんな状態でもその能力を引き出し切れる、希有な才能の持ち主に違いありません。そのタイム更新を見て、私も鳥肌がぶわーっと立つくらいの感動と驚きを覚えました。
もちろんマックスのタイムは、コースレコード。今回のマックスのすさまじい走りを間近で見てファンになったという人も多かったでしょうね。
そして、いよいよ決勝。毎回何か起こりがちな鈴鹿ですが、1周目では接触もクラッシュもなくクリーンなスタートに。
そして、角田選手はこの1周目で前を走るローソンをオーバーテイク!
レッドブルのマシンをなんとか乗りこなそうとする角田選手の姿は輝いていて、同じ日本人として誇りに思いました。
ポールポジションを獲得したフェルスタッペン選手は、そのままポールトゥウインを飾りました!
マクラーレンはなんとかフェルスタッペン選手に追いすがったものの抜くことはできず、ノリス選手が2位、ピアストリ選手が3位となりました。
角田選手は12位でポイントを取ることはできませんでしたが、サーキット中があたたかい拍手で見送っていたのが印象的でした。
おそらく中継で見ていた人たちは、
「展開の少ないレースだな」と思っていたかもしれませんが、現地でレース観戦していると、毎回自分の目の前をF1が通るだけで
「うおー!」と気持ちがワクワクするものです。
サーキットの盛り上がっている雰囲気や、ドライバーが日本にいてレースをしているんだという感動や、そして何より信じられない速度で走る美しいマシンの姿とその音。
何度見ても飽きず、何度見ても湧き上がるようなワクワクを感じられる現地観戦は、
「やっぱり最高!」と改めて感じた日本グランプリでした。来年も絶対現地観戦するぞー!
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伊藤梓(いとう・あずさ)
クルマ好きが高じて、グラフィックデザイナーからカーグラフィックの編集者へと転身。より幅広くクルマの魅力を伝えるため、2018年に独立してフリーランスに。
現在は、自動車ライターのほか、イラストレーターとしても活動中。ラジオパーソナリティを務めた経験を活かし、自動車関連の動画などにも出演している。
YouTubeチャンネル『伊藤梓の気ままな日常』ではF1を(ほぼ)毎戦、予選・決勝をYouTubeで実況生配信中!
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