※スタッフTAKASHIが仕事をサボっていたため、しばらくお休みとなっており申し訳ございません(滝汗)。二週に渡り伊藤梓さんのK-TAI参戦記をお送りします🙇♂️🙇♂️🙇♂️
>>前回のコラムはこちら!!
皆さん、こんにちは!
自動車ライターの伊藤梓です。
前回は、モビリティリゾートもてぎで行われるカートの耐久レース
『もてぎKART耐久フェスティバル(通称K-TAI)』の練習風景やカートに搭載されるホンダの汎用エンジンGX270がアップデートされた話などをお送りしましたが、今回はいよいよレース本戦の模様をレポートしたいと思います🔥
まずは
「K-TAIってどんなレース?」というところから簡単におさらいを🏎️
K-TAIは、モビリティリゾートもてぎで開催される7時間耐久のカートレースで、出場できるのは指定された4サイクルエンジンもしくは電気モーターを搭載した車両となります。
毎回100台近いエントリーのある大人気のカートレースで、カート初心者からベテランまで幅広い層の人たちが参加しています。
私が所属しているのは
『Club Racing』という伝統あるチーム。
Club Racingは、レースの楽しさを伝えるために、ルマン24時間レースに監督として出場したことのある山崎憲治さんや、レースを題材とした多くの著書や本田宗一郎さんの伝記なども手がける中部博さんが中心となって発足されています。
以前は、高橋国光さんや津々見友彦さんなどレジェンドドライバーも所属しており、現在は自動車メディア関連の編集者やフリーランスが多く集まっているチームです。
Club Racingは3台体制で、今年は私は95号車の
「クラブレーシング・アン」から出場しました(96号車はドゥ、97号車はトロワ)。
95号車のチームメンバーは、『CAR and DRIVER』統括編集長の山本善隆さん、『WEB CARTOP』編集長の石田貴臣さん、「セキショウホンダ」の塚田大輔さん、『オートカー』編集者の小河昭太くん、そして私の5名がドライバーを勤めることになりました。
そして、サブ監督にピーコックブルー社長の瓜生洋明さんとセキショウホンダセンター長の藤井誠さんがサポーターとして入ってくれました。
山本さんと石田さんは、前回のレースや個人的に出場したカートレースで一緒だったりと馴染みのあるメンバー。
小河くんは、今年からClub Racingに参加していて大学生ながらオートカーの編集部員としても活躍しています。
塚田さんや藤井さんは、セキショウホンダに所属しており、Club Racingのスポンサーもしていただいているので、本来はお客さまなのにも関わらず、ドライバーのみならずピットボードの作業や毎ラップのタイム計測など、大変な作業も率先してやっていただき、本当に心から感謝です🙇♀️
昨年と比べて、今年のK-TAIで変わったのは、まずはタイヤ。
昨年まではヨコハマタイヤのカート用タイヤを使用していましたが、今年からは
ダンロップのカート用タイヤ
「DRK-SP」に変更に。
「乗用車のタイヤは変えたらかなりフィーリングが変わるけど、カート用のタイヤはどうなのだろう」と思い、練習の時にその感覚を試してみたのですが、グリップしている感覚が分かりやすく感じました。
カートが上手な人たちは、
「カートはリアを滑らせて乗るもの」と言う人もいますが、私自身は乗用車でレースをする感覚から抜けられず、
「リアが滑る感覚が怖い」と思っていました。
それがダンロップのタイヤは、タイヤが新しくても、少し垂れてきても、タイヤの状態がドライバーに正確に伝わってくるので、滑り出す感覚もよく分かります。初心者はもちろん、上級者も扱いやすいのではないかと感じました。
そして、今回から95号車はキャブレターをヨシムラ製に交換しました。
Club Racingのカートに搭載されているのは、ホンダ製の
「GX270」と呼ばれる空冷4ストローク単気筒OHVの汎用エンジンです。
これまで、燃費重視のセッティングだったこともあり、なかなかストレートスピードが伸びなかったため、今回パワーアップを狙ってキャブレターを交換。
前回のコラムでは、詳しいフィーリングの話をしましたが、新しいキャブレターを付けた95号車はとても調子が良く、全域で明らかに速度が上がりました。ただ、キャブレターの口径が大きくなっているので、アクセルをガバッと開けるとキャブレター内を通る空気の流速が遅くなるため、燃料が吸い上げられにくくなり、なかなか加速しなくなってしまいます。
メカニックとしてK-TAIをサポートしてくれている長谷川モータースの長谷川透さんと長谷川透吾くんにその話を聞き、キャブレターの奥深さに感動。その話をしっかり頭に入れながら、本番までには、新しいキャブレターをきちんとコントロールできるように練習しました。
本戦では、私は2番手ドライバーを任せられることに。毎回ピットアウトしてからの数周はタイムが遅くなってしまうので、最初からしっかり走ることを意識して1回目のスティントに臨みました。
天気は快晴でピットで作業している時には、暑くて常に水分を摂っていないと倒れそうなほどでしたが、カートでコース上に出ると、風が直接体に当たって涼しく、とても爽快!
「空が青くて気持ちいいなぁ」と考える余裕すら生まれるほどです。
新しいキャブレターのおかげで、コーナーの出口からしっかりパワーが出るし、最初からタイヤのグリップ感も掴めたので、スタートから思ったよりもきちんと走ることができました。
チームの目標を達成するためには、私のターゲットタイムは3分10秒前後だったのですが、予想よりも良い3分3秒〜6秒台でラップすることができました。
しかも、自分でも
「上手くまとまったかな」と感じたラップでは、なんと初めて3分を切る2分58秒を記録することができたのです!
これまでなかなか3分の壁を破ることができなかったので、走りながら嬉しくてニヤニヤ😊
もちろんマシンが良くなったこともありますが、みんなで自主練をしたことや、皆さんにさまざまなアドバイスをもらったことで、自分でも少しずつ安全に速く走れるようになったのかなと感慨深かったです。
チームとしては、順調にラップを重ね、ドライバーとして走るだけではなく、次に給油する燃料を計ったり、ピットウォールでタイム計測をしたり、降りてきたドライバーのケアをしたりと、昨年よりもチームのためにできることを増やすこともできました。
95号車は、それぞれ2〜3スティント走りましたが、大きなクラッシュをすることなく、全員無事に走り切ることができたことが何より嬉しかったです。
96号車と97号車は一度はクラッシュしたものの、ドライバーに大きな怪我もなかったことは安心しましたし、カートの破損をメカニックの皆さんが一丸となって修復する様子は最高にかっこよく、感動ものでした😭✨
95号車は、思ったより燃料を使ってしまったので、目標の周回数には数周及ばない121周でしたが、全体では100台中54位、クラスでは53台中27位と、なんとか参加チームの真ん中まで辿り着くことができました!
前回は走ることにいっぱいいっぱいでしたが、今回は自分の目標だったタイムを更新することができたり、走ることだけに集中するのではなく、チーム内でもっとできることを考えたり、キャブレターの仕組みを勉強したり……とても学びのある、そしてとても楽しいレースになりました。
もちろんこういった経験ができたのは、95号車のメンバー以外にも、飲み物や食べ物の管理や、チーム全体の運営とサポートを行ってくれるチームの皆さん、そして活動を応援してくださるスポンサーさんがいるからこそ!
今年もメカニックさんたちを始め、サポーターの皆さんにも心から感謝したK-TAIでした😊
●撮影:小林直樹
●協力:株式会社ホンダファイナンス/関彰商事株式会社/本田技研工業株式会社/ホンダモビリティランド株式会社/株式会社ホクビー/(有)ケイズカンパニー/株式会社ピーコックブルー
===================

伊藤梓(いとう・あずさ)
クルマ好きが高じて、グラフィックデザイナーからカーグラフィックの編集者へと転身。より幅広くクルマの魅力を伝えるため、2018年に独立してフリーランスに。
現在は、自動車ライターのほか、イラストレーターとしても活動中。ラジオパーソナリティを務めた経験を活かし、自動車関連の動画などにも出演している。
YouTubeチャンネル『伊藤梓の気ままな日常』ではF1を(ほぼ)毎戦、予選・決勝をYouTubeで実況生配信中!
チャンネル登録よろしくお願いします!