• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

全国各地のサーキット情報を探せるみんカラサーキットはこちら!

みんカラユーザー主催の走行会・サーキットイベントはこちら!

みんカラYoutubeチャンネルはこちら!

みんなの自動車部♪のブログ一覧

2024年07月22日 イイね!

【コラム】そうだ、ニュルへ行こうよ! Vol.23~ガチのレーシングマシンの運転は意外と簡単!?(後編)~

【コラム】そうだ、ニュルへ行こうよ! Vol.23~ガチのレーシングマシンの運転は意外と簡単!?(後編)~みなさんゴキゲンよう!
モータージャーナリストの山田弘樹(やまだ・こうき)です。

千里の道も、一歩から。初心者でもクルマを目一杯楽しんで、最後の最後は「ニュルブルクリンクへ走りに行こう!」というこのコラム。

今回はなんと、マセラティのレーシングカーでサーキットを走ってきちゃったお話の後編です!

++++++++++

編集部TAKASHI(以下・TAKASHI):というわけで前回に続き、今回は「マセラティGT2」でサーキットを走っちゃったの後編です!
実際にそのコクピットに乗り込んで、600馬力オーバーのスーパーカーを走らせてきちゃったわけですが、どーでした!?




山田弘樹(以下・山田):それがね、すごく運転しやすかったんだよ!

TAKASHI:またまたぁ。マセラティにサービスしてません?(笑)

山田:そんなこと、ないんだよ。「よくできたレーシングカーほど、乗りやすい」って聞いたことない?

TAKASHI:ありますね!

山田:きっとTAKASHI君なら、フツーに運転できちゃうよ。

TAKASHI:ほっ、ホントですか!? (単純)




山田:スポーツドライビングが大好きで、まじめに運転のセオリーを学んでいるドライバーだったら、普通に走らせられます。

だって考えてみてよ。馬力はベースとなっているマセラティMC20と変わらないのに、足周りはさらに固められて、スリックタイヤまで履いているんだよ?

となるとクルマそのもは、ノーマルタイヤを履いているMC20よりも遙かに安定しているわけですよ。




TAKASHI:なるほど! でも速く走らせるのは……

山田:また別の話で、やっぱりそこには、きちんとしたレーシングテクニックの基礎が必要。

でも絶対的なスピードの高さは別として、「ロードスターパーティレース」とか、「GR86/BRZ CUP」のクラブマンシリーズできちんと走れているドライバーだったら、レーシングスピードでも走らせることができると思う。

そもそも現代のGTカーレースは、ジェントルマンドライバーたちのために作られたカテゴリーだからね。
そして、その完成されたレーシングカーとしての素晴らしさに感動してくれると思う。




TAKASHI:では実際にレーシングスピードで走らせたとき、マセラティGT2ってどんな動きをするんですか?
巨大なミッドシップ・スポーツカーだから、そうは言ってもやっぱり手強いイメージです……。

山田:まさに、そんな印象でした。

スプリングレートが高められているからブレーキングでも姿勢はすごく安定している。そしてターンイン(曲がりはじめ)もすごくよくノーズが入って行くけど、ブレーキを残し過ぎると、きちんとスピンもできる。

TAKASHI:スピンしたんですね…(笑)。

山田:モデナは低速コーナーばかりだったからいいけれど、もっと速度域が高いコースだったら、アマチュアにはちょっと厳しいかもね。少なくともジュニアフォーミュラカーの経験はあった方がいいかもって最初は思った。

そしてこれを開発ドライバーの(アンドレア・)ヴェルトリーニさんに伝えたら、「そんなことないよ!」って言われたんだ。

TAKASHI:どういうことです?

山田:アンドレアさんいわく「今日のタイヤはもうグリップが残っていなかったけど、ニュータイヤを履いたら、すごく安定するから大丈夫!」だって(笑)。
あと「今度はもっとハイスピードコーナーのあるサーキットで、エアロダイナミクスの良さも体験して欲しい」って言われた。
だったら最初から、ニュータイヤ履かせて欲しいよね!




TAKASHI:なんだかすごい次元の話ですね(笑)。「もうタイヤのグリップないけど、コイツ大丈夫そうだ」って思われたんですかね?
そんな状態で乗った、600馬力オーバーのエンジンパワーは、どうでした?

山田:すごくよく管理されていたよ! そしてエンジニアもこの3.0L V6ツインターボ“ネットゥーノ”(※)には、すごく自信を持っていた。

※ネットゥーノは、イタリア語で「ネプチューン」の意味。マセラティのシンボルであるトライデントマークは、海の神であるネプチューンの三つ叉の槍を模したもの。つまりこのエンジンは、マセラティのシンボルユニットということになる。




数周走らせたあとピットで様子を聞かれて、「少しターボラグがあるかも」って伝えたら、「そんなことないよ! それならトラクションコントロールのダイヤルを減らして。そうすればパワーを絞らなくなるから!」って言われて。

TAKASHI:やっぱりエンジニアさんも、なかなか頑固(笑)。

山田:でも実際にそうやって走らせたら、ノーマルよりも大きなタービンを搭載しているのに、すごくレスポンスがよくなったんだよ。そして過給圧のコントロール性がよいから、コーナーから徐々にアクセルを踏んで行くような場面でも、うまくトラクションを掛けていくことができるようになった。すごくいいターボエンジンだなって思ったよ。

TAKASHI:アマチュアドライバーが、段階的に学べるのはさすが現代のレーシングマシンですね。
あとパワーがあっても扱いやすければ、怖くないんですね!




山田:そうなんだよ。わかって欲しいのは、そういうところ。スーパーカーってカッコとパワーばかりが注目されちゃうけど、そのパワーをどうやって使いこなしているかが大切なんだ。

結論から言うとマセラティGT2は、甘すぎず辛すぎず、ほどよいスポーティさのレーシングカー。ミドシップらしいシャープさとエンジンのパワフルさを、シャシーやドライバーズエイドが上手に受け止めてくれていた。

TAKASHI:これでレースをしたら、めちゃめちゃエキサイティングでしょうね!

山田:そうだと思うよ。集中して乗っていると、すごく楽しいけど結構疲れる。集中力が切れて息が上がったとき、「モータースポーツしてるな!」って思った。

そして「もう疲れちゃったから無理!」ってピットに戻ったら、「クーラー付ければ平気だよ。もっと走ってOKだよ!」って言われてコースに送り出された(笑)。

TAKASHI:さすがイタリアン(笑)




山田:耐久レースで強いのはメルセデスAMG GTみたいにブレーキングが良くて、コーナーでがんばらないでストレートでタイムを稼ぐクルマだといわれている。対してBMW M4みたいなコーナリングマシンは、常にドライバーが全力を出さないと行けないから、大変だって聞いたことがあるんだけど、マセラティはその中間かな。

コーナーも速いんだけど、エンジンのエンジントルクもあるから、レースだと楽しいし快適だと思う。実際「ファナテックGT2 ヨーロピアン・シリーズ」での成績はとてもいいみたい。

TAKASHI:うわー、これはかなり壮観ですね!
僕も一度でいいから、こんなレースに出てみたいなぁ。

山田:いつでもマセラティに紹介するよ(笑)。



===================
alt

山田弘樹(やまだ こうき)モータージャーナリスト
自動車雑誌「Tipo」の副編集長を経てフリーランスに。編集部在籍時代に参戦した「VW GTi CUP」からレース活動も始め、各種ワンメイクレースやスーパー耐久に参戦。
こうした経験を活かし、現在はモータージャーナリストとして執筆活動中。愛車は86年式のAE86(通称ハチロク)と、95年式の911カレラ(Type993)。
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。

プロフィール

「下田選手が出演するYouTube『運転大好き!わくわくチャンネル』がスタート‼️ お笑いコンビ香呑(かのん)さんがMCだそうですよ>>①https://youtu.be/y2n87A7-a1M ②https://youtu.be/oIpcuRjtNKQ
何シテル?   07/29 18:18
2021年夏、「ピットイン」改め『みんなの自動車部♪- みんカラスタッフブログ・スピンオフ!』始めました! Facebookグループ(https://ww...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2024/7 >>

 123 456
78910111213
14151617181920
21 222324 252627
282930 31   
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation