2022年05月06日
今回はただの与太話です👻
一部ご報告のありました拙作カスタムフォークイチロウパイロット(piX)で、ハンドルを切りすぎてカーブ内側へ突進しようとする挙動(オーバーステア)の原因を考察してみました。
piXはTSSP車両で公式OPよりも自称3倍の操舵力を得るために、以下の二点を無理やり引き上げています。
●ハンドルにかけるトルクの強さ
●ハンドル舵角の限界点(実際には角度ではなくトルクの変化率?)
この二点の変更でTSSPとTSS2に違った影響が出ているというのがこの投稿の早い話が結論です。
これでおしまい、では短いのでこの結論に至った考察の過程を書いてみます。
openpilotはカメラで撮影した直近数十フレームの走行動画に対して、機械学習モデルを適用し走行車線を推論するシステムです。
これには何とかモデルと名前がつけられていて、0.8.10〜0.8.13はカルマンモデルという推論システムが搭載されています。0.8.14からはビッグモデルというものに変わることがすでに発表されています。
以下は自分の経験と推測です。
●カルマンモデルは浅いカーブでは運転は上手だが、きついカーブでは正確性が怪しくなる
●OP公式ではきついカーブではコーナリングが保証できないので、ハンドルを曲げる範囲に制限をつけている(おそらく20〜30度)、かなり安全マージンを見込んでいる模様
●TSSPでは車体限界で40度程度かそれ以下までしかハンドルが回らないが、TSS2は90度近く(もっと?)まで回すことができる
公式OPでは上記の制限値(TSSPでは舵力が弱くさらに狭い角度となる?)以上のカーブ走行をさせないため、オーバーステアの問題は起きません。
piXではカスタムして、多分制限角が45度以上になってしまっていると思われます。他人事みたいで申し訳ないですが、自分の車がTSSPなのでどこまで回るのかは確認できていません。
そして今回のお題のTSS2ハンドル切りすぎは上の三つの話とpiXが舵角制限を引き上げたことで起きていると思われます。
ハンドル回転40度以上の急カーブはTSSPにとっては単なる曲がりきれない道路でしかないためアンダーステアが出た時に人間がサポートして話は終わりです。
TSS2だとそうはいきません。もっとどんどん曲げようとします。そうするとTSSPには未踏の領域に入ります。ここでカルマンモデルのきついカーブでは推論が不正確になる状況が顔を出してくるのでしょう。不正確でもきつく曲がるという値はOPに返してしまうため、その値に沿ったハンドル角に回そうとして・・・コースアウトとなります。
というわけでビックモデルです。きついカーブでも正確なハンドル角を導けるはずです。期待しましょう。
ちなみにTSSPではビックモデルに意味がないかと残念に思うかもしれませんが、ちょっとだけ影響する可能性があります。
piXのカスタムで舵角限界を上げた挙動をずっと見ていると、TSSPの舵角限界内でも比較的きついカーブではハンドルを切り過ぎている状況があることが経験上分かっています。
そうなってもTSSPの限界に達して切り過ぎないので問題が表面化しにくいのだと感じています。
このわずかな隙間の運転が上手くなれば、安心して使用できる状況が向上すると見込んでいます。
以上ですが最後に一つ。
0.8.14では機械学習モデルの大変更だけでなく、TSS2のハンドルをトルク制御していたlqrという処理も廃止され、角度で制御するangle処理が導入されます。
おそらくTSSPとは次元の違う領域に進んでしまうでしょう。ちょっと寂しいですね〜
というわけであらためて結論は、TSS2欲しいってことでkintoファクトリー頼むよぉ🥲
Posted at 2022/05/06 17:01:50 | |
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