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豚子・551のブログ一覧

2023年07月31日 イイね!

スローなブギは止めてくれ・5

スローなブギは止めてくれ・5


















「くそ爺い~イカサマだろ~!」




居間から、オトンの怒鳴り声が聞こえた


どうやら、爺ちゃんと、オカンとオトンが、週末恒例のサンマーに夢中になってるらしい






待ち合わせ場所の11時に間に合うように


30分前に、ウチは防災用の梯子を使い二階の部屋から家を出た









チャリで、豊子のバイト先につくと

丁度、アンソンとキムコも、ホークⅡと原チャリでやってきた






















この辺りも、焼肉屋が多いが、上野や鶴橋と違い


観光地にはない、よそ者を近づけない異様な空気が漂ってる









「おっす!」




アンソンが挨拶してきた




「なんか、まだ終わりそうもないな~」






灯りと笑い声が、漏れてくる店を見ながら、キムコが呟いた






「しゃーないやんけ、働いてんのやから」






「まだ、集会には早いし、待ってりゃいいべ」


アンソンが言った






「しかし、アンタら日本語上手いな~」



私はキムコが乗って来た、原チャリに跨り言うと





「はあ~?」「はあ~?」




二人で私を睨んできた





「なんやねん!」





「あのな~俺らは韓国にも北朝鮮にも行った事ねーし、ずっと日本で生きてんだから当たり前だろ」





アンソンが言った






「そんなら、朝校でも日本語なん?」






「いや、学校では日本語は厳禁だ」






「そうなん!」





「日本語喋ると、先公にボコボコにされちゃうんだよ」








「だから使うのは、学校と喧嘩する時だけだ」







「難儀やな~」






「標準語は豚子ちゃんより、俺らの方が上手いしね」







「なめとんのかっ~💢

















私はキムコに、火が点いたままの煙草を指で弾いた




「熱っちい~」






「でも、俺らなんて、最初から在日だからマシなんだぜ」




アンソンが煙草に火を点けて、喋りだした


(-。-)y-゜゜゜




「そうそう」



キムコが大袈裟に首を縦に振る






「別にアタシは、豊子もアンタ達も差別してへんけど」






「違う、そういう意味じゃねーんだよ」





「じゃあ、どういう意味やねん?」





「俺らはな、16になると、特別永住者なんたらってのを申請しなきゃなんねーだよ」







「なんやそれ、パスポートみたいなもんか?」





「どっちかと言うと、外国人登録証に近いかな」





「ふ~ん、それで?」








だからよっ、中学でだよ、


散々、俺らのことを、チョンだのキムチってバカにして


ガンくれただの、目が合っただけで喧嘩してたのによ


16になって





「オマエは、明日から朝鮮人だ」





って突然、親に言われてみろよ!































「どうすんのや?」






「大抵は、隠して日本人のフリして娑婆僧になるか、違う学区に転向すんな」








「豊子も申請したの?」





「豊子んちは、日本人の親父だし、とっくに離婚届もだしてっから、申請なんか必要ねーよ」









「ふ~ん・・・・」







ウチは、なんかホッとした感情が湧いてきた


でも、そんな自分自身が嫌で


それ以上なにも、言えんかった・・・







「俺も、来年は申請にいかなきゃ」




キムコが笑いながら言った







「なんやて~オマエは、ウチらより年下やったんかっ!」



💢💢💢




私がキムコに怒鳴ると










「お待たせ~!」




豊子が店から、白いポリ袋を持って出てて来た






「なんやねん、その袋は?」





「これね、白米が余ったから、焼肉弁当作ってきた」







「・・・・・」






「あのな豊子さん、遠足ちゃうで、集会にいくんやぞ」


























「よっし!弁当もあるし行くか~」



アンソンがホークⅡのエンジンをかけると、キムコはそのケツに














豊子は、ウチの原チャのケツに跨った






「豚子ちゃん!行先どこよ?」



アンソンが、吹かしながら叫ぶ





「キングス・タウンや!」





「えっ?なんだって~!」





「殿町や殿町っ!」






「ガス橋じゃね~の?」






「殿町、言うたら、大師橋やボケっ!先行かんかいっ!」





















OK~!~(* ̄∇ ̄)ノ































Posted at 2023/07/31 23:29:13 | トラックバック(0) | スローなブギは、止めてくれ | 日記
2023年07月30日 イイね!

スローなブギは止めてくれ・4

スローなブギは止めてくれ・4






















夜の11時にアンソンとキムコと、豊子のバイト先に集合という約束をして、家の向かいのラーメン屋に戻ると、






「なんだよー豚子ちゃんだったのか!てっきり盗まれた思ったじゃんかよ」




ラーメン屋のオッチャンが、店から慌てて出て来た









「堪忍、堪忍」




「堪忍じゃないよ━(;´༎ຶД༎ຶ`)━






たださえ、太って汗かきなのに、さらに汗を拭いてるオッチャンと店に入り







「せやかてな、鍵をつけっぱなしにしとくのも、私はDO〜かと思うで」







昼時の客が引いた、カウンターに鍵を放り投げ

お冷は自分で注いで飲み干してから、

昭和のポスターが飾ってある


一番角のカウンターに座って煙草を吹かすと

























バコーン💥



「痛っ、」



不意に後ろから、少年ジャンプで頭を殴られた

ウチの頭を殴る奴は、この世でただ一人、恐る恐る振り向くと









「オメーは舐めてんのかよ」




やっぱり、オトンだった




「あっ・・」





バコーン!💥

更にもう一撃きたが、2発目は腕で辛うじてブロック






「社長〜盗まれたワケじゃないし、そんなに怒らないでいいって」




カウンターから、オッチャンが助け船




「つうー」ウチはブロックした腕をさすってると

オトンは勝手に店の瓶ビールを取り出して



隣に座り「餃子 」


と、注文したので





「つけ麺も!」

すかさず、ウチも注文した






「でっ、昼間から、人んちの原付き盗んで、何処ほっついてた?」






「友達んとこや、それよりオネーは帰って来とんの?」





「居ねーよ」




集会の場所を聞きたいのだが

オトンに直接聞いたら、張り倒されそうなんで、


オトンと高校野球を観るフリをして、必死に頭を巡らせてると
























「はい、出来たよー」



カウンターに、つけ麺が置かれ



ピピー♪と餃子の鉄板からタイマーの音がなり


餃子もオトンの前に運ばれて来た






「美味い!」


大袈裟に言いながら、食べると








ブォーン♫

店の前を煩いバイクが走り抜けた


オッチャンはチラリと外を気にしたので、チャンス!と思い






「なーオッチャン達の頃は、何処が集会場所やったん?」





さりげなく、私は聞いてみた



ギロリとオトンが睨んで来たが、気にすると、かえって怪しまれるので、シカトして続ける








「昔の方が仰山いたんやろ、あんなん集まって、走る前に逮捕されんの?」






「大丈夫だよー挟み撃ちされない場所もあるし、そもそも警察ってのは、3倍いないと逮捕出来ない規則なんだよ」





「そうなん!」





「ポン中なら、一人に対して六人だったかな」




こーいう話が、大好きなオッチャンは、誘導尋問にまんまとのって来た






「オメーは子供に、そんな話すんじゃねーよ」





オトンがオッチャンに釘を刺す





「いやいや、夏の青春の思い出って奴を聞いてるだけやん」



麺をすすりながら、オトンに言い返し




「なぁーオッチャン」😘







「現行犯なら、アレだけどまだ走ってないワケじゃん」




オッチャンはオトンをチラ見して、ウチの助け船に乗り、恐る恐る、再び話だす








「うん、うん、」




チラっ、またオッチャンはオトンを見てから




「100台 溜まってたら、パトカー何台いる?」




「300台!そんなパトカーおんの?」





「あるワケないじゃーん」





ケラケラ笑いだす、オッチャン 🤣





「昔の方が凄いって良う〜言うてるけど、こんな街に100台なんて、ホンマにおったの?」






「溝の口の上からも来るし、連合の時は、羽田と蒲田から大師橋渡ってくんだよ」





「東京からも、くんの?!」




「来るよ〜!大袈裟にすんのもあれだから、少なく数えて3方面んから各50台にすると?」






「100台、余裕で超えてるやん!」























「でさ、渡って来るのが見えるし、音も聞こえてくる」




「分かった!キングスタウンやろ」





「そうそう、あそこなら挟み撃ちにもされないし、何処にでも逃げられるしね」



「なるほど〜」



一切に出て、大師橋の下で合流してさ、横浜まで突っ込んで行く」



「おぉぉー!」



私が叫ぶと






「高速の下は、直管が反響して凄ぇーんだから」



オッチャンは得意気に、話す





「その台数で、それは、エグイなぁー」



私が関心すると













「夏の終わりだよ・・」




オトンがビールを飲み干し,呟いた





「ふ~ん」





私は、もうこれ以上は興味のないフリをしつつ

オトンやオッチャンが走る姿を想像しながら、つけ麺を啜ると




























ウウぅ〜♪



天井の角にある、TVから甲子園のサイレンが鳴り響き


ウチには、それが、パトカーのサイレン音に聞こえてきた


























Posted at 2023/07/30 14:10:03 | トラックバック(0) | スローなブギは、止めてくれ | 日記
2023年07月29日 イイね!

スローなブギは止めてくれ・3

スローなブギは止めてくれ・3
























あの頃の私達が、今の私達を見たら

あの頃のように、笑ってくれるだろうか?














スローなブギは止めてくれ・3













中学から高校までは、私は焼き肉屋でバイトしていた


川崎駅の乱闘から、四日後の午前中に豚子が、私の家、というか、便所煙突の小屋に来た







ピッピッ〜♪




「おーい、豊子みてみぃ」



ホーンの後に、豚子の声がしたので、私は家というか便所煙突のバラック小屋から出て行くと、新聞配達の原付きに、豚子が、得意そうに跨っていた




「ちょと、そのバイクどうしたの?」





「向かいのラーメン屋から、借りパクしてきたんや」




「駄目じゃない!勝手に乗って来たら、窃盗じゃない、なに考えんてんのよー」





「かまへんって、ラーメン屋のオッサン、いつもウチで油売ってんねん」





「ちゃんと返しなさいよ」





「分かってるって」






私は、豚子のオネーサンに貰ったステッカーを思い出し




「ちょっと待ってて」




「なんや、アイスでもくれんのかい」



豚子の言葉を無視して、家に戻り、ステッカーを取ってきた







「ほら、こんなに貰っちゃったんだけど、どおしたらいいの?」






「おおー気前ええやん!」




豚子はステッカーをペラペラめくって




「御守りって、言ってたけど」






「ふーん」



豚子はペラペラしながら




「せや!この前の3人組の朝校も、ここらに住んでんのやろ」





「住んでるけど、どおしたの?」




この土手無番地と呼ばれる、戦後最大と呼ばれた巨大部落は、日本人エリアと在日エリアに分かれてて、私の住んでる場所は丁度真ん中辺りだった



















「挨拶しに行こうやん」



「また、喧嘩すんの?」




「返しに行くんと違うって!ステッカーあげに行くんや」





「本当に?」




「仲直りのしるしや、豊子かて、アイツら子供の頃から知ってんのやろ?」




「まぁ、知ってるけど」




「ほな行きましょうか」



原付きを押す、豚子を案内しながら、歩くと






「なんやねん、工場みたいのもあるやん」




豚子がキョロキョロしなが、言う





「工場だよ」





「ホンマかーエグイなここは、あっ食堂もあるやん」





「なんの肉か解らないけどね」




「豊子さん、よう立派に育ったなー」


━(;´༎ຶД༎ຶ`)━




「何よそれっ!」





「いやいや、人々のパワーに関心してるんやって」








そんな押し問答しながら、曲がりくねった路地を進み
















「ほら、この家だよ」



私が立ち止まると





「おんのかな?」




豚子はまだ、キョロキョロしてるので



「こんにちはー!」



私は扉を開けて叫ぶと





「はーい」


と、オバちゃんが出てきた




「アンソンいますか?」





「あらー豊子ちゃん、アンソンなら居ないけど、何かしたのかい!」




急にオバちゃんは怒りだした




「いや、いや、ちょっと渡す物があって」




「本当かい?悪さしたらオバちゃんに直ぐに教えなよっ!ひき肉にしてやるから」




そう言って、オバちゃんは豚子に気付き、



「あら、お友達?」




「こんにちはー」



豚子が挨拶すると



「可愛いいねー高校の友達かい?」





「はい」



「日本の高校入ったんだから、豊子ちゃん頑張って大学もいかんとね」




「はい」



「そうだ、河原の方行ってみな、居るかもしれないから」




「ありがとうー」




オバちゃんに、挨拶して、私達は河原のほうに行きながら





「アンソンいうや」



「そう、最初に豚子が蹴り入れた、背が高い奴」





「ふーん」





河原に降りると、何やら、原付きとバイクを直してる二人がいた





「おう、コラ!」




豚子は二人に向かっていきなり怒鳴った




「ちょっと、仲直りじゃないの」




私は豚子の洋服を掴むと



「最初が、肝心なんや」






背の高い方がアンソンで、低い方はキムコで豚子を見てキョトンとしてる




豚子はズカズカ二人に近づき




「アンソン、コラ聞こえてるやったら返事せんかい!」




「なななんだよ、お前」




「豊子!俺らは何処にも行かねーからな」




ビビりまくってる、キムコがアンソンの後ろで怒鳴った






「一人、足らんやないかい」



豚子がアンソンに詰め寄ると




「まだ、動けなくて布団で唸ってるよ」



見ると、アンソンの顔もまだボコボコに腫れていた





「ほら、一枚二千円でチャラにしといたるわ」






豚子はステッカーの束をアンソンの胸に叩き付けた





「こんなに沢山、無理だよ」



アンソンはステッカーの束を手にとり豚子に、詰め寄る




「オマエ、私の胸、おもいっきり揉んだやろ」




「でも、そのあとボコボコにされただろが!オマエの胸揉んだだけで、その後、ステッカーまで廻されたら全然割に合わねーんだよ」




アンソンがステッカーを捨てようと、手を振りあげると






「オマエ、それ多摩川に捨てたらホンマに殺されるで」





「・・・・・・」




アンソンは、振り上げた手を捨止め、涙目で私を見た




「豚子〜仲直りって言ったじゃない!」





「豊子〜」


キムコは殆ど泣き顔で私に訴える





「不良やってんのやら、誠意か根性どっちかみせんかい!」





豚子はアンソンの胸ぐらを掴み、怒鳴りつけた




「俺らだって金ないんだよ、だから3人分、とプラス2枚で一万が限度だ」




アンソンはステッカーの束から五枚抜き、残りを豚子に差し出した




「・・・・・・」



豚子は受け取らずに、まだ睨んでる




「豚子〜私に仲直りって言ったよね、約束したよね」




私が呼びかけると




「せやな、豊子さんの顔立てて、五枚で手打ちにしよっか」





アンソンが、大きく息を吐く




「そのかわり、豊子の事、ハンチョッパリ言うたら、承知せんでーオマエら」







「分かったよ、もう言わねーよ」





豚子が煙草を吸いだすと、アンソンとキムコも煙草に火を点けた




「あれって、オマエの兄貴だったの?」



アンソンが訪ねた





「誰がオマエや!」




「あっ、豚子ちゃんだっけ?」




「そうや」



「怖いなー豚子ちゃんの兄貴、メッチャ強いし」







「アホー兄貴ちゃうねん、姉貴や、姉貴やったらオマエら駅前で死んでるで」

























「じゃあ、あの人は彼氏?」




「舎弟やろ、親衛隊みたいなもんや」






















これには、私もビックリ



「それより、あのバイク動くん?」



豚子はアンソン達がイジってたバイクを指差した























「なんとか、動くよー」



キムコが、自慢気に笑いながら答えた




「へーパクったん?」




「いや、先輩のお古を綺麗にしてんだ」





どうやら、タンクを外して塗り直してたらしい

周りにスプレーの缶が散らばってる






「よっし、今夜オマエラも来いや」





「えっ、何が今夜なの?」


私が豚子に訪ねると、




「この前、集会、言うたやん」





















「まっ、別にお礼なんてしなくてもエエんやけど」








「でも、コレからバイトだし」




「だからお礼なんて、気にせんでええって」




「でもなー集会って何時からなの?」





「何時言われてもなー、バイトは何時に終わんねん?」





「土曜日だから、11時過ぎかな」






「丁度ええやんっ!焼肉屋まで迎えに行くって」





「あの、ラーメン屋のバイクで」



「そやっ」





「アレじゃ二人乗れないから、無理だって、諦めましょ、お礼は昼間に、オネーさんの職場とか、うん、それがイイって」






「そっかー岡持が邪魔やったなー」



豚子は大きく項垂れて悔しがると






「こっちの、原チャなら絶好調~だよ」




キムコが余計な事を言った




「ホンマかっ?」




「集会って、豚子ちゃんも走るの?」



アンソンが訪ねる





「いや、姉貴に豊子が礼を言って、出発見送りだけや」




「イイナー俺らも、見に行きてぇなー」




「ホンマかっ、せやったら来い!来い!」




「本当に大丈夫?」

キムコが不安そうに訪ねる





「私と仲直りした言うたら、ボコられる理由ないやんけ」








「じゃあ、二台で、豊子のバイト先に迎えに行こう!」





アンソンが言ったので、私は豚子に気付かれないように、思いっきり、隣にいたキムコの足を踏んづけた





痛っ!・・・・・・










































Posted at 2023/07/29 17:28:23 | トラックバック(0) | スローなブギは、止めてくれ | 日記
2023年07月28日 イイね!

スローなブギは止めてくれ・2

スローなブギは止めてくれ・2














高校で偶然にも、豚子と同じクラスになった私は、中学までひたすら隠していた部落の実家を教え、初めての仲良しになった






ここで疑問に思う人がいるから、あえて説明すると

私と弟を捨てた、母親は在日の朝鮮人だった



帰って来た、父親は日本人


部落には教会があり、そこの神父さんは、部落に住む在日の人権の為に生涯を捧げた人






ほら、20世紀少年のヤクザ神父さんだよ





私は漫画を読んですぐに分かった









この、神奈川の外れの地域は、民団も総連もあり、昔は総連(北朝鮮)が強かったが、私が産まれた頃は民団(韓国)の勢力が強かったらしく、




日韓W杯を栄に、日本に帰化するのが普通になったらしい






あの、ROCK歌手が、在日なんてのは、ウチのお父さんの時代から、部落の人達は当たり前に知っていたらしく・・・








私は父親が日本人だったので、朝鮮学校には入らなかった、

神父さんが、日本人のお父さんが帰って来てくれたのだから、日本の学校に行きなさいと、手続きをしてくれた



それがその時は、仇というか・・・



当然、部落には同じ年頃の子は朝鮮学校に通う


ひたすら、私は日本の中学で隠し続けて、誰一人友達を作らなかった


だって、部落に帰れば、朝鮮語で悪ガキ共が寄って来るから





すっかり、豚子と仲良くなった夏休み、川崎駅で部落の悪ガキどもに、絡まれた








「おい!ハン・チョッパリ!そいつは日本人の女か?」






部落の朝鮮学校の悪ガキ共は、たださえ目立つ、背の高い豚子を、いやらしい目で見ながら、私達に絡んで来た





「なんやねん!コラ」





豚子が私の前に立ち、下敷き一枚しか入らない、鞄を振り回しながら詰めよった瞬間


電光石火の前蹴りが、悪ガキに炸裂して、ペッタンコ鞄で脳天を唐竹割り






「逃げろ!豊子」




豚子は叫んだが、私は足がすくんで動かない



「オラー!」




悪ガキの一人が豚子の背中に飛び蹴り



よろめきながら、豚子は正面の相手に鞄で殴りかかる



何が何だか分からないウチに、私もローキックされて、倒れると、豚子は二人がかりで髪の毛を鷲掴みにされ蹴りを入れられてる




豚子と私が路地裏に連れ込まれそうに、なった瞬間























ブォーン♫


甲高い直管の音が、目の前で聞こえ止まった



部落のクソガキ共が、一瞬足を止めて、私を離すと







「おう〜誰の身内を廻そうとしてんだよ」







「ヤベー」



朝鮮語でクソガキが呟いたのがハッキリ聞こえた



その後に、明らかな族車が2台で男子、女子の原チャリが2台が、最初の族車に続くように、走り寄ってきた

















しかも、皆んな特攻服










「おう!てめーら、何処の支部だ」



怒鳴りながら、単車の男子が降りてきて、クソガキを殴り倒すと


残りの二人と、私は金縛り状態







「支部長呼んて来いやー」




そう言いながら、ボコボコにされるクソガキ達



ピンク特攻服の女子は、お巡りさんが持っているような3段警棒で殴っている





「すいませんでしたあああ」



━(;´༎ຶД༎ຶ`)━と、泣き叫ぶ声





「〇〇呼んでこいやああ」




族車男子の怒鳴り声が響く







私が腰を抜かして、しゃがみ込んでいると




最初の女の人は、乱闘にも、倒れてる豚子にも目もくれず







「あの馬鹿と、ダチなんだって」





顎で豚子を指し、腰を抜かしてる私に、しゃがみながら話かけてた



























「は、はい、スミマセン」



私が、雛鳥のような声で、震えながら答えると





「ヨロシクね」



特攻服の彼女は、全く別人のように可愛いく笑った







「えっ・・・」




「これ、待ってなよ」






彼女は特攻服のポケットから、ステッカーの束を出し、私の手に握らせ





「御守りね」





彼女は優しく微笑んだ








いつの間にか、部落のクソガキ共は居なくなってた




彼女は、倒れてる豚子に、軽く蹴りを入れ、なにか言うと、男子二人の族車と原チャリ女子を引き連れて、走り去って行った










私はボロボロになってる、豚子に近づき



「大丈夫?」


と、訪ねると



「畜生〜!一番嫌な女に借りつくってしもうたや」



豚子は呟いた




「もしかして、今の人って、豚子のお姉さんなの?」





「そうや・・・」





豚子は煙草を取り出し、火を点けると、大きく吸い込み





「なー、ブス姉はエエとして、アイツらが最初に言うて来た、ハンチョッパリってどう意味なん?」





豚子は。私に煙を吐きながら、訪ねた





「ハンは朝鮮人、チョッパリはね、日本人って足袋を履くでしょ、あれが豚の足みたいだから、豚って意味、だから日本人に対しての悪口、九州の炭鉱から来てる言葉ってオモニが言ってた」






「朝鮮人なのに日本人の真似してるって意味かい」





「そうだね、私はあの子達に比べたら、ハンパ者なんだよ」




「なんや、しょーもなっ!」





豚子は煙草を投げ捨てた




「今の人、豚子のオネーさんでしょ、ちゃんと、お礼言わないとね」





「エエよ、あんなん向こうが楽しんでやから」





「駄目よー!ちゃんとお礼言わないと、いつも何処にいるの?」







「ほんなら、次の土曜は集会、行くかっ!」





























そう~コレが、私と豚子のお姉さんのファーストコンタクト



























Posted at 2023/07/29 00:23:28 | トラックバック(0) | スローなブギは、止めてくれ | 日記
2023年07月22日 イイね!

スローなブギは止めてくれ・1

スローなブギは止めてくれ・1





















中国の一人っ子政策のおかけで、戸籍の無い子供を黒子と言う

新宿鮫や不夜城など、映画化された小説のおかけで、割とメジャーな言葉だ






居所不明児童



日本では黒子ではなく、こう呼ぶ、ニュースでは使わない、警察関係者や児童施設、関係者しか使わない言葉かもしれない




豚子のブログで分かってしまった、私の実家だが








「便所煙突って知ってるかなー?」





汲み取り式の長屋のトイレにはさ、匂いを逃す為に、煙突が付いているんだよね


生ゴミと流産した赤ん坊は、多摩川に捨てる



産んでみたら、自分は子育てに向いてなかった・・・




そんな母親の元に産まれると




トイレが一人で行けるようになると、スナック菓子とゲームソフトだけ与えられる


だから、そんな母子家庭の家に生まれてくる子供は、小学校にも入れない


むしろ小学校まで生き延びれば、大丈夫、安心

学校の先生が助けてくれる










そして母親は、ある日、突然帰ってこなくなる


捨てられたと、気付くまで生きれればラッキー


コンビニのサンドウィッチを弟と分け合う夕食






幸い私と弟は、母親には捨てられたたけど、小学校に上がると、父親が帰って来てくれたので、生き延びれた



隣のオモニも優しくて、本当にラッキーだった


中学までは、友達なんて誰一人居なかった、死ぬほど勉強して公立高校に受かり、




入学式が終わり、情報処理課のクラスに入ると













「なんや、一緒やったんか、早よー言うてんか」























「えっ?」




声の主を見ると、中3の終わりに、大阪から引っ越して来て、暴れまくっていた、茶髪ソバージュのスケバン転校生だった





「蓬莱豚子・・さん」




「おーフルネームで、ありがとおー」





「あっ、ごめんなさい」



「顔とオッパイは覚えとるけど、自分、こっちの中学は3学期しかおらんし、喧嘩しかしとらんから、名前知らんのやー教えてんかー」




「あっ、水谷豊子です」




「豊子ちゃんかー」



私が死ぬほど勉強した、情報処理科に、大阪から来たスケバンが居るのが信じられず







「あのー私クラス間違えたみたいで」




「ここ、情報処理科やろ、同じやでー」





私はもう一度、自分の席を確認すると





「アンター!今、私を商業の馬鹿女と一緒にしたやろ」





「いえ、そんなつもりじゃ」




担任の紹介と各自の自己紹介が終わり、

教科書が配らられ、記念すべき1回目のHRが終わり、帰ろうとすると





「ほな、豊子ちゃーん一緒に帰ろうやんか」




明らかに場違いな、スケバンが私の肩を抱きよせてきた



Σ( °o°)(; ̄O ̄)



「3学期だけやけど、同中やないのー」



私が中学で友達が一人も居なかったのは、部落に住んでるのを知られたくないのが一番の理由だった






















「でも、方向が違うし、そうバイトもあるんで」





「アンタ土手の子やろ」






豚子が小さい声で耳打ちしてきた


私は心臓にナイフを突きつけられた気分になり、豚子を睨み返すと








「なんや、そないな怖い顔して、ウチかて大阪で住んでたとこは、同じようなとこやったんやでー」








「・・・・・・」



無言で私は、豚子から目を逸らさずに睨んでいると









「便所煙突やろー、あれホンマに夏は鼻がもげるで、あとホルモン食うた後の、爺ちゃんのスカシッ屁な」




 (;゚;ж;゚;)〜ブッ



私は聞き慣れない、関西弁の冗談に、思わず吹き出してしまい




「夏の夜はね、多摩川でしちゃうんだよ」




何故か、中学時代は必死に隠していた、部落での生活を暴露してましった


しかも、同じ中学とはいっても、初めて会話した大阪から来たスケバン転校生に・・・・







「ホンマかいな?」




髪型や制服の着こなしは、見るからに、ヤンキーだけど

異常に可愛い目をしていて、羨ましく思ったのが

彼女の第一印象なのを、今でも鮮明に覚えてる








「小学生まではね」





「屍体とか浮いてへんやろーな」





「スケバン豚子さん、確かめに来る根性ある?」





「上等や、行ったろうやんけ!」













これが、私と豚子のファーストコンタクト・・・




































Posted at 2023/07/22 22:21:51 | トラックバック(0) | スローなブギは、止めてくれ | 日記

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「@ねこぴ 支店長、
私はモービル1の
4-50と
フューエル1をブチ込んどきゃイイと教わったので😭」
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